
犬はごま油を舐めても大丈夫!栄養素や与え方の注意点やその他の油との比較について解説【獣医師監修】
料理の香ばしさを演出し、味の決め手として大活躍してくれるごま油。ごま油には抗酸化作用が期待できる成分や食物繊維が含まれています。犬が食べても大丈夫ですが、脂質も多いため与える量には注意が必要です。この記事では、ごま油の成分やオリーブオイルなどのその他の油との違いなどについて解説します。
犬はごま油を食べても大丈夫

結論から言うと、犬にごま油を少量与えることは可能です。
ごま油は、ごまの種子を炒った後に油を採油したものです。含有している成分には特別害になるものは含まれていませんので、こぼれてしまったごま油を愛犬がなめてしまったからといって過度に心配する必要はありません。
アレルギーの有無が不確かな場合は様子を見ておき、症状がでるなど心配であれば動物病院に相談をしましょう。
ごま油ではなく「ごま粒」は与えても大丈夫?
ごま油とは異なり、「白ごま」や「黒ごま」などのごま粒(種子そのもの)は、基本的には犬が少量食べても大きな問題はありません。ただし、犬はごまの硬い殻をうまく消化できないことが多いため、そのままのごま粒は消化不良や便に未消化で出る可能性があります。
与える場合は、すりごまにして少量だけをトッピングとして使う程度にとどめましょう。脂質が多いため、ごま油と同様に与えすぎには注意が必要です。
また、ごまアレルギーを持つ犬もごくまれにいるため、初めて与える場合はごく少量にとどめて様子を見てください。
「ごま油」と「えごま油」の違いは?

ごま油と名前が似ているため、よく比較されるのが「えごま油」です。しかし、えごま油はシソ科の植物の種子から採油されたもので、ごま油とは原料が異なります。
えごま油に含まれる成分
皮膚の健康維持に役立つとされるα-リノレン酸を豊富に含んでおり、アトピーに悩む愛犬のために手作りごはんに少量加えるご家庭もあるようです。
皮膚炎への効果はある?
えごま油には皮膚の健康維持に必要な栄養素が含まれていますが、アトピーの改善に有効であるという臨床報告は現時点では確認されていません(※)。体質によっては効果がある場合もありますが、アレルギーのリスクも考慮し、与える際は必ずかかりつけの獣医師に相談しましょう。
犬はごま油の匂いを好む?嫌がる?
ごま油は香ばしい強い香りが特徴ですが、犬によって好みが分かれる傾向があります。匂いにつられて興味を示す犬もいれば、苦手に感じて食べなくなる犬もいます。
犬の嗅覚は人間よりも非常に敏感なため、わずかな匂いでも強く感じて嫌がることがあります。手作りごはんやドライフードに香りづけとして加える場合も、最初はごく少量から試し、愛犬の反応を観察することが大切です。
犬にごま油を与える際の注意点
犬にごま油を与える際の注意点01:アレルギー
犬によってはごま油に対してアレルギー反応を起こしてしまうことがあります。初期症状としては皮膚の異常が現れることが多く、たとえばフケが出たり、肌をかゆがる様子が見られたら早めに動物病院に相談しましょう。
アレルギー症状は摂取後すぐに出るとは限らず、1カ月後に現れることもあります。そのため、何が原因か分かりにくいことが多く、以下のような症状が見られたらアレルギー検査を受けることをおすすめします。
- 下痢
- 嘔吐
- 皮膚のかゆみ
- 元気がない
- 目の充血
犬にごま油を与える際の注意点02:ごま油の量について
ごま油には有毒な成分は含まれていませんが、与える際は「少量を様子を見ながら」が基本です。脂質が多いため、一度に多く摂取すると下痢や嘔吐、膵炎などのリスクがあります。
特に、老犬(シニア犬)や腎臓病・膵臓病などの持病がある犬は、脂質の代謝に負担がかかる可能性があるため、積極的に与える必要はありません。健康状態に応じて、慎重に判断してください。
なお、犬に与えるごま油の適正量について、現時点(※)では科学的に明確な摂取基準は示されていません。
そのため、与える場合は少量(数滴〜小さじ1/4程度)から始め、体調や便の状態を見ながら慎重に調整してください。
万が一、異変が見られた場合は速やかに動物病院に相談しましょう。
ごま油と他の油との違い
犬に与えても大丈夫な油として、ごま油のほかにオリーブオイルやえごま油、ココナッツオイルなどがあります。それぞれ成分や効果が異なり、目的に応じて使い分けることが大切です。
種類 | 特徴 | 期待される効果 |
---|---|---|
ごま油 | セサミン含有、香ばしい香り | 抗酸化、食欲増進 |
オリーブオイル | オレイン酸が豊富 | 整腸作用、皮膚や被毛の健康維持 |
えごま油 | α-リノレン酸が豊富 | 皮膚・関節のケア、炎症対策 |
ココナッツオイル | 中鎖脂肪酸を含む | エネルギー補給、消化サポート |
どの油も「少量から様子を見ながら与える」のが基本です。愛犬の体質や持病に応じて、かかりつけの獣医師と相談しながら適切に取り入れてください。
まとめ

人間の体に良い食べ物でも、犬にとっても同じとは限りません。最近では、愛犬の健康を考えて手作りごはんを作る飼い主さんも増えていますが、犬によって食べ物との相性は異なることを意識しておきましょう。
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