犬にとって引っ越しはストレス?事前準備や注意点、ストレス軽減のポイントを紹介
犬との引っ越しは、飼い主さんだけでなく犬にも負担がかかります。引越し後、慣れるまで吠えたり鳴いたり、トイレができなくなってしまうこともあるでしょう。重度の場合「ごはんを食べない」「元気がない」ということもあります。今回は著者の体験から、知っておきたい犬連れの引っ越しについて解説します。
犬との引っ越しの事前準備
荷造りをしたり、親しい知人たちに挨拶をしたりと、引っ越し前は何かと忙しいですが、今後の引っ越しが成功するか否かを決める大事な時期です。
愛犬はもちろん、私たち人間にとっても、できる限りストレスを少なく引っ越すために、事前にしっかり準備しましょう。
1. 新居を探す
すでに引っ越す家が決まっている場合は問題ありませんが、家探しから始める人も多くいると思います。賃貸の場合、ペット飼育可物件は通常の物件より少なくなります。資料にペット飼育可となっていても実際には「小型犬1匹まで」という条件が多いようです。
多頭飼いをしていたり、中・大型犬と一緒だったりという場合は、物件数がとても少ないのが現状です。
早めに不動産業者と連絡を取り「何匹飼育しているか」「犬種・サイズ」などをしっかり伝えておきましょう。
時間があれば、候補の物件近くに散歩ができる公園や動物病院などがあるか、Google マップなどを活用して確認しておくとベストです。
2. 動物病院に挨拶&紹介状を作ってもらう
引っ越しすることが決まったら、かかりつけ動物病院に挨拶に行きます。そのとき、新居付近の動物病院で渡すための紹介状を書いてもらうのがオススメです。もちろん、新しい病院が決まっていなくても大丈夫です。
「ワクチンの種類」や「フィラリア、ノミ・ダニの薬は何を使っていたか(予防歴)」「これまでに大きな病気にかかったことはあるか(手術歴)」「現在治療中の病気がある場合は検査結果」などをまとめてもらうと、新しくお世話になる動物病院に行ったときにも、スムーズに状況を伝えることができます。
3. クレートやキャリーに慣れさせる
遠方に移動する場合、新幹線や飛行機を利用することもあります。そのため、早めにクレートやキャリーに慣れさせておきましょう。4. 移動に時間がかかる場合、ペットホテルを手配する
遠方への引っ越しの場合、荷物の搬出から搬入までが1日で終わらないこともあると思います。私の場合、東京から九州まで3日間が必要でした。その際、事前にペットホテルを予約する必要があります。見知らぬ土地での移動は大変なもの。
新居近くでペットホテルを利用する場合は、駅や空港まで送迎に来てくれるホテルを選ぶと安心です。
東京から博多まで引っ越ししスケジュール
一例として、私の引っ越しスケジュールを紹介します。
【1日目】
荷物搬出後、JR線で東京駅まで移動して東京駅近くのペットホテルに2匹を預けました。私たちも東京駅すぐのホテルに宿泊しました。【2日目】
朝、2匹を迎えに行き、日本橋(東京)周辺で散歩をしました。その後、新幹線で博多へ移動して、2匹はペットホテルに預けました。新居近くのペットホテルに博多駅での送迎を頼んでいたのですが、線路内に人が立ち入るトラブルがあって到着が遅れたため、タクシーで連れて行きました。
不動産屋は博多駅からすぐの場所にあり、本来なら博多駅で送迎に預け、そのまま不動産屋に行くはずでした。しかし、送迎が使えず、不動産屋は商業ビルに入っていたため、犬連れで行くわけにもいかず……。
先に2匹を預けることを優先してから再び博多駅に戻って手続きをするという大回りな行程になってしまいました。そして私たちは天神のホテルに泊まりました。
【3日目】
2匹をペットホテルに預けたまま、新居で朝から荷物搬入をします。昼過ぎに搬入が終わり、段ボールを開封したりして午後5時に2匹を迎えに行きました。ペットホテルの帰りは近くの公園で小一時間散歩をして、引っ越しが終わりました。ちなみに、前回の引っ越しでは、荷物搬入時も犬と一緒に迎えたのですが、搬出時と違って大型家具はこちらで場所を指示しないといけず、とにかく騒がしく、クレートしか手元になくトイレも大変で苦労したため、今回はペットホテルを利用して正解でした。
犬との引っ越しで荷物搬出時の注意点
いよいよ引っ越し当日です。引っ越し業者のお兄さんたちが多く出入りするなど、いつもと違う雰囲気に犬は興奮してしまうことも多いです。
引っ越しの邪魔にならないようにするのはもちろん、脱走や思わぬ怪我をさせないように愛犬をしっかり見ておきましょう。
荷物の搬出中はペットホテルや友人宅などでの一時預かり、1時間程度で済むならお散歩代行やペットシッターさんにお願いして外にいてもらうというのも良いと思います。
