【トレーナー解説】子犬の散歩はいつから始める?散歩デビューや慣らし方を紹介
犬と暮らす上で重要な散歩。子犬の場合、ワクチンをしないと散歩ができなかったり、お散歩デビューをしてもうまく散歩ができなかったりと、意外と簡単ではありません。今回は子犬のお散歩デビューの時期や、自宅でできる散歩の練習方法、歩かない理由などをドッグトレーナーが解説します。
子犬の散歩はいつから?
基本的には免疫力のない子犬はワクチンプログラムが終了してからのお散歩デビューが一般的です。
8週齢前後で1回目の混合ワクチンを接種し、その後3〜4週間後に2回目、さらに3〜4週間後に3回目を接種します。大体生後4カ月前後にようやくお散歩デビューとなります。
子犬の散歩デビュー時期は獣医師に相談を
子犬の成長に大切な「社会化期」の時期が、生後3〜16週齢とちょうどワクチンプログラム中の時期と重なる問題があります。ワクチンプログラムの終了する生後4カ月頃というのは、犬種や個体差もありますが「恐怖心」が芽生えて来る時期です。それまでは、恐怖心より好奇心のほうが強く、いろいろな刺激に慣らしやすい時期といえます。
獣医師から見ればお散歩デビューは「ワクチンプログラムを終えてから」という意見が多いところ、トレーナーから見ると「ワクチンプログラムが終わる前から」という意見が多い、というのが正直なところです。
「子犬の健康」や「精神的成長」、どちらも大切なことのため、獣医師に相談の上、お散歩デビューの時期を考えることをおすすめします。
子犬の散歩の慣らし方は抱っこ散歩
子犬の散歩で最初におすすめしたいのが抱っこ散歩です。
スリングなどを利用した抱っこ散歩は、地面を歩かせることがないので3回のワクチンプログラムが終わっていない2ヶ月頃の犬でも病気などのリスクを減らすことができます。
自分で地面を歩かなくても、外に出ることで空気の匂いや音、動くものなど「嗅覚」「聴覚」「視覚」など刺激を受けることができます。
家の周りを1周することから始め、少しずつ距離を伸ばして、路地裏の静かな場所や大通りの人や車が行き交う場所、子どもたちが元気に遊ぶ公園や学校周りなどへ行ってみてください。
抱っこ散歩でいろいろな場所に連れていけるのであれば、実際に歩かせての散歩はワクチンプログラムが終了してからでもいいでしょう。
子犬の散歩の方法
外での散歩は抱っこ散歩でも、家の中で散歩の練習をすることはできます。
一度に新しいことをたくさん始めることは犬にとって負担になるため、できるところから始めていきましょう。
01【子犬の散歩の方法】リードや首輪に慣らす
リードや首輪というのは散歩には欠かせないグッズです。
なかには「首輪を付けられるのがイヤ」という犬もいるため、そうならないよう、家にいる間から慣らしておきましょう。
\One Point!/
「ケージから出してあげるときには必ず首輪とリードを付けてから」などルールを決めるといいでしょう。遊び盛りの子犬の頃に「首輪とリードを付けたらケージから出してもらえる」というれしい経験をさせてあげることで、首輪とリードを好きになってもらうことができます。
02【子犬の散歩の方法】家の中で歩く練習
首輪やリードに慣れたら、家の中で歩く練習をしてみましょう。
子犬のうちは足元やリードにじゃれ付いてくるなど、意外とただ歩くだけのことが難しかったりします。
<方法1>
- リードが少したるむくらいの長さで束ねて持つ
- 名前を呼んで目があったら歩き出す
- ぴょこぴょこと走り出す場合はピタッと立ち止まり、名前を呼ぶ
- 名前を呼ばれ足元へ戻ってきたら、アイコンタクトを取り再び歩き出す
<方法2>
- 1日分の食事からトレーニングで使う量を除いておく
- リードを右手でたるむくらいで持ち、左側に犬を座らせる
- 左手にフードを持ち、犬の鼻先から飼い主さんの目線まで移動させ、目が合うように誘導する
- 目があったら褒めて一粒あげる
- 再びフードを持つ左手を鼻先に近づけ、誘導するように一緒に歩き出す
\One Point!/
歩き出す際に大事なのことは、リードを持つ右手が、犬の動きに合わせていかないことです。最初に決めた位置から動かさないように、意識してコントロールしましょう。犬を誘導する左手は犬の大きさにもよりますが、飼い主さんの膝、または足先より手を前に出さないように気を付けましょう。
最初は歩くというよりは1歩ずつ、飼い主さんの左足に合わせて付いてきてもらうイメージで大丈夫です。
注意点:トレーニングは犬のペースで
方法1でも2でも繰り返し行うことが大切ですが、犬のペースに合わせて少しずつ段階をあげていきましょう。最初は首輪とリードを付けて「お座りする」「アイコンタクトを取る」だけでも十分です。
意外と飼い主さんがトレーニングに集中して時間を忘れることがあるため、最初に5分だけなど時間を決めるといいでしょう。
1度に長くやると犬も疲れてしまうので、食事のタイミング(朝・昼・晩)など数回に分けてトレーニングすることをオススメします。
03【子犬の散歩の方法】外の地面に降りてみる
ワクチンプログラム終了後、獣医師さんと相談の上でお散歩デビューです。
初めてのものでいっぱいの外なので、初日は家の前や、人通りの少ないところで自由に歩かせてみましょう。
馴染みのあるおもちゃやおやつなどを使って安心させてあげるのもいいです。
04【子犬の散歩の方法】家の周りを散歩してみる
外でのお散歩は、まずは家の周りから始めましょう。交通量が多い場所なら、路地に入ってゆっくり落ち着いて歩ける場所からでもいいです。
散歩の基本は、リードの持ち方とアイコンタクトです。家での練習を活かして外でも同じように少しずつ練習してみましょう。
子犬が散歩で歩かない・嫌がる理由
地面が熱い・冷たい
子犬の肉球は地面の温度にとても敏感夏場の地面はとても熱くなり、成犬であってもヤケドしてしまいます。熱さだけでなく、霜が張って冷たいときもあるでしょう。外で歩き慣れていない子犬の肉球はとても柔らかく、傷つきやすいため、痛みを感じて歩かなくなるケースがあります。
先に進むのが怖い
恐怖心が芽生える4カ月前後では、初めて見るものや予期せぬ出来事に恐怖心を抱きやすい時期です。回避できるのであれば回避してあげ、回避できないものであればおやつなどを利用して少しずつ慣らしてあげましょう。
一歩でも進めたらその日は抱っこで通るくらいから始めて、トラウマにならないように気を付けましょう。
学習によるもの
「行きたくない」「抱っこして欲しい」は経験からする行動です。「こっちに行ったら注射をされた」「じっとしてたら抱っこしてもらえた」など、犬にとって、嫌なことや反対に良いことがあった場合に動かなくなることもあります。
愛犬がどんな理由で歩かないのかということを、考えて対処することも、飼い主さんの大切な役割です。
まとめ
犬のお散歩デビューはワクチンプログラムの終了後が一般的です
ワクチンプログラム中に社会化期が重なる問題があるため、獣医師に相談しましょう
お散歩デビュー前に自宅で散歩の練習を行うことがオススメです
犬が歩かない場合は理由を考えましょう
想像していたよりも難しいのが子犬の散歩です。
上手な散歩にこだわり過ぎないで、できるところから始めること、そして犬も飼い主さんも楽しんで取り組むことが大切です。また、散歩中の拾い食いや呼び戻しなど、しつけも大切ですので、楽しんで成長していきましょう!
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