犬の毛が抜ける理由をトリマーが解説!毛玉ができない毛のケアや掃除グッズを紹介
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愛犬の被毛のケアは愛犬とのコミュニケーションが深まったり、病気の早期発見につながるのでとても大切です。今回は犬の毛が抜ける理由や毛玉ができない毛のケアを日本とアメリカで15年以上トリミング経験のあるトリマーの大森先生が解説します。
犬の毛(被毛)と人の毛(毛髪)は、よく似た構造をしています。まず表面を覆っている部分は「キューティクル」(毛表皮)といいます。その内側には「コルテックス」(毛皮質)というものがあり、中心には「メデュラ」(毛髄質)があります。
犬の毛も人の毛も、3層構造になっているのです。これから、一つ一つ特徴を解説していきます。
キューティクル(毛表皮)
まずは、毛の外側を覆っている「キューティクル」です。シャンプーのCMなどで聞いたことがある方も多いのではないでしょうか? キューティクルは魚のうろこのように重なり合った構造をしていて、外部刺激に弱いコルテックスを守る役割を持っています。
キューティクルの均一さは毛の艶(つや)や手触りの良し悪しに大きく関わります。薄い構造のため、
シャンプー時の摩擦や毛のもつれを取る際、ドライング時の無理なブラッシングで剥がれたり、傷が付いたりします。そうなると内部のコルテックスを守ることができなくなり、枝毛・切れ毛の原因や毛本来の美しさを損なうことになります。
コルテックス(毛皮質)
コルテックスは毛質に大きく影響する部分です。繊維状の組織が束になっており、毛の弾力性や柔軟性は主にコルテックスの性質によるものです。そのためコルテックスを覆っているキューティクルが剥がれると、コルテックスの束がほぐれやすくなり、裂毛、断毛、枝毛などのダメージ毛になってしまいます。
メデュラ(毛髄質)
毛の中心には「メデュラ」と呼ばれる空胞があり、空気が含まれています。犬の毛は人の毛より空胞が大きいのが特徴です。メデュラは保温の役割や毛の軽さに関係していると考えられていますが、役割や性質については、はっきりしていないのが現状です。
犬の毛は何からできているの? 毛は18種類のアミノ酸から成る「ケラチン」という硬タンパク質からできています。具体的には、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、リジン、ヒスチジン、トリプトファン、シスチン、メチオニンの18種類です。
アミノ酸系洗浄成分の配合を謳ったシャンプーが多いのは、毛の主成分がアミノ酸であるためです。毛と同じ成分を使うことでシャンプー時にタンパク質の流失を防ぎ、毛を保護します。
人の毛に生え変わりのサイクルがあるように、犬の毛にも同様のサイクルがあります。ただ、シングルコートやダブルコートといった主毛と副毛の違いは人にはない特徴です。
シングルコート、ダブルコートのサイクルの違い
犬の毛には、1本の太く長い「主毛」とそれを囲む複数の「副毛」が生えています。主毛のことを、「上毛、ガードヘア、トップコート、一次毛」と呼び、副毛のことを「下毛、ダウンヘア、アンダーコート、二次毛」と呼ぶこともあります。
毛の密度は犬種によって多種多様で生え方もいろいろあり、大きく分けると「ダブルコート」と「シングルコート」に分けられます。ダブルコートは柴犬やコーギーのように夏毛・冬毛といった生え変わり(換毛)があり、シングルコートはマルチーズやプードルのように主毛のみが伸びていきます。人はシングルコートと同じ構造です。 犬の毛玉を防ぐには?
毎日ブラッシングをせず、お手入れをしていないと犬の毛は毛玉になってしまいます。そして毛玉がひどい状態になると、フェルトのような状態になります。そのため毎日のブラッシングが大切です。
ブラッシングをする際は、スリッカーブラシを使用しましょう。毛をかき分けて毛の根元から皮膚を確認し、毛先に向かってブラッシングをすることがポイントです。ブラッシングの後に毛がもつれていないかコームで毛の根元から毛先に向かって毛をとかして(コーミング)いくことで毛玉のできづらいケアができます。
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掃除機
毛が落ちているとダニやノミの原因になります。掃除機で定期的に毛を掃除しましょう。ダイソンが発売するハウスダストや抜け毛、掃除機の排気が臭くなるなどの問題を解決する「V6 Animalpro」がオススメです。
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毛取りクリーナー
ペットの抜け毛やほこり、髪の毛、糸くずなどのゴミがどんどん取れる簡単抜け毛取りクリーナーです。電気や粘着テープを使わず、繰り返し使用できるので経済的です。取れた毛が自動的にダストBOXに溜まり、捨てやすい仕様なのも嬉しいポイント。
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服
犬の毛が部屋に落ちないように服を着せてあげることも一つでしょう。また、外出時のダニ・ノミ対策や、皮膚保護服としても活躍します。 犬が毛をむしるけど大丈夫?
皮膚が悪いと痒くて毛をむしることがあります。気になったらまず動物病院に相談してみましょう。 犬は毛づくろいするの?
猫の場合は毛づくろいという行為をしますが、犬の場合はそ毛づくろいという行為しません。ただ、気になる箇所を舐めたりすることはあります。こちらも必要以上に舐めたり掻いたりして皮膚が悪化している場合は動物病院に相談しましょう。 犬は毛を食べても大丈夫?
猫の場合は毛を食べて吐くことがありますが、犬の場合はありません。毛を食べることはありますが、そこまで気にする必要はないでしょう。 いかがでしたか?
犬の毛を知ることで愛犬のケアがさらに楽しくなります。犬の毛のケアに興味がある方はこちらの記事も合わせて読んでみてください◎
海外も含め15年以上のトリミング経験のあるフリートリマー / ビジョナリーアーツ専門学校特別講師
海外も含め15年以上のトリミング経験のあるフリートリマー / ビジョナリーアーツ専門学校特別講師