冬も犬猫のノミ・マダニ対策って必要なの? 本当にあった怖い話
犬や猫の飼い主さんでノミ・マダニ対策をしている方は少なくないと思いますが、寒い冬は大丈夫だろうと油断している方も多いハズ。でも、ノミは13℃以上、マダニも15℃以上で活発に動き出します。つまり、室内飼育が基本になった現在の犬や猫は季節に関係なくノミ・マダニの脅威にさらされているのです。今回は本当にあったノミ・マダニの怖い話をお届けします。
本当にいたノミの怖い話
最初はノミからです。ノミ……って何だろう? ノミとは、世界各地に生息している昆虫です。猫に多いのはノミアレルギーで、ノミの数に関係なく皮膚炎を起こし、かゆいので引っかいて傷ができてしまいます。エリザベスカラー必須の事案です。まずは、屋外にどれくらいノミがいるのか野良猫さんに聞いてみましょう。事例の提供者さんは、普段から保護活動をされている方で、今回も生まれたばかりのアルマちゃんを保護しました。ご自宅にも猫たちがおり、感染症の心配があるので車の中で世話をしていたそうですが、100円ショップで売っていたノミ取り用のコーム(くし)を使ってみると……。
Case1. 野良猫の毛に潜むもの
ちょっと信じがたい量のノミが取れてしまいました。Photo by r17cat.golf.ryosukeさん Thanks!
ノミはアレルギーだけでなく、ノミを媒介したサナダムシの寄生にもつながります。野良猫を触ったり、スリスリされたりして帰宅したらどうなることか。野良猫に触らずとも、飼い主さんが外にいる限りこういったノミの脅威にさらされ、何かの拍子に連れて帰ってしまっても不思議ではないのです。
でもでも、冬になればノミは活動してないから大丈夫じゃん!
本当ですか?
Case2. 寒くなっても忘れないで
次の事例の提供者さんは、マルチーズとペキニーズのミックス(一代雑種)「モコちゃん」の飼い主さん。頭のてっぺんに1cmほどのできものを見つけたため、おかしいなー、おかしいなーと思って動物病院に行ったそうです。すると……。
ノミでかゆくて引っかき、かさぶたができていたとのこと。先生からは、「ノミは一年中いるから油断禁物だよ」とのお言葉。飼い主さんは夏まではフロントラインをしていたそうですが、涼しくなって油断してしまったようです。
モコちゃん、しばらくエリマキシーズーになってしまいました。
Photo by angel_moco226さん Thanks!
実録!マダニの衝撃
ノミに続いてマダニです。マダニは昆虫ではなくクモやサソリなどと同じグループの動物です。Case3. ペキニーズが連れてきたもの
まずはマダニがどんな生物なのかを動画でご覧ください。提供者さんは、お散歩の後にペキニーズの愛犬・ライチ君が連れて帰ってきたマダニを発見したそうです。確かに、クモっぽいですね……。
こちらがペキニーズのライライ君ことライチ君です。
Photo by cyucyuppiさん Thanks!
Case4. 15年目の真実
犬の飼い主さんは散歩で草むらに気を付けてください。マダニがじっと待ち構えているかもしれません。事例の提供者さんは、元保護犬のロビー君のお散歩を終えて家で足を洗っていると……。Photo by robbyonmaさん Thanks!
吸血して大きくなったマダニがそこに! 犬生15年目にして初のことだったそうです。動物病院に行ってとってもらってから、フロントラインを使用したとのこと。犬の場合、マダニを媒介して寄生虫が体内に入り、最悪死に至るバベシア症という怖い病気があります。「今まで大丈夫だったから!」という油断は禁物です。
Photo by robbyonmaさん Thanks!
実は、ロビー君。10月の終わりに亡くなったそうです。捨てられていたところを保護されて15年。大切に育てられて、幸せな犬生だったに違いありません。飼い主さんからコメントを頂いています。
「投薬の大切さやノミダニの怖さを知らせ、たくさんのワンコが快適に幸せに暮らせるように願っています」
Case5. 都会にもいる
もう一つ、マダニが吸血している様子を紹介します。シーズー「牡丹ちゃん」の事例です。Photo by lovebb71さん Thanks!
足の内側にマダニがついていたのを発見したそうで、吸血して大きくなっていますね。飼い主さんによると、今回は山へピクニックに行った際についたのだろうとのこと。そしてコメントも頂いています。
「数年前、都内の自宅の周りでしか散歩していなかったもう一匹のシーズ犬にもマダニがついたことがあり、都会に住んでいるから大丈夫と考えている方々にも、もう安心は出来ないんだと、マダニに対する注意喚起に使っていただけたら幸いです」
シーズーの牡丹ちゃんとくるみちゃんです♪
Photo by lovebb71さん Thanks!
Case6. それが見えたら、病院へ
ここまでの皆さんは、マダニを発見するとすぐに動物病院に駆け込んでいますが、実は適切な行動です。もともとのマダニはとても小さいのですが、吸血したマダニはかなり大きくなっており、「指でつまめるかも?」と思ってしまうかもしれません。でも、それはダメです! 飼い主さんは自分で取ろうとせず、必ず動物病院で対処してもらうようにしてください。間違って噛んでいるマダニの口を残したまま取ってしまうと、そこが炎症を起こしてしまう場合があるからです。
パピヨンのチャイ君がドッグランでマダニを付けてきたケースでは、獣医さんに駆除薬を出してもらい、「その効果で自然と落ちるのを待ってください」という指示があったそうです。
Photo by vert_melaleucaさん Thanks!
ノミ・マダニ駆除・予防薬の定番「フロントライン プラス」
今回、いろいろな飼い主さんの事例を紹介しましたが、どなたも「経験したからこそ駆除・予防の大切さを実感している」という印象を受けました。初めて見たときの驚きや心配・不安は大きかったようです。だからこそのコメントもたくさん頂きました。では、ノミ・マダニ駆除・予防に何をすればいいか……までは書く必要ありませんね。ペットの飼い主さんであれば、猫の飼い主さんも「フロントライン」という名前を聞いたことがあるはずです。大事なのは、「そのうち」「シーズンだけ」「うちの子は大丈夫」という油断を止めて、ちゃんと1年通して定期的な駆除・予防をすることです。
Case7. 服を着せてあげる
最後に、「フロントライン プラス」の使い方をB系(!?)柴犬のみらいちゃんに教えていただきましょう。「フロントライン プラス」を垂らす場所は、首筋の後ろ側、肩甲骨と肩甲骨の間のあたりです。液体ですので、被毛の上に一気に垂らしてしまうと流れ落ちてしまう場合があります。必ず皮膚が見えるように被毛をかき分けて、流れ落ちないように垂らしてください。正しく垂らすことができれば配合成分が皮脂腺に蓄えられ、皮脂と共に放出されて24時間以内に全身に行き渡ります。
垂らした直後は濡れていますので、服を着せてあげるとこすったり、多頭飼いで他の犬猫が触ってしまったりするのを防ぐことができます。
Photo by mirai._.sibaさん Thanks!
有効期間は以下の通りです。
ノミの駆除・寄生予防 | 約1〜3カ月 | 約1〜1.5カ月 |
マダニの駆除 | 約1カ月 | 約3週間 |
「フロントライン プラス」について有効成分や安全性などもっと詳しく知りたい方は、解説記事もぜひご覧ください。油断しないこと。それが一番大事です。
提供:松波動物メディカル、掲載内容有効期限:2017年12月31日 |