犬が前足をあげる理由とは?仕草の意味や動物病院へ連れて行く目安を解説
愛犬が前足をあげていたり、前足で「ちょいちょい」としていたりする場面を見たことがある方は多いと思います。「怪我かな?」と思って触ってみても、痛がらないこともしばしば。触られるのを明らかに嫌がる場合、早めに動物病院へ連れて行きましょう。触っても痛がらない場合は、何か伝えたいことがあるのかもしれません。今回は、犬が前足をあげる仕草の意味について解説します。
犬が前足をあげる理由
犬が片方の前足を上げていたり、前足をあげて「ちょいちょい」としていたりする場面を見たことがあると思います。このような行動には、さまざまな理由が考えられます。
構ってほしい
前足をあげる仕草は飼い主へのアピールの可能性があります。前足をあげている姿が可愛くて、飼い主が「可愛い!」と必要以上に構うと「前足をあげると構ってもらえる」と犬が学習していきますので注意しましょう。
好奇心
遠くや高いところを見ようとして首を伸ばしたときに、片方の前足が上がることがあります。小型犬や、好奇心が強い犬によく見られます。警戒や集中
犬が前足をあげる理由の一つに、警戒や集中があります。特に獲物を見つけたり、何かの音や匂いに気づいたりして、環境の変化に反応して注意を向けている場合に見られます。狩猟犬の中には、獲物の位置を示すために前足をあげる習性があるため、この行動が他の犬にも見られることがあります。不安や緊張
犬が片方の前足をあげるのは、不安や緊張を感じているときにも見られます。この動作は犬が警戒心を持っており、状況を探ろうとしていることを示している可能性があります。新しい場所や知らない犬に対して、警戒しているときにこの行動を見せることがあります。遊びの誘い(プレイバウ)
前足をあげる行動は、遊びの誘いのジェスチャーであることもあります。犬同士で遊ぶときや、飼い主に遊びを要求するときに、前足をあげることがあります。この行動は「遊びたい」「関心を引きたい」というポジティブな感情を表しており、リラックスした姿勢で尻尾を振っている場合には、遊びのサインと考えてよいでしょう。痛みがある
立っているときや歩いているときに不自然に片足があがる場合は痛みを伴っている可能性があります。前足をかばうように歩く、歩くリズムが不自然などの様子が見られるときは「肉球の外傷」「爪が割れている」「捻挫」「骨折」「関節疾患」などが考えられます。
実際に足を触ってみたときに「足を引っ込める」「怒る」「鳴く」といった仕草が見られれば、早急に動物病院に連れて行きましょう。
冷えや床の不快感
冬場や夏場など、地面や床が冷たかったり熱すぎたりすると、犬は前足をあげてその感触を避けようとします。冷えや床の不快感が原因で前足を上げている場合、温度の調整やマットなどで対応してあげることが必要です。学習された行動
前足をあげる行動は、飼い主とのトレーニングによって学習された行動であることもあります。例えば「お手」や「待て」などのコマンドとして前足をあげる行動を学んだ犬は、おやつを期待したり飼い主の注目を引きたいときに、自発的にこの行動を取ることがあります。犬が前足をあげる前に。ケガの予防方法
肉球の保湿をする
犬や猫にとって肉球はとても大事な役割を担います。皮膚の弱い犬や、老犬の場合だと「外傷」」「かゆみ」「乾燥」などによるトラブルに見舞われることもあるため、日々のケアが重要となります。
特に乾燥する季節は、肉球クリームの定期的な塗布をすると良いでしょう。
靴を履かせる
肉球の怪我や爪のトラブルは、犬用の靴を履かせることで対策ができます。靴を履かせると、多くの犬は最初とても嫌がったり脱いでしまったりするので、スムーズに歩けるようになるまでには時間と慣れが必要です。
靴は怪我の予防になるだけでなく、万が一怪我をしてしまったときにも傷口を保護する役割を果たすので、治癒が早くなることもあります。愛犬に靴を履かせることに抵抗がない方は、ぜひ慣らすことから少しずつ始めてみてください。
犬が後ろ足をあげる意味は?
犬が前足をあげる場合とは逆に、犬が後ろ足をあげる場合もあるでしょう。この行動にもさまざまな理由が考えられ、犬の状況や体調、行動の背景によって、その意味が異なることがあります。
マーキング行動
犬が後ろ足を上げる最も一般的な理由は、マーキング行動です。特にオス犬が他の犬や自分のテリトリーを示すために尿をかける際に見られる行動であり、後ろ足を上げることでより高い位置に尿をかけ、自分の存在や優位性を他の犬に示そうとします。この行動は、犬の社会的なコミュニケーションの一環であると言えます。
体調や痛み
犬が後ろ足を上げている場合、体調の不調や痛みを感じている可能性があります。足に異物が刺さっている、筋肉や関節に問題がある、またはけがをしているなど、足に負担をかけたくないときに見られる行動です。この場合、犬が足を上げ続けていたり、足を舐めたり噛んだりする場合は、早急に足の状態をチェックし、必要であれば獣医師の診察を受けましょう。
ストレッチや準備運動
後ろ足を上げることは、ストレッチや準備運動としてもよく見られます。これは筋肉をほぐすための自然な行動で、特に朝起きたときや長時間横になっていた後に見られることが多いです。リラックスしているときや、これから活動を始める準備をしている際のサインです。
リラックスした状態や休息
犬が後ろ足を片方上げた状態でいるのは、リラックスしている状態や休息を示していることもあります。体重を片足にかけずに休むための自然な姿勢であり、この姿勢をとっているときは、犬が安心している証拠です。恐怖や不安のサイン
場合によっては、恐怖や不安を感じているときに後ろ足を上げることもあります。特に耳を後ろに引いたり、尾を下げている状態で足を上げている場合は、犬がその場の状況に対して警戒しているか、怖がっていることを示している可能性があります。飼い主としては、犬が安心できるように環境を整えてあげることが重要です。犬が前足をあげる場合は理由を考えて行動を
歩き方が不自然な場合は痛みを伴っている可能性があります
触ると痛みがあるのか分かりやすい
犬は構ってほしいとき、好奇心でも前足をあげます
足の怪我予防のために、肉球ケアや靴が効果的です
一番心配なのは、怪我や病気が原因で前足をあげているときです。関節の疾患は、体重をコントロールすることなどが予防に繋がります。
愛犬が前足をあげていた場合、過剰に反応せず、「痛みを伴っていそうか」「構ってほしそうなのか」見極めましょう。