猫が犬の数を上回る国は日本だけじゃない? 日本と世界のペット飼育数ランキング

猫が犬の数を上回る国は日本だけじゃない? 日本と世界のペット飼育数ランキング

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私たちに癒やしを与えてくれるペット。犬や猫を始め、家族のようにペットと暮らしている人も多いのではないでしょうか。日本では犬の飼育数を猫の飼育数が上回るなど、ペットとの暮らしも少しずつ変わってきています。今回はペット飼育数統計調査をもとに、日本や世界のペット(犬・猫)飼育数ランキング、飼育数の推移をグラフで解説します。

矢野経済研究所富士経済がペット市場の調査レポートを毎年更新しています。今回は、両者のプレスリリースと矢野経済研究所のレポート、アニコムホールディングスが発表している「アニコム 家庭どうぶつ白書2017」、アイペット損害保険が更新している「ペットと飼い主に関する調査」、ペットフード協会が更新している「平成29年(2017年)全国犬猫飼育実態調査」などを参考に報告します。

ペットの飼育数:日本

犬猫の飼育数推移グラフ

犬猫の飼育頭数推移
2017年12月に日本ペットフード協会が発表した飼育頭数の最新統計調査では、20~70代全国の犬の飼育数は約892万匹、猫の飼育数は約952万6000匹と推計されることが分かりました。
犬の飼育数は2013年より減少傾向にあり、猫の飼育数が初めて犬の飼育数を上回った形となります。一方で飼育世帯でみると、犬は飼育率が12.84%(前年比△0.72%)、猫は飼育率が9.71%(前年比+0.15%)と犬の方が飼育率は高いですが、平均飼育数が犬は1.24匹、猫は1.75匹のため、結果的に猫の飼育頭数が犬の飼育頭数を上回ったことが分かります。

純血・雑種の飼育割合

純血・雑種の飼育割合
犬の場合は飼育数のうち、純血が圧倒的に多く85.4%が純血です。ペットショップから迎える方が多いことが要因の一つです。しかし、保護犬猫から迎える方が増加していることもあり、雑種を飼う方も前年比+1.1%の14.6%まで増えています。一方で猫の場合は迎え方が野良猫からという方も少なくないため、純血よりも雑種の方が多く、82.8%が雑種となります。しかし、猫ブームもありペットショップから猫を迎える方が増加しており、純血の割合が前年比+1.9%となっています。

犬と猫の飼育環境

犬と猫の飼育環境
犬も猫も室内飼いが徹底されてきたことで、室内飼いが80%を超えています。ペットの家族化が進んでいること、殺処分問題が広く知られるようになったことが要因として挙げられます。今後はペットと暮らす家を考えた製品開発が進んでいくと予想されます。

年代別の飼育率の推移

犬の場合、50代の飼育率の減少が顕著で、前年比で△2.3pt、2013年から4.6%減少しています。猫の場合、飼育率が全体的に増加しています。飼育意向とも相関しており、犬よりも猫の方が飼育面、住宅面などからみて飼育しやすいことが要因の一つとなっていると考えられます。

飼育意向の阻害要因

犬の場合、20〜40代総じて「お金が高いから」「ペット不可物件だから」「十分に世話ができないから」という理由が多く、望まれるサービスとして「旅行中や外出中の世話代行サービス」「健康保険料・生命保険料などが減額になるサービス」が挙げられました。ペットホテルやペットシッターだけでなく、「DogHuggy」などのシッターマッチングサービスも今後成長していきそうです。

ペットの飼育数:世界ランキング

日本だけでなく世界ではどれだけペットが飼育されているのでしょうか。犬と猫にわけて紹介します。
※参照:A Guide to Worldwide Pet Ownership(Petsecure Pet Insurance)

犬の飼育数ランキング

犬の写真
世界全体で見ると、最新の犬の飼育数ランキングは、以下のような順番となります。アメリカが最も多く、次いでブラジル、中国となります。日本は直近まで5位に位置していましたが、飼育数の減少により9位となっています。
順位
飼育数
1位
アメリカ
6990万匹
2位
ブラジル
3580万匹
3位
中国
2740万匹
4位
ロシア
1250万匹
5位
フィリピン
1160万匹
6位
インド
1020万匹
7位
アルゼンチン
920万匹
8位
イギリス
900万匹
9位
日本
892万匹
10位
フランス
757万匹
11位
南アフリカ
740万匹
12位
ポーランド
731万匹
13位
イタリア
700万匹
14位
ドイツ
530万匹
15位
エチオピア
500万匹
16位
スペイン
472万匹
17位
ルーマニア
416万匹
18位
オーストラリア
370万匹
19位
チェコ
315万匹
20位
ハンガリー
285万匹

猫の飼育数ランキング

猫の写真
次は猫の飼育数ランキングです。日本で犬の飼育数が猫の飼育数を上回ったことが発表され話題になりましたが、世界的に見ると猫の方が犬の飼育数を上回る国も多く、世界的に見れば猫の飼育数が多いことがわかります。犬の飼育数ランキングには入ってなかったウクライナやベルギーなど、欧州でも猫文化が形成されている国が異なることがわかります。
順位
飼育数
1位
アメリカ
7405万匹
2位
中国
5310万匹
3位
ロシア
1780万匹
4位
ブラジル
1246万匹
5位
フランス
1148万匹
6位
日本
952万匹
7位
ドイツ
820万匹
8位
イギリス
800万匹
9位
イタリア
740万匹
10位
ウクライナ
735万匹
11位
ポーランド
550万匹
12位
ルーマニア
389万匹
13位
スペイン
338万匹
14位
アルゼンチン
300万匹
15位
オランダ
287万匹
16位
ハンガリー
224万匹
17位
オーストラリア
220万匹
18位
韓国
200万匹
19位
ベルギー
188万匹
20位
チェコ
175万匹
※記事初出時、ブラジルの犬の飼育頭数を5200万匹、猫の飼育頭数を2200万匹としていましたが、正しくは犬が3580万匹、猫が1246万匹でした。お詫びして訂正いたします。(2018/07/04 14:00)

ペット飼育数の未来

犬と子ども
日本では、働き方改革により在宅ワーカーが増えてきました。今まではオフィスでの勤務が中心でしたが、今後はさらに好きな場所で仕事が選択できる時代になるでしょう。そうなると飼育意向があった人たちがペットを迎えることができるようになり、飼育数も変化してくるかもしれません。また、AIなどの進歩によりペットと暮らす障壁が低くなってくることも期待できます。
参照:富士経済
第2稿:2018年2月3日 公開
初稿:2016年2月26日 公開