
犬を迎えたら生活に大きな変化が起こります。始めて犬を迎える場合、費用や散歩、しつけといった飼い方の疑問や不安があると思います。今回は、基礎的な犬の飼い方について、ドッグトレーナーが解説します。
この記事のまとめ
- 初期費用の目安は約6万円で、毎年の費用も食費や予防医療を中心に継続してかかる
- 生後91日以上の犬は30日以内に区市町村へ登録し、狂犬病予防接種は毎年1回が義務
- 鑑札と注射済票は首輪に付けるか飼い主が携帯し、迷子札の役目も果たす
- 飼い犬が他人を噛んだり、吠え声で事故が起きたりした場合は飼い主の責任になる
犬を迎える前に必要な心構え

犬を迎えると、生活は大きく変わります。迎えてから「こんなはずではなかった」とならないよう、まずは次の5つを家族で確認しておきましょう。
お金と時間がかかる
犬を迎えると、生活に大きな変化が起こります。良いこともあれば、負担になることもあるでしょう。「犬を迎える」ということは、それだけお金と時間がかかるということを認識する必要があります。
楽しみも心配事も増える
犬が家族の一員になれば、家族の話題は増え、自然と笑顔が増えます。家でお留守番させている時でも「今どうしてるかな?」「寂しい思いをしていないかな?」「いたずらしてないかな?」と気になるでしょう。
初めて犬を迎える人は、しつけに苦心したり、ちょっとした行動にハラハラしたりすることもあるかもしれません。それでも何か成長が見られた時はとっても嬉しくなりますし、一緒にできることが増えれば遊びの幅が広がり、お互い楽しむことができます。
行動が制限される
最近はペットと泊まれる宿泊施設や観光施設も増えてきました。とはいえ、多くの施設は犬同伴不可であることのほうが多いのが現状です。
また、車があれば、愛犬と遠出の旅行もできます。しかし、海外旅行は犬にとって負担が多いため、頻繁に海外旅行をする家庭では、犬を迎えるべきかどうか再検討しましょう。
終生飼養の責任が発生する
一時的な感情で、犬について何も知らないまま衝動的に迎えるのはやめましょう。
「ペット不可物件への引っ越し」「こどもがアレルギー持ち」「思っていた生活と異なる」「急な入院」などが原因で愛犬を手放す人もいます。
終生飼養が一番ですが、万が一飼えなくなったときに、代わりに面倒を見てくれる家族がいるか、引き取ってくれる人はいるかなど、事前に確認しておきましょう。
最期まで愛情を持って世話する
犬の平均寿命は14年といわれています。一般に小型犬のほうが寿命が長く、大型犬のほうが短いといわれています。きちんと最期のときまで愛情をもって暮らすことができるか、もう一度よく考えましょう。
犬の迎え方

犬を迎える方法は、保護犬の譲渡、ブリーダー、ペットショップの3つに大きく分かれます。それぞれに特徴があるので、家庭の状況に合う方法を選びましょう。
保護犬から迎える
保護され、里親を探している犬は雑種だけでなく、血統書のある犬も多くいます。PETOKOTO代表・大久保の愛犬コルクも、もともと足が内股という理由でペットショップの競り市で捨てられていた元保護犬でした。
ペトコトの姉妹サイトである保護犬・保護猫マッチングサイト「ペトコトお結び(OMUSUBI)」も、ぜひ覗いてみてください。
ブリーダーから迎える
ブリーダーは特定の犬種を繁殖させているため、繁殖させている犬種についての知識も豊富で、アフターフォローをしてくれることも多いです。
しかし、場所によっては「パピーミル」と呼ばれる悪質なブリーダーも存在します。パピーミルとは日本語で「子犬工場」を指し、飼育環境や衛生環境もひどく、犬に対して適切な配慮がされていません。なかには人気犬種を大量に繁殖させ、安く販売していることがあり、遺伝病などの恐れもあります。
ブリーダーを探すときは、知人から紹介してもらったり、ブリーダーさんの対応の仕方、実際に行ったときの環境を見たりして、慎重に選びましょう。ブリーダーさんの施設で、母犬を見せてもらえるかどうかも大事なポイントです。
ペットショップから迎える
ペットショップでは人気の犬種が多く扱われています。性別や子犬の性格、毛色などを見比べて選ぶことは難しいものの、好きな犬種の子犬を迎えることができます。
大型犬や珍しい犬種の場合は扱っていないショップもあるため、事前に調べる必要があります。
犬と暮らすための費用

