【ドッグトレーナー解説】犬がお尻を上げるプレイバウの意味は?威嚇との違いや正しい対応方法などを解説

【ドッグトレーナー解説】犬がお尻を上げるプレイバウの意味は?威嚇との違いや正しい対応方法などを解説

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犬は言葉を話すことができない分、行動や表情で自分の気持ちを表現します。その行動のうちの一つが「プレイバウ」です。カーミングシグナルの一つで「犬のお辞儀」とも呼ばれており、犬にはもちろん人間に対してすることもあります。今回は犬のプレイバウの意味や威嚇との違い、対応の仕方、吠える・お腹を見せるなどのプレイバウのように遊びに誘うときの行動などについて解説します。

犬がお尻を上げるプレイバウとは

プレイバウする犬

犬のプレイバウは英語で「PLAYBOW」と書き、頭は地面の近くまで下がり、お尻は上がっている犬の体勢をいい、犬が不安を感じたり、興奮したりしているときにみられるカーミングシグナルの1つです。

プレイバウは、特に飼い主やほかの犬など、相手がいる際に見られる行動です。そのシチュエーションは不安や緊張というよりも、ポジティブな感情であることが多く、カーミングシグナルの中では「興奮」との関連性が高いといえるでしょう。




犬がプレイバウをする理由

プレイバウする犬

犬がプレイバウをするときの多くの理由は「遊びたい!」「遊ぼうよ!」と遊びに誘っているサインですが、他のサインの場合もあります。

遊びのサイン

プレイバウは、犬が「遊ぼう!」というサインを送るための典型的な行動です。「爆発しそうなほど遊びたい気持ちを抑えながら、相手に敵意がないことを表現して遊びに誘っている」というニュアンスです。

友好的な意図の示し

プレイバウは、犬が相手に対して友好的な意図を示すための行動でもあります。激しい動きをする前にプレイバウをすることで、「これは攻撃ではなく、遊びだよ」と相手に伝えています。

緊張の緩和

プレイバウは、緊張した状況を和らげるためにも使われます。初めて会う犬同士が緊張しているとき、どちらかがプレイバウをすることで、相手にリラックスを促し、友好的な関係を築こうとします。

意図を伝えるための誤魔化し

犬は、プレイバウを使って、誤解を避けるための「リセット」の意味を持たせることがあります。遊びがエスカレートしたときにプレイバウをすることで、再び遊びに戻りたいという意図を伝えます。

犬のプレイバウと威嚇との違い

興奮しすぎて唸ったり、吠えたりしながらプレイバウする犬もありますが、歯をむき出している場合は、プレイバウではなく、飛びかかる姿勢をとっている威嚇・攻撃状態にある可能性があります。

「ハッハッ」と目を輝かせておらず、睨みつけるようにしていたら、問題が起こる前に、愛犬を止めましょう。


犬のプレイバウと同じく遊びに誘うときの行動

仰向けになる犬

吠える(唸る)

相手の気を引くためや、遊びたい気持ちが抑えきれず、吠えることがあります。何かに威嚇して吠えるときとは明らかにトーンが異なるため、その違いに着目してみてください。




お腹を見せる

犬は仰向けになって自分のお腹を見せるヘソ天でも、相手に敵意がないことを伝えることができます。撫でてほしいときに、飼い主の隣に来て、ヘソ天をすることもあります。




おもちゃを持ってくる

一番わかりやすい行動です。お気に入りのおもちゃがあれば一人で遊べる犬も、誰かと一緒に遊びたくなればそのおもちゃを相手のところへ持っていくことがあります。


犬のプレイバウへの正しい対応

プレイバウ

ほかの犬に対するプレイバウ

家族として一緒に暮らしている犬や知り合いの犬、社交性のある犬の場合は、上手に応えてくれることがあります。

プレイバウを交えながら遊びを発展させていくこともできるので、しつこい場合はけんかに発展してもすぐに止められるような距離から見守りましょう

初めて出会う犬に対して愛犬がプレイバウをしたら「相手の犬が怖がっていないか」「興味はあるのか」などの判断をしてから遊ばせます。

いくらこちらに敵意がないと伝えていても、恐怖心を抱いている相手にしつこくすれば威嚇されてしまいます。トラブルの原因は未然に防ぎましょう。

人間に対するプレイバウ

人間を相手にプレイバウをしている場合は、その誘いに「応えていい場合」と「落ち着かせるべき場合」があります

基本的には落ち着かせてあげるべきとされていますが、そんな興奮状態になっておらず、飼い主さんから見て、冷ますことも容易そうであれば、一緒に遊んであげても大丈夫です。

一方で、相当興奮状態にある犬の場合は、無視をすることで、一度熱を冷ましてあげましょう。




犬のプレイバウ以外のカーミングシグナル

あくびする犬

プレイバウ以外にも、日常生活の中でたくさんのカーミングシグナルを見つけることができます。意味がなさそうな小さな行動にも実は犬の気持ちが現れていることがあるので、普段の行動も観察してみましょう。

座る・伏せる

疲れや休憩以外の目的にも、犬が座ったり伏せたりすることがあります。人間と同じように、ソワソワしている自分をなんとかしようと一旦落ち着く態勢をとるためです。

例えば、他人に飛びつき癖があるけど「飛びかかってはいけない」と教えられている犬などにも見られます。

口を舐める

ご飯やおやつの前後に鼻やマズルを舐めるのは、単純に美味しさの証であることがほとんどですが、抵抗できない苦手な状況にあるときは、緊張を和らげるために行うことがあります。

あくびをする

人間と同じく眠いときにもあくびをしますが、飼い主さんに注意されているときなどにもよく見られる仕草です。

自分のストレスを軽減させようとしているだけでなく、飼い主さんに対して落ち着いてほしいことを伝えていることもあります。


身震いをする

水に濡れたり、何かがあったりしたときに、物理的に付着物を振り払うためにブルブルと身震いをすることがありますが、ネガティブな気持ちを振り払うためにも身震いをすることがあります。

触られることが好きではない犬が、人間に触られたあと身震いをするのは、気持ちをリセットするためであるともいわれています。

犬のプレイバウは遊びに誘っているサイン

見上げる犬

プレイバウは犬のカーミングシグナルの1つです
プレイバウは愛犬からの「一緒に遊ぼうよ!」のサイン
愛犬のプレイバウには、興奮状態次第で応えないことも必要です

犬のプレイバウは、一言で言えば「一緒に遊びたいサイン」です。

興奮がエスカレートしないよう、飼い主さんが上手にコントロールしながら、遊びたい欲求も満たしてあげましょう。

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