
キャットフードを切り替える方法と注意点を栄養管理士が解説【獣医師監修】
キャットフードの切り替えは1週間ほどかけて徐々に今までのフードから新しいフードへ置き換えていきます。急に変えると食べなかったり、お腹を壊して下痢になったりする可能性があります。正しい切り替え方や注意点について、獣医師の佐藤先生監修のもとペット栄養管理士が解説します。
キャットフードを切り替える方法

今まで食べていたキャットフードから新しいキャットフードに切り替える際は、急に変えるのではなく時間をかけてゆっくり変えることが重要です。最初は今までのフードに少しだけ混ぜ、猫の様子や体調に問題がないのを確認して少しずつ新しいフードの量を増やしていきます。
切り替えの期間は1週間を目安にするといいでしょう。以下を参考にしてください。

1日目 | 新規フード︰一口 or 匂いを嗅ぐだけ | 既存フード︰100% |
---|---|---|
2〜4日目 | 新規フード︰20〜50% | 既存フード︰80〜50% |
5〜7日目 | 新規フード︰50〜100% | 既存フード︰50〜0% |
普段から胃腸が弱い子、新しい食べ物に警戒心が強い子の場合は、無理をせず置き換えの期間を長めに取るようにしてください。1週間というのは目安ですので、愛猫に合わせて適切な期間にすることが大切です。
猫は犬と比べて食への警戒心が強い傾向にあり、間違った切り替え方をしてしまうと新しいフードを全く食べてくれないかもしれません。飼い主さんから「食べてくれるごはんが見つからなくて困っている」とご相談いただきお話を聞いてみると、急な切り替えを繰り返していたケースが少なくありません。
一度警戒心を持ってしまうと、その警戒心を解くのが簡単ではありません。少し手間はかかりますが、愛猫に合った移行期間を設けて焦らずゆっくり進めていただくことをお勧めします。
キャットフードを切り替える際の注意点

キャットフードを切り替えは「新しいごはんを食べてくれなかった」という飼い主さん目線の問題だけでなく、猫目線でも「1. ストレス」「2. 下痢」「3. アレルギー」といった問題を生じる可能性があります。
1. ストレスに注意
猫は食べ物に対して保守的な傾向があり、例えば子猫の時に経験しなかった形状(ドライフードやウェットフードなど)のごはんは大人になってからごはんと認識しない場合があります。同じ形状でも匂いや舌触りが異なればごはんと認識しないかもしれません。難しいのは、警戒されてしまうと絶対に食べない可能性があるということ。「さすがにお腹が空けば食べるだろう」と思っても、食べないのが猫の基本的な習性です。もちろんお腹が空いたら食べる猫もいますので個々の性格にもよります。
いずれにしても警戒心を作らないことが大事です。フードを切り替える際は今までのフードにちょっとだけ混ぜるところから始めて、避けずに一緒に食べているのを確認してから増やすのがいいでしょう。
2. 下痢に注意
毎日同じごはんを食べている猫が急に新しいごはんを食べるとお腹がびっくりして下痢になってしまうことがあります。これは腸内環境が新しいごはんに対応できないというのが一因として挙げられます。特に普段から下痢になりやすい子は少しずつ新しいごはんに慣れさせたほうがいいでしょう。ちなみに、腸内環境を整える食材として乳酸菌やビフィズス菌が入ったヨーグルト(プレーンでキシリトールが使われていないもの)や、納豆菌や食物繊維が入った納豆がお薦めです。おやつやトッピングとして食べさせてあげるといいでしょう(1日の最適カロリー量の10%以内)。
3. アレルギーに注意
新しいフードに初めて食べる食材が使われている場合はアレルギーに注意しましょう。よく見られる症状として皮膚を痒がる、皮膚の赤み、下痢、嘔吐などが挙げられます。食べた後にいつもと違う様子が見られる場合はかかりつけの獣医師に相談してください。キャットフードの選び方、切り替えのタイミング

キャットフードを選び方として、大前提となるのが「総合栄養食を選ぶ」ということです。一般食やおやつなどは栄養バランスに偏りがありますので、毎日のごはんにすることはできません。手作りごはんも同様に栄養バランスに偏りが出る可能性があるため推奨はしません(トッピングやおやつとして与える分には問題ありません)。
総合栄養食の場合でもPETOKOTO FOODSのようにオールステージ対応のものから、子猫用と成猫・シニア猫(老猫)用に分かれているものもあります。そのため子猫用のキャットフードを与えていた場合は、成長に応じて成猫用への切り替えが必要になります。
飼い主さんの多くはカリカリと呼ばれるドライフードを与えていると思いますが、お薦めしたいのは食事から水分が摂れるウェットフードです。猫は腎臓病や結石症など泌尿器系の病気になりやすく、水分摂取は非常に重要だからです。ウェットフードの中でも新鮮な食材を使ったフレッシュフードを選択するのが愛猫の健康維持にはベストでしょう。
まとめ

キャットフードは急に切り替えない
急に変えると下痢や偏食につながることも
時間をかけて少しずつ置き換えていくと◎
参考文献
- 「小動物の臨床栄養学 第5版」
- 「Carbohydrate digestion by the domestic cat (Felis catus)」(Nutrition Research Reviews)
- 「Cats and Carbohydrates: The Carnivore Fantasy?」(Veterinary Sciences)
気になることがあれば専門家に聞いてみよう!

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