
いつ起こるかわからない地震や台風といった災害。大切な愛犬・愛猫を守るなら「そのとき」に考えては手遅れになります。実際に災害が起こったらどんな行動を取るべきか、そのための必要な準備などを紹介します。
この記事のまとめ
- 災害時はまず飼い主自身の安全を確保し、すぐにリードやケージでペットを守る
- 避難は警戒レベル4「避難指示」で全員。ペット連れはレベル3で動き出す
- 避難指示が出ていなければ在宅避難・車中泊避難も選択肢
- 停電でエアコンが止まると室内でも熱中症の危険。保冷剤や電池式扇風機を用意
- マイクロチップは装着したら環境省のデータベースへの登録が義務
災害が起こったら
災害はいつ起きるか分かりません。そのときに慌てないよう、状況ごとに何をすればいいのかを整理しておきましょう。
まずは自分とペットの安全を確保
災害が発生したとき、まずは飼い主自身の身の安全を第一に、落ち着いてペットの安全を確保しましょう。
災害時にペットを守るためにはまず飼い主自身が無事でいることが大切です。
突然の災害でペットもパニックになり、いつもと違う行動をとる恐れがあります。ペットに優しくいつものように声をかけて落ち着かせながら、脱走やケガに気をつけましょう。
災害発生時、すぐにリードをつけたり、ケージに入れたりすることで、ペットを脱走やケガのリスクから守ることができます。
大きな揺れは短時間です。ガラス面や大型家具から離れ、丈夫なテーブルや机の下にペットと身を隠し、クッションなどで頭を保護するようにしてください。
揺れが収まったら火の始末をして、ドアを開けて避難経路を確保しましょう。
避難指示が出たら同行避難
避難指示が出たら、速やかに避難しましょう。避難をする際はペットと一緒に避難する「同行避難」が原則です。
ここでいう同行避難とは、避難所までペットと一緒に移動するという“行動”を指します。環境省のガイドラインにも「避難所等において飼い主がペットを同室で飼養管理することを意味するものではない」と書かれており、避難所で一緒に過ごせることを保証するものではありません。
避難のタイミングの目安は警戒レベル4「避難指示」です。この段階で危険な場所から全員避難します。レベル5「緊急安全確保」はすでに安全な避難が難しくなった状況で出されるもので、必ず発令されるとは限りません。レベル5を待ってはいけないということです。
また2026年5月29日からは、気象庁が発表する防災気象情報にも警戒レベルの数字が付くようになりました。これまでの「大雨警報」は「レベル3大雨警報」という名称になり、危険度がひと目で分かります。
ペットと一緒の避難は、人だけで動くより時間がかかります。レベル3「高齢者等避難」が出た段階で動き出すくらいがちょうどよいでしょう。
避難前にリードをつけ、首輪が緩んでないか確認しましょう。小型犬の場合はリードをつけた上で、キャリーバッグやクレートに入れるのも良いでしょう。
避難前にキャリーバッグやクレートに入れましょう。キャリーバッグやクレートの扉が開いて脱走することがないように、念のためガムテープなどで固定することをおすすめします。
避難指示が出ていない場合
避難指示が出ていない場合は、必ずしも避難所へ避難する必要はありません。
自宅に危険性がない場合は、自宅で避難生活を送る「在宅(自宅)避難」、自宅に不安がある場合は避難生活に自家用車を使用する「車中泊避難」も選択肢のひとつです。
在宅(自宅)避難と車中泊避難の共通のメリットとして、ペットのストレスが少ないことが挙げられますが、それぞれデメリットもあります。
在宅(自宅)避難のデメリットは十分な備蓄品が必要なこと、ラジオやテレビなどがない場合、適切な情報収集がしにくいことが挙げられます。
「車中泊避難」のデメリットは「車内の温度管理」「快適性」「排泄処理」です。特に狭い車内で同じ体勢で生活することが増えるためエコノミークラス症候群に注意しましょう。こまめに水分をとり、時々車から降りて体を動かすことが大切です。
留守中に災害が起こったら
災害発生時に外出していてペットと離れた場所にいた場合は「自分自身の被災状況」「周囲の状況」「自宅までの距離」「避難指示」等を踏まえて検討し、ペットを避難させることが可能かどうかの判断を飼い主さん自身が行う必要があります。
災害時にペットとはぐれてしまったら
万が一、ペットとはぐれた場合にはペットについての情報や避難時のペットの状況について、自治体の動物担当部署、警察等に届けましょう。
やむを得ずペットと一緒に避難できなかった場合には、自治体の動物担当部署に相談することをおすすめします。
保護された際に飼い主の元に戻れるように、所有者明示をしておく必要があります。
誰でもすぐにわかる迷子札をつけるとともに、脱落の可能性が低く確実な身分証明となるマイクロチップを装着しておくことで、再会できる可能性を高めることができます。
マイクロチップは2022年6月1日から、ブリーダーやペットショップなどで販売される犬猫には装着が義務づけられました。すでに飼っている犬猫の場合、装着は努力義務ですが、装着したときは環境省のデータベースへの登録が義務になります。
マイクロチップ自体には15桁の数字が記録されているだけで、飼い主さんの住所や電話番号は入っていません。登録して初めて、番号から飼い主さんにたどり着けるようになります。引っ越しや電話番号の変更があったら、変更登録も忘れずに行いましょう。
在宅(自宅)・車中泊避難生活
在宅(自宅)・車中泊避難生活には十分な備蓄品が必要になります。
猫の場合は環境の変化に大きなストレスを感じる動物のため、猫と暮らしている方は在宅避難を想定して備えることをおすすめします。
備えておく物資
以下の表を参考に、ご自身とペットにあったものを準備しておきましょう。
