【獣医師執筆】犬は三つ葉を食べても大丈夫!与え方や注意点を解説

【獣医師執筆】犬は三つ葉を食べても大丈夫!与え方や注意点を解説

Share!

三つ葉はお吸い物の香り付けや丼ものの彩りとして利用されることの多い食材で、犬も食べることができます。今回は与え方の注意点から、三つ葉を使ったお手軽「七草粥」風レシピまで解説します。

犬は三つ葉を食べても大丈夫

三つ葉

三つ葉(ミツバ)はセリ科の植物でカリウムやカルシウム、βカロテン、ビタミンC、食物繊維などを含み、犬が食べても大丈夫な食材です。年間を通して流通していますが、自生する三つ葉は春に旬を迎えます。


三つ葉の種類

三つ葉は山に自生するものの他に、栽培方法によって「根三つ葉」「切り三つ葉」「糸三つ葉」の三つに分けられます。スーパーなどで売られているのは「糸三つ葉」が一般的です。

糸三つ葉 根三つ葉 切り三つ葉
エネルギー 12kcal 19kcal 16kcal
カリウム 500mg 640mg 500mg
カルシウム 47mg 52mg 25mg
βカロテン 3200μg 1700μg 730μg
ビタミンC 13mg 22mg 8mg
食物繊維 2.3g 2.9g 2.5g
※各100g当たり、参照:「食品成分データベース」(文部科学省)

ハーブとしての三つ葉

三つ葉は独特な香りを持つことからハーブとして使われることもあります。β-ミルセンやβ-ピネンなどの香気成分によって消化促進や精神安定などの効果が期待できるとされています。


犬が食べて大丈夫な三つ葉に含まれる栄養素

三つ葉

三つ葉を食べることでどんな効果が期待できるのでしょうか。含まれる栄養素をそれぞれ解説します。

カリウム

カリウムは過剰な塩分を排出してナトリウムとのバランスを保ち、血圧を安定させる効果があります。ただ腎臓が弱っている場合はカリウムが過剰になり、心臓にダメージを与えてしまいます。腎臓病の犬は摂取量に気を付けましょう。

カルシウム

カルシウムは骨や歯の材料になるだけでなく、神経の情報伝達にも重要な役割を持ちます。不足すると脳が正常に働かなくなり、イライラにつながります。

βカロテン

犬はβカロテンを体内でビタミンAに変換することができます。ビタミンAは健康な被毛を保ち、視力維持にも役立ちます。不足することで免疫力の低下や骨の形成不全につながります。

ビタミンC

ビタミンCは強い抗酸化作用が特徴で、がん予防やアンチエイジングの効果が期待されます。生体内の異物を解毒する作用や、免疫機能を向上させる作用もあります。犬はビタミンCを体内で合成することが可能です。

食物繊維

食物繊維は摂取しても栄養にはなりませんが、血糖値の上昇を抑えて肥満を予防したり、大腸を刺激して便秘を改善したり、腸内細菌のエサになって腸内環境を改善したりしてくれます。


犬に三つ葉を与える際の注意点

三つ葉

犬に三つ葉を食べさせる際は、以下の点に注意して与えましょう。

  1. 食べやすい大きさ
  2. 与える量
  3. アレルギー

01【犬に三つ葉を与える際の注意点】細かく刻む

三つ葉は生のままでも加熱しても問題ありません。ただし、加熱調理ではビタミンが減ってしまう点に注意が必要です。小型犬などそのまま与えると食べにくい場合もありますので、その子に合った大きさに切ってから与えるようにしてください。

02【犬に三つ葉を与える際の注意点】与え過ぎ

前提として、犬は総合栄養食のごはんを食べていれば、それ以外は与える必要はありません。

おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。毎日の最適カロリー量はペトコトフーズの「カロリー計算」(無料)で簡単に計算することができます。

愛犬のカロリー計算をする

PETOKOTO FOODS

03【犬に三つ葉を与える際の注意点】アレルギー

食物アレルギーには、生まれつきの体質による先天性アレルギーと、長い期間同じ食材を食べることで発症する後天性アレルギーがあります。

初めて食べる食材を与える際は少量からスタートさせてあげましょう。アレルギーには以下の症状になる可能性が挙げられます。

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 皮膚の痒み
  • 元気がない
  • 目の充血

上記のような症状があれば、すぐにかかりつけの獣医師に相談しましょう。一方で、アレルギーテストで陽性が出たから食べられないと思う飼い主さんも多いですが、それは間違いです。症状が出ていなければ食べさせても問題ありませんので、特定の食材を食べさせてアレルギー反応が出るか確認してみてください。




犬の三つ葉を使ったお手軽「七草粥」風レシピ

お手軽「七草粥」風レシピ

シリーズ「PETOKOTOおやつ部」では、三つ葉を使った「七草粥」風レシピを紹介しています。とっても簡単にできますので、ぜひ挑戦してみてください。

材料

ご飯 50g
50cc
水菜 5g
春菊 5g
三つ葉 5g
鶏のささみ 20g

作り方

1. 葉を小さくカットします。

水菜、春菊、三つ葉を軽く洗って水気を取ったら、それぞれカットして小さくします。

2. ささみを茹でます。

水を入れて沸騰した鍋にささみを入れて2〜3分茹でます。火が通って出汁が取れたら、火を止めてささみを取り出します。粗熱が取れたら、手で割いて小さくします。

3. 具材を入れましょう。

鍋に残ったささみのスープに小さくしたささみを戻し、ご飯とカットした葉を入れて火にかけます。焦げないように弱火にして、ご飯が柔らかくなったら完成です!

レシピの詳細を見る


まとめ

三つ葉
三つ葉は栄養豊富で犬が食べても大丈夫
香り付けや彩りとしてトッピングに最適
最適カロリーを計算して適量を与える
鮮やかな緑が美しく、爽やかな香りが独特な三つ葉は犬が食べても大丈夫な春の食材です。トッピングとしていつものごはんに足してあげると、ワンちゃんも旬の食材を楽しむことができるでしょう。三つ葉に限った話ではありませんが、与え過ぎにはご注意ください。

専門家相談のインスタライブ開催中!

食のお悩み相談会

ペトコトのInstagramアカウント(@petokotofoods)では、獣医師やペット栄養管理士が出演する「食のお悩み相談会」やトリマーやトレーナーへの相談会を定期開催しています。愛犬について気になることがある方は、ぜひご参加ください。

アカウントをフォローする