【獣医師執筆】犬の体重の量り方|子犬から大型犬まで体重測定の方法を解説
犬も健康のためには体重管理が欠かせません。急な体重減少や体重増加に気付ければ、病気の早期発見・早期治療につながるからです。今回は子犬から大型犬まで、ご家庭で体重を量る方法について獣医師の佐藤が解説します。
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犬の体重の量り方
体重計は人間用のものを利用しても問題ありませんが、人間用は一般的に100g単位で測定されます。5kg以下の子犬や小型犬では細かい変化がわからないため、10g単位で量れるペット用の体重計がおすすめです。
人間用の体重計を利用する場合は、以下の手順で量ってください。子犬や小型犬、大型犬の量り方は後述します。
- 飼い主さんの体重を量る。
- 愛犬を抱っこしながら体重を量る。
- 2から1を引き算する。
抱っこして増えた分が、愛犬の体重です。以下の動画で実際に量っている様子を紹介していますので、参考にしてください。
犬の体重を量る際の注意点
愛犬の体重を量る際は、以下の5点に注意してください。- 量れる最小単位に注意
- 定期的に量る
- BCSと併用する
- 同じ時間帯に同じ体重計で量る
- 急な変化があれば病院へ
1. 量れる最小単位に注意
前述の通り、5kg以下の子犬や小型犬では細かい変化がわからないため、10g単位で量れるペット用の体重計がお薦めです。人間用を使うなら50g単位で量れるものを選ぶといいでしょう。
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2. 定期的に量る
体重はこまめに量り、記録して推移を見ることで緩やかな、もしくは急な増減に気づくことができます。少なくとも1カ月に1回、子犬の場合は2週間に1回は量るようにしてください。ワンちゃんのストレスにならない限り、回数が多くなることに問題はありません。3. BCSと併用する
参照:『飼い主のためのペットフード・ガイドライン』(環境省)
体型を見て太っているか痩せているかを判断する「BCS」(ボディコンディションスコア)を併用することで、適正体重がわかるようになります。理想体型であるBCS3の時の体重が適正体重です。詳しくは以下の関連記事も参考にしてください。
4. 空腹時で同じ時間帯に同じ体重計で量る
食前は前提とし朝か夜か、時間帯によっても変わるため同じ時間に計測が望ましいです。動物病院の体重計と家庭用の体重計でも誤差が出る場合があります。同じ体重計で量ることで、より変化に正確な計測ができるようになります。5. 急な変化があれば病院へ
体重は健康のバロメーターです。緩やかに増えれば肥満の可能性がありますし、減っていくのも問題です。定期的に量ることで、適正体重を維持できるようにしましょう。急に体重が増えたり減ったりする場合は病気の可能性があります。うんちの状態やおしっこの回数、食欲、散歩に行きたがらないなど、いつもと違う様子がないか確認してください。気になることがある場合は、早めに動物病院へ相談するようにしてください。
犬の体重測定でわかること
定期的に愛犬の体重を量ることで、以下のことがわかるようになります。
- 適正な体重
- 適正な食事量
- 病気の兆候
1. 適正な体重
前述の通り、「BCS」(ボディコンディションスコア)を併用することで適正体重がわかるようになります。理想体型であるBCS3の時の体重が適正体重です。BCSや適正体重は成長に応じて変化しますので、定期的に確認するようにしましょう。2. 適正な食事量
体が必要とする食事量やそれに伴う食欲は運動量や体質によって犬ごとに異なりますし、季節によっても変化します。飼い主さんが「あまり食べてない」と思っても、必要な栄養は十分に摂れているかもしれません。適正な食事量を客観的に教えてくれるのが「体重」と「BCS」です。BCSで理想体型を知り、その時の体重(適正体重)を維持できる食事量が適正な食事量です。
また、ペトコトフーズが提供する「カロリー計算機」(無料)を使っていただくと、1日の最適カロリー量を知ることができます。ドッグフードのパッケージに記載された成分量に100gあたりのカロリー量があると思いますので、最適カロリー量に合う食事量を計算してみてください。
例えば1日の最適カロリー量が125kcalのワンちゃんに100gあたり400kcalのドッグフードを与えている場合、1日の最適な食事量は31gとなります。
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3. 病気の兆候
体重が緩やかに増減する場合、病気の可能性もありますが、食事量が多すぎ、もしくは少なすぎかもしれません。肥満も痩せすぎも体に良くありません。命に関わる病気になる前に、食事量や運動量を見直して適正体重を維持できるようにしましょう。体重が急激に増減する場合、病気の可能性があります。以下の関連記事も参考にして、早めに動物病院へ行くようにしてください。
子犬や小型犬の体重の量り方
子犬や小型犬は体重が軽いため、人間が使う100g単位の体重計では正しく変化を知ることができません。例えば60kgの人が100g増減しても誤差のうちですが、2kgの犬が100g増減した場合、単純計算(100/2000*60)で60kgの人が3kg増減するような変化になるからです。そのため、10g単位でペットも量れる体重計を用意するといいでしょう。おとなしい子であれば乗せるだけで量れますが、動いてうまく量れない場合は、キャリーバッグの中に入れて量り、バッグの重さを引くと簡単に量れます。
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大型犬の体重の量り方
人間用の体重計に乗せるのが難しい大型犬の場合は、横長の体重計を用意しましょう。動いてしまう場合はバッグやクレートに入れて量り、それらの重さを引くと簡単に量れます。犬の体重とクレートの重さの合計が体重計が量れる上限値を超えないよう注意してください。
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まとめ
体重は定期的に量ることが大切
BCSと併用して適正体重・食事量を知る
急な増減がある場合は動物病院へ
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