犬は氷を食べても大丈夫?与えていい量や注意点を栄養管理士が解説
氷が好きな犬はたくさんいますよね。熱中症や脱水症状、暑さ対策に有効な氷ですが、一方で体を冷やすので、与え過ぎてしまうとお腹が冷えて下痢や嘔吐をしてしまう犬もいます。氷が原因で体調を崩すことのないよう、正しい与え方を確認しておきましょう!ペット栄養管理士が解説します。
犬は氷が好き?
水を凍らせた氷は犬が食べても大丈夫です。ただし、水は水道水を使用しましょう。ミネラルを多く含む硬水のミネラルウォーターは結石の原因になるため避けてください。水道水でも地域によってはミネラル分が多い場合もあります。結石の不安がある場合は、地域の水道局などに確認するといいでしょう。
氷の好き嫌いは犬によって異なりますが、ガリガリと食べるのを楽しむワンちゃんが多いです。適量であれば水分補給にもなるので熱中症対策などに効果的ですが、お腹から体を冷やしてしまうので、少しずつあげて愛犬の適量を知っておくことが大切です。
犬は体温調節が苦手
犬は汗をかく汗腺が肉球にしかないため、体温調節が苦手で熱中症や脱水症状を引き起こしやすいです。犬が暑いと感じている時にするパンティング(浅くハッハッと呼吸をすること)は、体温調節の一環で舌から熱を逃がそうとして行います。
舌を冷やせるという意味では、氷は即効性があり犬に好まれやすいです。しかし、室内での暑さ対策であればクーラーや冷却グッズなどを使い、体内からではなく室温調整で快適な環境にしてあげられるとよいですね。
犬の熱中症対策に氷をあげても大丈夫?
氷は元々水なので、特に問題はありません。しかし体質を知らずに大量に氷を与えてしまうと、体調を崩すきっかけになってしまうこともあります。冷たいものの摂取は胃腸に負担をかけやすいので注意しましょう。
氷をあげる際の注意点
下痢や嘔吐
暑さ対策のために必ず氷が必要というわけではありません。ガリガリと大量に食べるのが好きな犬もいますが、すぐにお腹を壊してしまう犬もいます。その場合お腹の冷えが原因で下痢や嘔吐を引き起こしてしまう可能性があるので、最初から大量にあげたりするのはやめましょう。また、氷をあげる際は室温が極端に涼しくならないようにし、ペット用のベッドかブランケットを用意してあげるとよいでしょう。もし犬が体の冷えを感じたら自分から温まりに行ける環境を用意しておくことが大切です。
喉に詰まらせる
氷はキューブ型のものが多いと思いますが、勢いよくかじっている時に喉に引っかかることのないよう注意が必要です。あらかじめ小さめに砕いてあげたり、焦って食べてしまう犬には1つずつ与えるようにしましょう。舌に張り付く
皆さんも氷が舌に張り付いてしまったことはありませんか? 無理やりはがすと舌が痛くなることもありますよね。氷が舌などに張り付いてしまうと犬も焦って口の中をけがしてしまうかもしれないので、事前に水で氷を少し濡らしてからあげるとよいでしょう。
氷食症
氷食症とは季節関係なく氷を食べていないと落ち着かない状態になってしまう症状を指します。人間でいえばストレスや貧血が原因とされています。しかし犬は自分で冷蔵庫を開けて氷をむさぼることはしないので判断が難しいです。もし異常に氷を欲しがる様子が気になったら、獣医さんに相談してみましょう。
与える目安量
氷が好きで食べる犬は体の大きさなどの違いもあり、お腹が弱い子や、丈夫な子など個体差があります。1日1個までと決めているご家庭もあれば、餌の器いっぱいに氷を食べる犬もいます。大切なのは愛犬にとっての適量を把握することです。最初は飲み水に氷を浮かばせる程度にし、氷水の冷たさが問題なさそうだったら少量からあげてみましょう。
氷のいろいろな使い方
おやつ代わり
氷は元々お水なので、少しダイエットが必要な犬のおやつ代わりに最適です。氷が好きなワンちゃんは喜んで食べるので、ダイエットでもストレスも感じずにできるのがよいところですね。ただ氷のあげすぎはお腹の不調につながる可能性もあるので、ほどほどにしましょう。また、シロップなしのかき氷を作るのも良いでしょう。ただし、食べやすいために一気に食べてしまう犬もいます。そうすると人間と同じように頭がキーンとなってしまったり、お腹が急激に冷えて下痢になってしまったりします。かき氷をあげるときは犬が慌てて食べても大丈夫なように、少量で渡してあげるようにしましょう。
氷水にする
お散歩のときや、特に暑がっている様子の時は氷で少し冷やしたお水をあげるとよいでしょう。過度に冷たくしてしまうと犬によっては嫌うこともあるので、普段の飲み水や犬用の携帯ボトルに氷1、2個を目安に入れてあげるとちょうどよいです。冷却グッズをつくる
氷は熱中症対策に欠かせない冷却グッズにもなります。ペットボトルを凍らせて軽くタオルで包んだものや、ジップロックに少量の水と氷を入れてタオルで巻いた氷枕などを作ることができます。ワンちゃんがいつお休憩している場所に置くとクールマットなどの代わりになります。また、氷を器に入れて扇風機の前に置いておくと、冷気を部屋中に循環させることもできます。
犬にアイスをあげても大丈夫?
まず、人間用のアイスを犬に与えてはいけません。これはアイスに限ることではありませんが、人間と犬の体の構造は異なるので、人間の食べ物の犬の健康に悪影響を及ぼします。「おねだりがかわいくて、つい……」この行動がかわいいワンちゃんの肥満や虫歯など、健康被害を招いてしまいます。現在では犬用のアイスも販売されているので、おやつ代わりにあげるのであれば必ず犬用を選ぶようにしましょう。
おやつをあげる際は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。1日の最適カロリー量はペトコトフーズの「フード診断」(無料)で簡単に計算することができます。
まとめ
体温調節が苦手な犬にとって氷は体を冷やす助けになる
愛犬にとっての適量を知ることが大切
下痢や嘔吐をしたり、喉に詰まらせたりしないよう注意
まずは飲み水に浮かばせる程度からあげてみる
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