猫がダンボールをかじるのはなぜ?好きな理由やかじる対策などを解説
猫はダンボールが大好きな動物です。ダンボールに入るだけではなく、かじったり食べたりする猫もいるので、大丈夫なのかと心配になる飼い主さんもいるでしょう。決しておいしくなさそうなダンボールを、猫はなぜかじるのでしょうか。今回は、猫がダンボールをかじる・食べる理由やその危険性、対策などを紹介します。
目次
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猫がダンボールを好きな理由
多くの猫は、ダンボールが大好きです。ダンボールには、猫を惹きつけてやまない魅力がいっぱいあるのです。
1. 狭くて暗い場所が安心できる
猫の祖先はリビアヤマネコという野生の猫で、大きさや毛色などの外見が日本でもよく見かけるキジトラ猫にそっくりです。リビアヤマネコは狩りをして暮らす肉食獣ですが、体が小さいので大型の肉食獣のような攻撃力はなく、待ち伏せ型の狩りをします。
獲物を待ち伏せする際には、獲物に見つからないように狭く暗い場所に身を潜めます。暗く狭い場所を好むのは習性なのです。
さらにリビアヤマネコは、肉食獣ではありますが自らが捕食される側になってしまうことも珍しくありません。そのため、敵に見つからないように暗く狭い場所に身を隠していることで安心できるのです。
これらの習性は、人間と暮らすようになったイエネコたちも強く引き継いでおり、狩猟の本能や安心できる場所を求める気持ちから、狭くて暗い場所にいることを好みます。
2. 好奇心
猫は臆病な性格なのですが、反対に好奇心旺盛な一面もあります。目新しいものや嗅いだことがない匂いに敏感であり、だからこそ配達されてきたばかりの新しいダンボールには興味津々です。
猫が好きなダンボールも、しばらく部屋の中に置いておくと興味が薄れたりするものですが、新しいダンボールが来たとたんに興味が湧いて、匂いを嗅いだり、中に入ってみたりして大いに楽しみます。
3. 暖かい
猫は砂漠出身なので暖かい場所が好きです。ダンボール箱は層になっていて、空気が入る隙間があるので断熱効果があり、暖かく感じます。そのため、猫はダンボール箱の中に入ってまったりしたくなるのです。
4. 爪とぎができる
猫は毎日、何回も爪とぎをします。爪の手入れをするという理由もありますが、気分転換であったり、ちょっとしたストレス解消であったり、楽しいときも爪とぎをすることがあります。ダンボールは爪とぎをすることができるという点も、猫がダンボールを大好きなポイントの1つです。ほどよくボロボロになったダンボールは爪とぎがしやすく、猫のお気に入りになることもありますね。
5. 自分のニオイが付きやすい
ダンボールは猫が自分の匂いをつけやすい素材であり、これによって自分の縄張りとして認識しやすくなります。猫は自分のニオイがついた場所にいることで安心感を得ることができます。猫がダンボールをかじる理由
ダンボールに入ってみたり爪とぎをしてみたりするだけではなく、ダンボールをかじってしまう猫もいます。決しておいしくはないダンボールを、猫はなぜかじってしまうのでしょうか。
1. 狩猟本能
猫は、現在では人間と一緒に暮らし、ちゃんとご飯を与えてもらっているので自分で狩りをする必要はありません。しかし狩猟本能は強く残っています。そのため、何かをかじったりちぎったりしたくなってしまうことがあります。肉食獣である猫の牙は鋭いので、丈夫なダンボール箱であっても牙が通ります。つまり、噛みつく、かじるという充実感が味わえる素材となっているのです。
筆者の家にもダンボールをかじる猫がいますが、ダンボールにかじりつき、ちぎっては投げ、ちぎっては投げという様子が伺えます。
この「ちぎっては投げ」をする様子は鳥の羽をむしる行為と同じであるという意見もあります。ダンボールをかじることによって、猫は狩猟本能が満たされているのかもしれません。
2. 歯がかゆい
乳歯が生え始めてから永久歯に生え変わるまでの生後2~5カ月くらいまでは、猫は歯がかゆくてムズムズしてしまい、何かに噛みつきたくなるといわれています。ダンボールは程良い硬さであり、噛みごたえがある素材のため、猫に好まれるのかもしれません。
3. ストレス解消
猫は環境の変化やストレスに弱い動物であり、ストレスを感じると代替え行為をして気持ちを落ち着かせようとすることがあります。また猫は何か気に入らないことがあると、八つ当たりをすることもあります。
人間もむしゃくしゃすると何かに当たりたくなったり、破壊衝動にかられてしまうことがありますね。それと同じように、猫もストレスを解消するためにダンボールをかじることがあるようです。
4. 飼い主さんの注目を浴びたい
飼い主さんに注目してもらいたいときに、ダンボールをかじって飼い主さんの気をひこうとすることがあります。過去の経験として、ダンボールをかじった際に飼い主さんが「やめなさい」とかまってもらえたことがある猫は特に、「ダンボールをかじると飼い主が来てくれる」と学習している場合もあります。
5. 習慣化
一度始めた行動が習慣化することもあります。最初は好奇心や遊びから始まった行動が、特に注意を払われたり、何度も繰り返すうちに習慣となり、猫が常にダンボールをかじるようになることがあります。猫はダンボールをかじって食べても大丈夫?
