【獣医師執筆】犬はえのきを食べても大丈夫でも生はNG!与え方や注意点を解説

【獣医師執筆】犬はえのきを食べても大丈夫でも生はNG!与え方や注意点を解説

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炒めたり煮たり、通年を通してリーズナブルに手に入るえのきは、犬が食べても大丈夫な食材です。愛犬のおやつやトッピング食材として利用できます。今回は、えのきに含まれる栄養や与える量、注意点について解説します。

犬はえのきを食べて大丈夫

えのき

白くてひょろりとしたえのきは、その見た目から「あまり栄養がないのでは……」と感じる人もいるようですが、実は栄養たっぷり。どんな栄養成分が含まれるのか、詳しく説明します。

食物繊維

食物繊維には、便質を改善し便通を促す不溶性繊維と、腸内の不要なものを排出する水溶性繊維があります。えのきには、特にβグルカンといわれる不溶性繊維が多く含まれていて、これは私たち人間と同様に、犬にとっても腸内環境を整えてくれる大切な成分の一つです。

βグルカンは、免疫力を高めてくれる成分です。細菌やウイルスを排除したり、がん細胞を収縮させたりする働きがあります。


ビタミンB1・2

ビタミンB1は、糖質からのエネルギー産生と、皮膚や粘膜の健康に維持する助ける働きをします。犬の場合、ビタミンB1が不足すると心臓肥大や四肢失調につながります。ビタミンB2は、糖質や脂質、タンパク質を活動するために必要なエネルギーに変換する働きもあります。

ビタミンD

ビタミンDは、カルシウムの吸収を助ける重要なビタミンです。小腸や腎臓でカルシウムとリンの収集を促進し、骨や歯を丈夫にするのを助けるため、骨粗しょう症や骨折予防につながります。


ナイアシン

ビタミンB群の仲間で、全身の酵素を助ける役割をしています。皮膚や粘膜の炎症、神経症状を防ぐ効果が期待できます。

犬にえのきを与える際の注意点

えのき

栄養たっぷりのえのきは犬が食べても大丈夫な食材ですが、犬に与えるときには気を付けたいこともあります。

犬にえのきを与える際の注意点01:生はNG

食物繊維がたっぷりのしいたけは、犬が消化しにくい食べ物です。そのため、犬に生のえのきをあげるのはやめましょう。犬にえのきをあげる場合は、火を通し、細かく切るなど食べやすいようひと手間加えましょう。

犬にえのきを与える際の注意点02:消化不良

えのきには食物繊維が豊富に含まれているため、お通じの流れを良くするのに効果的です。ただし、反対に消化不良の原因につながることもあります。下痢をしていたり消化能力が弱ったりしている場合はあげないでください。

犬にえのきを与える際の注意点03:アレルギー

きのこのアレルギー報告は人でもほとんどありませんが、可能性はゼロではありません。えのきに限らず、初めて与える際は、少量からスタートしましょう。以下の症状が見られた場合は、アレルギーの可能性があります。

  • 下痢
  • 嘔吐
  • 皮膚のかゆみ
  • 元気がない
  • 目の充血

えのきを食べた際に上記のような症状が現れた場合は、獣医師に相談しましょう。




犬にえのきを与えて良い量

前提として、総合栄養食のごはんを毎日カロリー量与えていれば、それ以外に与える必要は何もありません。そのため、毎日の食事としてえのきを与える必要はありません。

その上で、総合栄養食へのトッピングやおやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。

1日の最適カロリー量は「ペトコトフーズ」の「フード診断」(無料)で簡単に計算することができます。

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犬はえのき以外のきのこは食べても大丈夫?

えのき

しめじや椎茸、エリンギ、マッシュルームなど、しめじに限らず私たち人が口にするのと同じきのこは、犬が食べても大丈夫です。どれも食物繊維が多いので細かく刻み、火を通したものを用意しましょう。

気を付けたいのは、お散歩中などに見る野生のきのこです。毒がある場合もありますので、犬が食べないように注意し、万が一口にしてしまった場合は、速やかに獣医師に相談しましょう。また、食べないように拾い食いのトレーニングも大切です。




まとめ

えのき
犬はえのきを食べても大丈夫
えのきは栄養豊富な食材
消化が良くないため与える際は少量に
えのきをはじめとしたきのこ類は、犬が食べても大丈夫な食材です。総合栄養食をベースにした食事の中で、変化を付けるトッピングとして良いでしょう。正しい与え方に注意して、愛犬の食生活をサポートしてください。

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