| 必需品 | ペットの非常食 | 少なくとも5日分 |
|---|---|---|
| ペット用の水 | 少なくとも5日分 | |
| フードボウル | 1点 | |
| 薬・療法食 | 少なくとも5日分 | |
| リード・ハーネス | 1つずつ(リードは伸びないもの) | |
| ペット用キャリー | 1点 | |
| ペット用トイレグッズ | 少なくとも5日分 | |
| ビニール袋・マナーポーチ | 1点ずつ | |
| 防災手帳 | 1点 | |
| 迷子札 | 1点 | |
| ペットの写真 | 1枚(紙とスマートフォンの両方) | |
| あると役立つもの | 布類 | 1枚以上 |
| 靴 | 1点 | |
| お気に入りのおもちゃ | 1点以上 | |
| ボディシートや水のいらないシャンプー | 1点以上 | |
| アルミシート | 1枚以上 | |
| ガムテープ | 1点以上 | |
| 洗濯ネット(猫の場合) | 1点以上 |
フードと水は少なくとも5日分、できれば7日分以上が目安です。環境省も「支援物資が届くまでは5日程度かかる場合も」と説明しています。
定期的にペット用防災グッズの点検や補充を行い、災害への備えを万全にしてください。
停電に備える
在宅避難でとくに見落とされがちなのが停電です。電気が止まると、真っ先に困るのが室温の管理になります。
夏や残暑の時期にエアコンが止まると、室温はあっという間に上がります。犬や猫は人のように汗をかいて体温を下げることができないため、室内にいても熱中症になる危険があります。保冷剤やクーラーボックス、電池式の扇風機、凍らせたペットボトルをタオルで包んだものなどを用意しておきましょう。
冬は反対に、暖房が止まって室温が下がります。毛布やアルミシート、湯たんぽ、段ボールでケージを囲うなど、電気を使わずに保温できるものがあると安心です。
また、自動給水器や自動給餌器は停電で止まります。ふだん自動のものを使っている場合は、手で与えられる器を用意し、水は複数の場所に多めに置いておきましょう。
モバイルバッテリーやポータブル電源も、情報収集の面で役立ちます。スマートフォンにはペットの写真を保存しておくと、はぐれたときの捜索にも使えます。
避難所・仮設住宅での避難生活
避難所・仮設住宅ではペットが苦手な方、動物アレルギーを持つ方、ペットに不用意に手を出しかねない幼い子どもなど、さまざまな人が集まり共同生活をするため、飼い主は普段よりも周りに配慮することが求められます。
起こり得るトラブル
これまでの災害では、ペットがいることによってつらい避難生活の中での「心の安らぎや支えとなった」という声がある一方、咬傷事故や鳴き声への苦情、体毛や糞尿処理など衛生面でトラブルになることがあります。
また、人間用の物資でさえも不足するのが災害時です。避難所にいたとしても、ペット用の物資は人間用の物資よりも手に入りにくくなります。
水などの人と共有できる物資は、人の分も足りていないときに「ペットに分け与えるのか」という避難者同士のトラブルは過去の震災でもみられ、議論を呼びました。
避難所・仮設住宅で役立つトレーニング
被災時に大切なのは「必要以上のストレスを与えないこと」「安心できる環境を与えてあげること」です。
想定される事態への耐性をつけておくことで、必要以上のストレスを回避することができます。
| 犬猫共通 | クレートの中で落ち着いて過ごせる「クレートトレーニング」 |
|---|---|
| 犬 | 人や環境に慣れさせる |
| 犬 | 名前を呼んだら戻ってくる「呼び戻し」 |
| 猫 | リードやハーネスに慣れさせる |
「クレートトレーニング」と「呼び戻し」のトレーニング方法は、以下の関連記事をご覧ください。
飼い主が心がけたいこと
避難所では、ペットの世話やフードの確保、ペットの生活場所の管理は飼い主の責任の下に行うことになります。
衛生的な飼養管理を行うことはもちろん、周りの人に配慮したルールを作り、飼い主同士が協力して助け合いましょう。
仮設住宅への入居に先立って、動物と一緒に生活ができるエリアと飼養禁止のエリアを分けておくことができれば、後の飼養にかかわるトラブルも少なくなります。
またペットはストレスから体調を崩したり病気が発生しやすくなるため、飼い主はペットの体調に気を配り、不安を取り除くように努めましょう。
- 「ペットの会」をつくるなどして、飼い主同士が協力しましょう
- ペットフードなどの支援物資の配布といった情報を共有しあいましょう
- 災害ボランティアによる支援を活用しましょう
- 鳴き声や排泄物の処理など、周囲の方への気配りを忘れないようにしましょう
まとめ
私たち人間はこれから起きるであろう出来事が予想でき、言葉で多くの情報を理解できますが、ペットたちは先に起こる出来事を予想することも、人の言葉を理解することもできません。
だからこそ、非常時に安心してもらうため飼い主の冷静な行動や日頃のトレーニングが大切です。家族でしっかりと防災について考えましょう。
参考文献
非常時の備えにも!おいしく長期常温保存できるウェットタイプ
お出かけやもしもの備えにもおすすめなのが、ペトコトフーズの「常温ウェット」シリーズ。保存料無添加ながらレトルト加工により、常温で約2年間保存可能な総合栄養食です。
チキン・ビーフ・ポーク・フィッシュの4種類があり、すべて国産の良質でフレッシュな食材を使用。食いつき抜群で、子犬からシニア犬まで主食にもトッピングにも使えます。
皮膚や被毛の健康をサポートするオメガ脂肪酸、腸内環境に働きかけるシールド乳酸菌・ビフィズス菌・オリゴ糖など、健康を支える成分もたっぷり。旅先の携帯食としても、防災リュックに常備しても、安心できる1品です。