ダンボールに入ったり爪とぎをしたりするだけで、かじることはない猫もいますが、かじってしまう猫もいます。ダンボールをかじってしまう猫を、そのままかじらせておくのは注意が必要です。
誤飲誤食の危険性があり、ダンボールをかじるだけではなく、ちぎり取って更にはそれを食べたり飲み込んだりする猫もいます。猫は誤飲誤食をしやすい動物なので、ダンボールはかじらせないほうが良いでしょう。
ダンボールを飲み込み、体内から排出できなかった場合、消化不良をおこしたり、腸閉塞などの病気になり開腹手術をしなければならなくなったりすることもあります。その状態を放置してしまうと、命に関わる危険すらあります。
また、ダンボールには製造過程で使用される接着剤やインクなどが含まれていることがあり、これらの化学物質が猫の体内に取り込まれると、有害な影響を及ぼす可能性があります。特にインクや接着剤に含まれる成分が猫の健康に悪影響を与えることがあります。
猫がダンボールをかじる場合の対策
猫にダンボールをかじって食べさせないようにするための対策はいくつかあります。
ダンボールを置かない
1番手っ取り早い方法は、ダンボールを置かないようにするということです。買い物や通販などでダンボール箱が家に届いたら、すぐに折りたたみ猫が入れない場所にゴミの日まで保管しておけば、猫にかじられる心配はありません。
ガムテープで補強する
ダンボールをかじって欲しくはないけれど、ダンボールに入ったり、爪とぎをしたりする遊びをさせてあげたいときには、ダンボールをガムテープで補強しましょう。猫がダンボール箱をかじる場所は、主に「へり」や「ふた」の部分です。
ダンボールのへりやふたの部分を猫がかじったとしても、簡単にかじり取られないようにすれば良いのです。丈夫な布製のガムテープで補強しましょう。
硬いダンボールを猫に与える
ガムテープで補強したとしても、強度が弱く柔らかいダンボール箱は危険です。最近の通販のダンボール箱は薄いため、猫にとってはかじりやすいですが、誤飲誤食の危険が高いです。硬くて丈夫なダンボール箱を選び、さらにガムテープで補強をしてから猫に遊んでもらうようにしましょう。
噛んでも良いおもちゃを用意する
ダンボール箱を猫に与えない場合は、代わりに噛んでも良いおもちゃを用意してあげましょう。ダンボール箱を噛むということは、噛むことでストレスの発散をしたり、狩猟本能を満足させていたりするということなので、代わりに発散できるものを与えてあげるようにしてください。
ダンボールの代替に!猫用のかじるおもちゃはどんなものがある?
猫用のおもちゃはさまざまなタイプがあります。猫が噛んでも良いおもちゃを用意する場合、材質や大きさなどを考慮し、愛猫好みのかじるおもちゃを用意してあげましょう。猫歯ぎしり棒
100%天然素材のおもちゃです。無添加なので、愛猫が噛んでも安心です。またたびの香りがついたスティックは、猫が噛むことで歯垢や歯石の除去に期待ができます。
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歯磨き嫌いでも遊びながらデンタルケア
獣医師監修のデンタルケアおもちゃです。ねずみの形をしており、尻尾や耳、胴体など、部位によりかじる感覚が異なって楽しめるはず。紙・またたび・コットンでできており、猫の口に入っても安心感がある素材を採用しています。
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猫用ミントボール
天然木と猫が大好きなキャットニップで作られているおもちゃです。100%天然素材で、猫がかじっても安心。中心部分にはキャットニップボールが入っており、猫の好奇心をそそります。
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キャティーマン にゃんデント ヘチマでハミガキ
ヘチマ繊維を採用した猫用ハミガキおもちゃです。噛むことでヘチマ繊維に歯が食い込み、歯と歯の間の汚れを落としやすくなります。マタタビ粉末付きで、魚型や猫型もありますよ。
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猫はダンボールが大好き!かじるなら要注意
ダンボールは猫にとって大好きなアイテムです。海外の大学の研究では、ダンボールを与えられた猫とそうでない猫を比べると、ダンボールを与えられた猫のほうがストレスが少ないという研究結果が出ているほどです。
ダンボールで楽しむことは、猫の精神的にも良い効果があるということでしょう。
ただし猫がかじってしまうときは要注意です。いくら猫が楽しく遊んでいても、ダンボールを飲み込んでしまい、消化不良や腸閉塞になっては大変です。
猫の様子を見ながら、紹介した対策を施すか、ダンボールは与えずに他のおもちゃで遊んであげるようにしましょう。