犬との暮らしにかかるお金は、迎えるときの初期費用と、毎年続く費用に分かれます。どちらも先に把握しておくと計画が立てやすくなります。
初期費用
地域や購入するグッズ、迎え方によって大きく異なりますが、初期費用の目安は約6万円ほどです。内訳は次のとおりです。
- グッズ代:約3万円〜4万円(小型犬よりも大型犬のほうがやや高値)
- 健康診断:約3,000円
- 狂犬病予防注射:約3,500円
- 混合ワクチン:約1万6,000円(1年目は2〜3回の接種が必要)
- 畜犬登録:約3,000円(地域によって異なる)
毎年かかる費用
初期費用だけでなく、犬のお世話には毎日費用が発生します。年間に換算すると、以下のような費用が発生します。
- ドッグフード:3万6,000円〜7万2,000円
- おやつ:1万2,000円〜2万4,000円
- ペットシーツ:1万2,000円〜1万8,000円
- おもちゃ:2万4,000円〜3万6,000円
- シャンプーや消臭スプレー:5,000円〜7,000円
- 狂犬病予防接種:約3,500円
- 混合ワクチン:約8,000円
- フィラリア予防:約1万円〜1万3,000円
- ノミ・ダニ予防:約1万2,000円〜1万5,000円
- 健康診断:4,000円
犬の食費
犬の食事は「人間の残飯」だった時代から「犬の餌」へと変わり、最近はペットの家族化で「犬のごはん」に変わりつつあります。犬の餌だった頃は大袋に入ったドライフードを安く買うのが一般的でしたが、犬の健康を考えてペトコトフーズのようなフレッシュフードを選択する飼い主さんも増えてきました。
病気になれば医療費が食費より高くなる可能性もありますし(保険に入っていなければ手術代で数十万円かかるのは珍しい話ではありません)、食事の見直しは「病気になったから」ではなく「病気にならないように」していただきたいです。値段も大事ですが愛犬を第一に考えて、若い時から健康的なごはんを選ぶようにしてください。

その他の費用
毎年の固定費のほかに、必要になったときにまとまった金額がかかるものが4つあります。
医療費
ペットの思わぬケガや病気での医療費は高額になることが考えられます。ペット用の保険があるため、事前にペット保険に入ることも検討してみましょう。
たとえば、ペトコト保険はOMUSUBIの運営や登録保護団体への寄付・支援にも活用されており、保護犬・保護猫の未来を守る取り組みにもつながっています。
ケア費用
トリミング犬種や、手入れや衛生面からカットが必要な犬種の場合は、定期的に費用がかかります。
しつけ費用
最近は犬の保育園や幼稚園といったしつけ教室が増えてきました。子犬の頃から基本的なことを学ばせる場合や、問題行動のしつけなどを相談する場合、通う場合には費用がかかります。
避妊・去勢手術
不妊手術は望まない妊娠を防ぐというだけでなく、生殖器系の病気の予防や、性的欲求からくるストレスを防止することができます。
性成熟するとオスはマーキングやマウンティングなどの行動が現れ、メスはヒート(生理)の期間が長くその間の外出や遊びを制限されることになります。繁殖を考えていないのであれば、不妊手術をすることを考えてみてください。
法律で決められた飼い主の責任

犬を家族に迎えるのであれば、ある程度の法律については知っておく必要があります。国が定めた法律の中には、動物愛護管理法というものが存在するため、その中の一部を紹介します。
終生飼養
命ある動物を飼うということは、それだけで責任が生じます。途中で「やめる」ことはできません。愛情を持ってお世話しましょう。
畜犬登録
生後91日以上の犬を飼い始めた人は、30日以内に犬の所在地の区市町村で犬の登録を申請して鑑札の交付を受ける必要があります。
犬が死亡した場合は、死亡してから30日以内に、登録をしている区市町村で「死亡届」を提出しなければなりません。基本的には、死亡届と一緒に鑑札や注射済票の返還が必要になりますので確認しておきましょう。
鑑札・注射済票の装着
畜犬登録時と狂犬病予防接種後には、鑑札と注射済票が発行されます。発行された鑑札は必ず犬の首輪に付けるか、飼い主が携帯する必要があります。
畜犬登録の鑑札は一生涯に一回ですが、引っ越しなど所在地が変わる場合には鑑札も変更します。狂犬病予防接種は毎年1回が義務付けられており、予防接種証明書を持ってその年の注射済票を発行してもらう必要があります。
迷子札
万が一の時のことを考え、迷子札を装着しておきましょう。鑑札や注射済票を装着しておくことで迷子札としての役目も果たします。
狂犬病予防接種
狂犬病の予防接種は法律で決められています。狂犬病は、発症すれば致死率100%の恐ろしい病気です。日本は狂犬病の清浄国とされていますが、一度でも感染が認められれば、その影響は甚大なものになります。
咬傷や吠えに関する事故
飼い犬が他人を噛んでしまうと、ほとんどの場合で飼い主に責任が発生します。
たとえば「家の庭で離していた犬が、外から柵越しに手を入れてきた子どもに噛みついた」という場合、「勝手に手を入れてきた子どもが悪い」ということにはなりません。自由に離していた飼い主の責任となってしまいます。犬の吠え声に驚いて自転車から倒れケガしてしまった場合も、飼い主の責任となる場合があります。
犬を飼う際の飼育環境