我が家は犬たちをサークルに避難させ、サークルを最後に搬出してもらうよう事前に引っ越し業者にお願いしておきました。
引っ越し業者の方に尋ねたところ、犬の飼い主さんは人の出入りが少ないお風呂場に犬を避難させているケースが多いとのことでした。その場合、暑さや寒さ対策はしっかり行い、定期的に様子を見るようにしましょう。
犬との引っ越しで移動時の注意点
公共交通機関ではルールを守る
新しい家への移動は、自家用車だけでなく、公共交通機関を利用することも多いと思います。犬連れで公共交通機関を利用する場合は、それぞれのルールを必ず守るようにしてください。私鉄を利用する場合は会社ごとにルールが異なるため、事前に調べるようにしましょう。
乗り物酔いや脱走に注意
普段から公共交通機関での移動に慣れていない犬は乗り物酔いに注意が必要です。暑い時期は熱中症にも注意しましょう。こまめな休憩を心掛けてください。
慣れない環境では飼い主さんが予期しない突発的な動きをすることもあります。「うちの子はおとなしいから大丈夫」と油断せず、しっかり脱走防止をすることも大事です。
専門業者に頼む
電車移動が難しい大型犬の飼い主さんや飛行機に乗せるのが心配という方は、ペット輸送の専門業者に依頼するという方法もあります。ペットの負担を考えながら遠距離移動にも対応し、飼い主の負担も少なくすみますが、費用は高くなりがちです。
犬との引っ越し後にやるべきこと
引っ越し荷物の搬入も終わり、新居の段ボールがほとんど片付いたら、愛犬の引っ越しもあと一息です。引っ越し後もやるべきことがあります。
1. 近所の人に挨拶をする
まず欠かせないのがご近所さんへの挨拶です。これは、犬連れでなくても行う人は少なくないと思いますが、愛犬を伴っての引っ越しなら、必ずやっておいたほうが良いでしょう。環境が変わると犬が不安になり、引っ越し後のしばらくは留守番中に吠えてしまうかもしれません。
挨拶の時に「犬と引っ越してきたこと」「鳴き声などが気になったら、遠慮せずに声を掛けてもらいたいこと」などを事前に伝えるようにしましょう。
2. お世話になる動物病院を受診する
私は引っ越し後、犬に異常がなくても早めに動物病院を訪れるようにしています。これは、健康な状態の愛犬を事前に診てもらうことで、普段の状態を知っておいてもらうためです。また、どんなにネットの口コミが高評価の動物病院でも、自分や愛犬に合わないこともあります。
そのため「爪切り」や「耳掃除」「フィラリアの薬をもらいに行く」など、ちょっとしたことで受診をして様子を見ることがおすすめです。
3. 飼い犬の登録を変更する
引っ越し後、新しく引っ越した市区町村で飼い犬の登録変更の届け出をする必要があります。ここで必要なのは以下の3点です。届け先は市区町村によって異なります。
市区町村役所や保健所、動物管理センターなどになりますが、引っ越し先によってさまざまなので、事前に確認しておきましょう。
引っ越し後の愛犬によく見られるストレス症状
引っ越しにまつわる準備や手続きは以上ですが、引っ越し後は愛犬との過ごし方がとても大切です。
私たち人間は「なぜ引っ越しをするのか」を当然理解していますが、犬にはわかりませんので大きなストレスになってしまいます。そのため引っ越し後は、次のようなストレス症状がみられやすくなります。
- 留守番ができなくなる
- トイレを失敗する
- 下痢をする
- 夜眠らない
- ご飯を食べない
ストレス症状にどう対処するか
実際に我が家の愛犬も引っ越し後、下痢をしたり、トイレがうまくいかなくなったりしました。そんな犬のストレスを少しでも軽くしてあげるには、やはりできるだけ一緒にいる時間を長くして、少しでも早く新居に馴染んでもらうことが大切です。
また、段ボールの片付けが少し残っていても、近所を一緒に散歩して愛犬に楽しい気持ちになってもらってから新居に戻ってくるなどして「ここが新しいおうち」ということを理解してもらうよう心がけましょう。
トイレやお留守番も最初からやり直すくらいの気持ちでトレーニングをします。
引っ越し当日はお弁当や地域指定のゴミ袋を買いに行ったりとこまごま外に出る機会があるので「ちょっとゴミ出し」「ちょっと買い出し」を繰り返して「ちゃんと飼い主がこの場所に帰ってくる」というのを意識させるようにもする必要があります。
まとめ
ペットとの引っ越しは事前準備が大切
動物病院に紹介状を書いてもらうと引越し後の診察がスムーズ
引っ越しの移動に向けて事前にクレートトレーニングを
搬出・搬入時は脱走や思わぬ怪我をさせないよう細心の注意を払いましょう
無理せずペット業者を利用するのも大切
これから引っ越しをするという人は、不安な気持ちも多くあると思いますがしっかり準備すれば大丈夫。愛犬との新生活を楽しんでくださいね。