災害から「うちの子」を守るために、今日からできること

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災害は予期せず起こるもの。愛犬・愛猫のことを守る準備は万全でしょうか? 今回は、3月に開催された「アイペット うちの子HAPPYマラソン 2019」から、作家の岩井志麻子さんと環境省・動物愛護管理室の長田室長が登壇したパネルディスカッション『災害からうちの子を守る!今日からできるカンタン対策』を紹介。あわせて、被災地で活躍する災害救助犬の訓練デモの様子も紹介します。

作家の岩井志麻子さんと環境省・動物愛護管理室の長田室長

まずは「自分の身」を守ること

ペットの防災というと、「どうやって愛犬・愛猫を守るか」と考えるのが当たり前だと思います。しかし、長田室長は一番大事なことは、「自分自身を守ること」と話します。

環境省では昨年、ペットの防災対策として「人とペットの災害対策ガイドライン」を発表しましたが、タイトルが「ペットの災害対策」ではなく、「人とペットの災害対策」となっているのも、「人の対策ができていなければペットを守ることもできない」という前提があるためです。

その上で、ペットと暮らす私たちはどのようなことに気を付ければいいのでしょうか? ポイントにわけて紹介します。


ポイント1. 発生時の避難に慣れさせる

作家の岩井志麻子さんと環境省・動物愛護管理室の長田室長が登壇したパネルディスカッション『災害からうちの子を守る!今日からできるカンタン対策』客席の様子

まずは災害発生時の避難場所を考えなければいけません。自宅にいて地震が発生したら、私たちは家具の転倒から身を守るためとっさに机の下に隠れますよね。ペットも同様に身を隠さなければいけません。

だから、ペットたちが「ここにいれば安心」と思えるクレートやケージ、キャリーバッグなどを用意し、普段から慣れさせておくことが大事です。長田室長は、「フックに引っ掛けたり、ホームセンターなどで売っている滑り止めの上に置いたりする方法もあり、そこまでできれば完璧です」と説明します。

さらに、飼い主さんの指示でクレートなどに入るトレーニングもできていると安心です。長田室長によると、緊急地震速報のアラームが鳴ると自分でクレートに入るトレーニングができている子もいるそうです。


ポイント2. 必要なものを備蓄しておく

防災グッズ

災害発生後はインフラが絶たれ、必要なものを新たに調達できなくなる可能性があります。食料品など定期的に交換しないといけないものもありますので、何を備蓄しておくかは優先順位を決く必要があります。

長田室長は、特に重要なものとして以下を挙げます。

  • 療法食や薬
  • 食料品と水
  • 体を拭くウェットタオル
  • うんち袋

療法食や薬、食料品や水は、1週間分くらいは備蓄しておくのが理想的です。ストレスで食べなくなる場合もありますので、お気に入りのフードやおやつも用意しておけるとベストでしょう。

モノだけでなく、病歴やワクチンや狂犬病予防の接種歴といった「情報」を準備しておくことも大切です。避難所に入れないとなってから獣医師さんを探すわけにはいきません。

行方不明になってしまったときのために、プリントした写真を持っておくことも重要です。「うちの子の写真はスマホにたくさん入ってる」という方も多いとは思いますが、災害時には電池切れになってしまうリスクがあります。

ポイント3. 避難場所・経路の確認

作家の岩井志麻子さんと環境省・動物愛護管理室の長田室長

災害発生時は「よっぽどのことがない限り家にいたい」と言う岩井さんですが、これは多くの飼い主さんも同様ではないでしょうか。ペットOKの避難所であっても周りの目が気になりますし、他の動物と仲良く過ごせるかもわかりませんよね。

しかし、長田室長は「常に在宅避難ができるとは限らないことも想定しておいてください」と言います。当然ですが、家屋の倒壊の危険があったり、物資の問題があったりしますから、避難所に行かざるを得ないときもあります。

同行避難するためには、事前に避難経路を調べておく必要があります。犬の場合は怪我や道路状況によっては抱えて避難しなければいけない可能性もあります。リュック型のキャリーなら、移動時に両手が空くというメリットもあります。

最寄りの避難所がペットを受け入れているか知らない場合は、区役所や市役所に問い合わせをしてみましょう。長田室長は、「まだまだペットについて手が回っていない自治体もあるため、皆さんの問い合わせがペットの受け入れ対策が進むきっかけになるかもしれません」と話します。

ポイント4. 迷子対策をすれば帰ってくる

作家の岩井志麻子さんと環境省・動物愛護管理室の長田室長が登壇したパネルディスカッション『災害からうちの子を守る!今日からできるカンタン対策』の様子

気を付けたいポイントの最後に、迷子対策があります。東日本大震災の際、首輪を装着していた犬と猫のうち、迷子札や鑑札の情報があった子たちは100%家族と再会することができました。一方で、首輪のみだった犬や猫が家族と再会できたのは確率はわずか0.5%でした。

長田室長は、「迷子対策をしているかしていないかはが運命の分かれ道になり、してなければ二度と出会えない可能性のほうが高い」と言います。首輪も、痩せて抜け落ちてしまったり、良かれと思って取ってしまう人もいるため、マイクロチップの装着が確実だと話します。もちろん、情報の登録や更新がされていなければ意味がありませんので、正しく登録されているかも忘れずにチェックしましょう。

災害救助犬の訓練デモ

災害救助犬と指導員

体験イベントエリアでは、ジャパンケネルクラブによる災害救助犬の訓練デモが行われました。災害救助犬とは、その名の通り災害発生時に出動する犬ですが、具体的にどのような救助をするかご存じでしょうか?

地震による家屋倒壊や豪雨による土砂崩れ、雪山での吹雪、雪崩など行方不明になっている人を嗅覚で捜索するのが災害救助犬です。ジャパンケネルクラブでは、東日本大震災の際に宮城県及び福島県へ合計43匹の災害救助犬を派遣しています。

デモンストレーションは「服従訓練」からスタートしました。みなさんも、愛犬に待てお座りをさせることはそれほど難しくはないと思います。でも、ご飯のときだけだったり、いろいろなことが気になってしまうお散歩中はできたりできなかったりということも多いのではないでしょうか。

災害救助犬の場合は、どんな状況でも指導員の指示に従えなければいけません。そのために必要なのが服従訓練です。オビディエンスと呼ばることもあります。

デモンストレーションの中から、指導員と行進中に伏せをしてその場でじっとする様子を動画で紹介します。



伏せの際には見学していた人たちから感嘆の声が聞こえてきましたね。

最後は、倒壊した家屋に見立てた5つの小屋に隠れた人を探し出す訓練です。「探せ」の合図で匂いを嗅いで回ります。

そして、ここにいるとわかったら小屋の前で吠えて知らせてくれるのです。今回のデモンストレーションでは、見学していた人たちの中から2人が参加。どちらもあっという間に見つけ出し、大きな拍手を受けていました。

災害救助犬の訓練の様子

アイペット うちの子HAPPYマラソン 2019
主催 うちの子HAPPYマラソン実行委員会
特別協賛 アイペット損害保険株式会社
運営 一般社団法人日本ランニング協会