迎える前に整えておきたいのが住まいの環境です。住宅の条件と、室内で飼うか室外で飼うかの2点を確認しておきましょう。
ペット可物件に住む
第一に大切なことは、飼育できる住宅環境があるかどうかです。マンション住まいの場合はペット可の賃貸で不動産会社から許可を得られるかどうか、一軒家の場合は十分に世話ができるスペースがあるかどうかを確認しましょう。
室内飼育か室外飼育か
現在では室内で飼うのが一般的です。それは、マンション暮らしの人が増えたこと、温暖化の影響で四季のある日本の温度変化に適応できなくなったこと、番犬ではなく家族となったことが大きく影響しています。
室内で飼うことで愛犬との距離が近くなり、健康管理もしやすくなります。また、室外で飼うことはそれだけ危険が伴うことでもあります。
犬を迎える準備

迎える日が決まったら、犬種の特性を知ることと、家の中の安全対策、家族のルール決めを済ませておきましょう。
迎える犬の特性を理解する
事前に犬種の特性や、成犬になったときの大きさなどを把握しておきましょう。ペトコトの犬種図鑑では、犬種ごとの性格や飼い方をまとめています。
侵入・脱走対策を講じる
家の中のどの位置にケージを置くのかや、犬に入られたくない場所や危険なキッチン、脱走防止のため玄関にゲートを設置するなど、さまざまな対策が必要です。
家族内でルールを決める
しつけやおやつをあげる量など、家族でルールを決めておきましょう。家族でしつけ方が違えば犬は混乱します。家族がそれぞれおやつを与えたら、知らないうちに肥満になります。そのため、家族内でルールを決めておくことが大切です。
犬を迎える際に必要なもの

犬が家にきたその日から必要になるものは、あらかじめ用意しておきましょう。
ケージ
寝床とトイレを分けられる広さがあり、脱走しにくい高さのものを選びましょう。
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木目調のフレームでインテリアに馴染みやすいサークルです。扉が広く開くので、出入りや掃除がしやすい作りになっています。
| ブランド | アドメイト(ADD. MATE) |
|---|---|
| タイプ | ワイドサイズ(トイレトレー付きタイプもあり) |
毛布やベッド
洗えるかどうかと、犬が体を伸ばせる広さがあるかを確認して選びましょう。
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丈夫なデニム生地を使った円形のベッドです。体を丸めて眠る犬にフィットする形で、カバーは外して洗えます。
| ブランド | L.L.Bean(エルエルビーン) |
|---|---|
| 形状 | 円形 |
| お手入れ | カバーを外して洗濯可 |
ごはんや水を入れるフードボウル(食器)
飲水を入れる容器は、器型のものにしましょう。舌でボールを押して飲むペットボトルタイプの容器は、犬にとって適切ではありません。
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無垢材のスタンドに陶器のボウルを乗せた食器台です。高さがあるので、食べるときに首や前足への負担がかかりにくくなります。
| ブランド | REPLUS(リプラス) |
|---|---|
| 素材 | 陶器のボウル+無垢材のスタンド |
| タイプ | シングル(Sサイズ) |
トイレやトイレシート
愛犬が伏せたときの体の長さがすべて乗る大きさを選ぶと、はみ出しにくくなります。
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シーツの上にスノコを取り付けて使うことで、シーツをひっかいて破いたり食べたりすることを防げます。壁やフチが高いので、おしっこの飛び散り防止にも役立ちます。
| ブランド | アイリスオーヤマ |
|---|---|
| 品番 | TRT-500(レギュラーサイズ用) |
| サイズ | 幅51×奥行39×高さ15.4cm |
リードと首輪
子犬のうちは軽いものを選び、成長に合わせて買い替えていくのが基本です。
\おすすめグッズはこちら/
肩から斜めがけできるショルダータイプのリードです。手がふさがらないので、散歩中にフンの処理や写真撮影がしやすくなります。
| ブランド | ペティオ(Petio) |
|---|---|
| カラー | レッド/ブラック |
| タイプ | ショルダーリード |
お散歩バッグ
フンの処理袋や水、おやつをまとめて持てるものだと、散歩の準備が楽になります。
\おすすめグッズはこちら/
エプロンのように腰に巻いて使うバッグです。ポケットが分かれているので、マナーポーチやペットボトルを分けて入れられます。
| ブランド | RafiCaro(ラフィカロ) |
|---|---|
| タイプ | ウエストバッグ(エプロン型) |
| 素材 | ナイロン(撥水)/本革パーツ |
さいごに

「犬を飼う」ということは、たくさんの責任が発生するものです。「子どもが飼いたいと言ったから」「ペットショップで見ていて一目ぼれ」など、安易な気持ちで迎えてはいけません。
迎えてから気が付く困ったことや疑問などは一人で抱えず、専門のトレーナーやかかりつけの動物病院で相談することも大切です。飼い主さんも愛犬も、お互いが楽しく暮らせるように心掛けましょう。





