【獣医師執筆】猫にオリーブオイルを与えても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

【獣医師執筆】猫にオリーブオイルを与えても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

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猫にオリーブオイルを与えても大丈夫です。私たち人間の健康に良いとされていますが、猫にとっても実はうれしい効果があります。食べる以外にも肉球に塗ったり、便秘の猫にオイルを浸した綿棒を使ったりと、さまざまな使い方があります。今回は、猫がオリーブオイルをあげたときに期待できる効果や、オリーブオイルを与えるときの注意点などをまとめて紹介します。

猫にオリーブオイルを与えても大丈夫

首をかしげる猫

オリーブオイルは猫が食べても大丈夫なオイルです。しかし、実は気を付けなければいけないことがあります。以下の2点に注意しましょう。
  1. アレルギー
  2. 過剰摂取

1.アレルギーに注意

猫の中には、ある一定の食材にアレルギーがあるものもいます。そのため、アレルギーがある猫には、オリーブオイルを与えてはいけません。もし猫が誤ってオリーブオイルを舐めてしまい、皮膚にかゆみが出たり、元気がなくなったりするなどの症状が見られた場合は、獣医師に相談するようにしましょう。

食物アレルギーには、生まれつきの体質による先天性アレルギーと、長い期間同じ食材を食べることで発症する後天性アレルギーがあります。

初めて食べる食材を与える際は少量からスタートさせてあげましょう。アレルギーには以下の症状になる可能性が挙げられます。

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 皮膚の痒み
  • 元気がない
  • 目の充血

上記のような症状があれば、すぐにかかりつけの獣医師に相談しましょう。一方で、アレルギーテストで陽性が出たから食べられないと思う飼い主さんも多いですが、それは間違いです。症状が出ていなければ食べさせても問題ありませんので、特定の食材を食べさせてアレルギー反応が出るか確認してみてください。


2.過剰摂取に注意

オリーブオイルは、便秘の改善などによいといわれていますが、摂取のし過ぎで下痢の原因になることも。またいくら健康によいとはいえ、油であることには変わりないので、摂取し過ぎると肥満や膵炎の原因になります。与え過ぎには注意してください。




猫が食べて大丈夫なオリーブオイルの栄養成分

オイル

猫だけでなく、私たち人にとってもうれしい成分や栄養がたくさん含まれているオリーブオイル。いったいどのような効果があるのか、詳しく紹介します。

オレイン酸

オレイン酸は不飽和脂肪酸の一種で、コレステロールを下げる効果が期待できます。


ポリフェノール

オリーブオイルを舐めるとほんのりと苦味や辛味を感じることができますが、これはポリフェノールに由来するものです。強い抗酸化作用があるポリフェノールは、生活習慣病予防や皮膚の健康維持効果が期待できます。

ビタミンE

オリーブオイルには美容成分としても知られるビタミンEが含まれています。ビタミンEはトコフェロールとも呼ばれ、抗酸化作用を持ちます。毛艶を保ち、アンチエイジングに効果があるとされています。細胞膜トラブルの原因となる活性酸素、過酸化物に対抗し、守る効果も期待できます。細胞膜が壊れてしまうと皮膚病やガン、消化器疾患などさまざまな病気を引き起こす原因になります。


猫へのオリーブオイルの与え方

オリーブオイル

オリーブオイルを猫に与えるときは、いつものごはんに加えるのも良いでしょう。与える目安としては、猫の大きさなどによって異なりますが、ほんの少量でOK。カロリーが高いうえ、大量に与えると下痢などの症状が現れる可能性もあるので、1日ティースプーン1杯程度を目安に考えておくのがよいでしょう。初めて与える場合は、さらに少量からスタートしてください。

オリーブオイルを総合栄養食へのトッピングとして与える場合、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。毎日の最適カロリー量はペトコトフーズの「カロリー計算」(無料)で簡単に計算することができます。

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猫はオリーブの実を食べても大丈夫?

オリーブ

オリーブの実も猫にあげても大丈夫です。さらにオリーブはマタタビ同様に、猫を虜にさせる効果があるといわれています。とはいえ、ワインのおつまみなどでよく登場する塩漬けなどの加工品はNGです。あまり見かける機会はないかもしれませんが、どうしても与えたい場合には味付けされていないオリーブを調達してください。


猫にオリーブオイルは肉球ケアとしても

見つめる猫

オリーブオイルは食用として与えるほかにも、使い方があります。どんな使い方があるのか詳しく紹介します。

オリーブオイル×綿棒で便秘を改善。毛球症の猫にも

オリーブオイルを直接口にすることで便秘の改善が期待できますが、中には嫌がってオリーブオイルを口にしない猫がいます。そこで用意したいのが、オリーブオイルを染み込ませた綿棒です。この綿棒で猫のおしりにある肛門を刺激すると、腸が活性化され便秘が改善することがあります。

また毛玉をうまく排出できず、体内で毛がかたまりとなって胃や腸などの消化管に溜まってしまう毛球症の猫にも、同じように行うこともあります。獣医師に相談しながら行ってみてはいかがでしょうか。


オリーブオイルで猫の肉球ケア

乾燥やかゆみなど肉球のトラブルを防止するために、クリームなどを使って肉球ケアを取り入れている人もいるのではないでしょうか。専用の肉球クリームを使って行うことが多いと思いますが、実はオリーブオイルをクリーム替わりに使うことができます。愛猫とのコミュニケーションタイムに、オリーブオイルを使った肉球マッサージを試してみてはいかがでしょうか。


猫にオリーブオイルは最低限で

猫

栄養豊富なオリーブオイルは、猫にとっても良い食材です。ただし与え過ぎは禁物。初めて与えるときには、アレルギーに注意しながら少量ずつ与えてください。とはいえ猫が嫌がってオリーブオイルを食べない場合は、無理に与えなくても大丈夫です。オリーブオイルを使った肉球ケアなど別の形でコミュニケーションを楽しんでくださいね。

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