犬の社会化とは?失敗しないトレーニングの方法をトレーナーが解説

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犬の社会化期は二度と帰ってこない大切な時期で、犬の社会化は、犬のその後の性格や行動を大きく左右する、とても重要なことです。犬の社会化期はいつまでなのか、その間にどんなことをすれば良いのか、失敗しない「犬の社会化」について、ドッグトレーナーの小野が解説します。

「犬の社会化」はいつ?

振り返る子犬

犬の「社会化期」とは

よく「社会化」を「しつけ」の一種だと勘違いされている方がいるのですが、社会化はどんな犬にも訪れる時期を指すのであって、飼い主さんが犬を社会化させたり、大人になった犬を社会化させたりするものではありません。

社会化の時期は、犬種や大きさ、個体によって差がありますが、一般的に生後3〜12週齢くらいまでが社会化期だと考えられています。

この時期に「刺激に対してどんな反応をするか」が将来の行動に大きな影響を及ぼします。厳密にいえば、社会化期を過ぎてからも新しい刺激はあるため、広義の社会化は続いていきます。

犬の社会化の誤解

よくあるのが、「犬の社会化=他の犬や人に会わせること」という誤解です。

犬の社会化とは、犬の将来を考えて、その将来をより良くするためにすることです。

犬の社会化不足の影響

刺激がなく、守られてばかりで育った犬は、すぐ噛んだりすぐ吠えたりといった否定(ネガティブな反応)から入る成犬になります。

社会化の時期はストレスのない生活を送るのではなく、「どんな刺激にもストレスを感じない犬に育てよう」くらいのスタンスで過ごしてください。

社会化不足の影響は計り知れず、犬自身のストレスにもつながりますし、人間社会で生活する上で、幸せになるチャンスを逃すことにつながります。

子犬の社会化の方法と訓練

しつけ訓練を受ける子犬

社会化トレーニングに最適な場所

最初は、ドッグトレーナーが開催しているしつけ・トレーニング教室を受講してみることをオススメします。

他の犬が大丈夫な犬や先輩犬、同じ月齢くらいの犬など、社会化にベストな条件・環境を飼い主さん個人で作ることは非常に難しいためです。

よくある間違いは「社会化のためにドッグランに連れて行くこと」です。社会化は環境が大切にも関わらず、ドッグランにはどんな犬がいるかわかりません。

もともとの素質がタフな子であれば平気かもしれませんが、たった1回の「ガブ!」「ガウ!」で犬が苦手になってしまう場合もあります。社会化期の月齢でドッグランに行くのはリスクが大きすぎるのです。

まずはしつけ・トレーニング教室に行き、犬が楽しそうにしているかを見て、楽しそうにしていない時にトレーナーがフォローをしているかを見たり、トレーニング方針など聞いたりしてください。

自分でできる社会化トレーニング

犬に慣らすことだけが社会化ではありません。「とにかく外に出る」というのも飼い主さんが一人でできる社会化の方法です。

極端なことを言えば、家の中にはほとんど居なくてもかまいません。外が楽しい場所で、外の刺激がポジティブに捉えられるようになるためには「数」と「時間」がとても大切だからです。

飼い主さんは、外が楽しく、良い刺激になるように気を付けてあげないといけませんが、万が一間違っても、犬が若くて取り返す時間があればどうってことありません。いくらでも取り返せますので、どんどん外に出してあげてください。

犬の社会化期によくある質問

物陰から覗く犬

Q. ワクチンが終わるまで外に出さないほうがいい?

獣医師に「最後のワクチンが終わるまでなるべく外に出さないようにしてください」と言われた方もいると思います。

しかし、社会化期は一生に1度しかない特別で大切な時期です。病原体に触れないように抱っこしながらでも外に連れていきましょう。

Q. 「社会化CD」に効果はある?

社会化CDとは、犬にさまざまな音を慣れさせるためのCDです。社会化CDを聞かせることに意味が無いとは言いません。

ただ、実際の音の大きさ、振動、聞こえる周波数などとスピーカーから出てくる音とでは、雲泥の差があります。

どんな音でもかまわないので「実際の大きな音」を経験させることが大切です。

成犬の社会化の方法と訓練

甘える成犬

社会化期の刺激への反応は「慣れ」で、大人になってからは「学習」と考えてください。

「慣れ」と異なるのは、1つ「学習」しても、それが別の学習につながることには限界があるということ。

そのため、社会化に要する時間は長期になります。しかし、大人になってからも好転させることは可能なので、諦めずに取り組みましょう。

犬の社会化は「その子らしく」育てる

飼い主に寄り添う犬

犬の社会化は、どんな刺激にもストレスを感じない犬に育てるためにとても重要
犬の社会化期は一般的に、生後3〜12週齢頃
成犬になってからでも、「学習」というかたちで刺激に対応させることは可能

犬に関するしつけもトレーニングも何事も、基本は「犬」も「人」も楽しんですることです。

「いい子に育てる」のではなくて「その子らしく育てる」ことを心がけましょう。それには、犬も人も、広い視野といろいろな経験が必要です。

ぜひ飼い主としてたくさんのことを勉強して、愛犬に幸せな犬生を送らせてあげてください。