犬の動脈管開存症 | 症状や原因、治療・予防法など認定医が解説
犬の動脈管開存症(どうみゃくかんかいぞんしょう)は、生後間もない犬やチワワ、ポメラニアンなどの犬種に好発する病気です。今回は、犬の動脈管開存症の症状や原因、治療法などについて白金高輪動物病院・中央アニマルクリニック顧問獣医師で獣医循環器認定医の佐藤が解説します。
犬の動脈管開存症の基礎知識
動脈管とは胎生期の左第6動脈弓から発生し、母親の動脈血を胎子の肺動脈から大動脈へバイパスする役割を担っている血管です。通常、動脈管は生後2〜3日で退縮し、使用されなくなるはずが本疾患では退縮せずに血液が流れてしまうことで心臓への負担がかかる先天性心疾患です。発生頻度は(11〜31%)と比較的高く、文献によっては最も高い先天性心疾患と書かれている著書もあります。かかりやすい犬種
- コリー
- シェットランド・シープドック
- ポメラニアン
- チワワ
- ミニチュア・ダックスフンド
- トイ・プードル
かかりやすい年代
- 生後まもない
症状
- 無症状のこともある
- 運動不耐性
- 発育不良
- 呼吸促迫
- 咳
- 失神
- チアノーゼ
- 呼吸困難
原因
- 不明
検査・診断
- 身体検査における聴診で特殊な連続性雑音が聴取される
- 心電図検査において不整脈が見られることもある
- レントゲン検査
- 心臓超音波検査において確定診断
治療
- 基本的には外科治療もしくはカテーテル治療により改善
- 万が一、血流の流れが異常な場合は外科不適応であり、その場合は血管拡張薬、利尿薬などを使用
予後
- 手術しなければ悪いが、手術すれば通常の健常犬と変わらない
予防
- 早期発見早期治療が必要となる
対処法・応急処置
- なし