
【獣医師執筆】犬はブリ(鰤)を食べても大丈夫!刺身や皮付きの場合など、与える際の注意点などを解説
寒い季節に脂がたっぷりと乗るブリ(鰤)。刺身にブリ大根、照り焼きと楽しみ方はさまざまです。おいしいブリ料理を食べていると、愛犬が寄ってきて......。犬はブリを食べても大丈夫なのでしょうか? 実は、ブリは犬が食べても大丈夫な食材です。しかし、与える量や味付けには注意が必要です。今回はブリに含まれる栄養素や与える際の注意点、骨や皮はどうするべきかなどを解説します。
犬はブリを食べても大丈夫!

基本的に、ブリは犬が食べても問題ありません。ただし、アニサキスによる食中毒や小骨など、与える際に気をつけるべき点もあります。
注意点を守れば、犬にとって嬉しい栄養素を含む優れた食材です。
ブリとハマチの違いって?
皆さんは、ブリとハマチが実は同じ魚だということをご存じでしょうか?
ブリは「出世魚(しゅっせうお)」として知られ、成長段階ごとに異なる名前で呼ばれます。
稚魚の時期には「わかし」、体長40cmほどになると「いなだ」や「ハマチ」、60cmを超えると「ワラサ」、そして体長が80cm以上になると「ブリ」と呼ばれます。
犬が食べて大丈夫なブリの栄養成分

ブリの栄養成分は調理方法によって異なりますが、ここでは一般的な「焼きブリ」の成分についてご紹介します。犬に与える際の参考にしてください。
カリウム
カリウムは、過剰な塩分を排出しナトリウムとのバランスを保つことで、血圧を安定させる働きがあります。さらに、結石を作りにくくする作用も知られています。ただし、腎臓が弱っている犬には過剰摂取が心臓に負担をかける可能性があるため、摂取量には注意が必要です。
不飽和脂肪酸
ブリにはDHAやEPAといった不飽和脂肪酸が豊富に含まれており、血液をサラサラに保つ効果が期待できます。
DHA
オメガ3系の不飽和脂肪酸の一つで、皮膚や粘膜の健康を維持し、脳の働きを活性化させる役割があります。認知症予防にも効果があるとされており、日常的に摂取したい栄養素です。
EPA
魚に多く含まれる不飽和脂肪酸で、血中における血栓ができるのを防ぐ作用があります。これにより、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクを軽減する働きが期待されます。
犬にブリを与える際の注意点

犬にブリを与える際には、いくつかの注意点があります。
01【犬にブリを与える際の注意点】アニサキス
ブリは栄養豊富な魚ですが、刺身など加熱処理をしていない状態で犬に与えるのは避けるべきです。生のブリには、近年話題となっている寄生虫「アニサキス」が含まれている可能性があり、犬の消化器に深刻なダメージを与える恐れがあります。
ただし、市場に出回っているブリの多くは養殖ものであり、アニサキスが寄生している可能性は非常に低いとされています。また、天然ものでも適切に冷凍処理されていれば、アニサキスは死滅するため問題ありません。
厚生労働省の報告によると、アニサキスはサバ・イワシ・カツオ・サケ・イカ・アジなど多くの魚介類の内臓に寄生する線虫の一種です。鮮度が落ちると内臓から筋肉へ移動する性質があり、生のまま摂取することで、胃や腸の壁に刺入して嘔吐や激しい痛みなどの食中毒(アニサキス症)を引き起こすことがあります。
この症状は人間だけでなく、犬や猫にも発症する可能性があるため、加熱処理を徹底したブリを与えることが推奨されます。
02【犬にブリを与える際の注意点】ヒスタミン
ヒスタミン食中毒は、魚に含まれる「ヒスタミン」という物質が原因で起こります。これは、魚に本来含まれているアミノ酸の一種「ヒスチジン」が、細菌によって変化することで生成されるものです。
常温で魚を放置すると細菌が増殖し、ヒスタミンも多く生成されます。その結果、中毒を引き起こすリスクが高まります。
ヒスタミンは非常に熱に強いため、一度生成されると加熱では分解できません。予防には、新鮮な魚を選ぶことと、常温放置を避けることが重要です。
ヒスタミン食中毒は、摂取後2〜3時間で以下のような症状が現れることがあります。
- 下痢
- 嘔吐
- 舌や顔の腫れ
- 蕁麻疹
- めまい
03【犬にブリを与える際の注意点】骨
ブリには細かい骨が多く含まれており、人間のように意識して噛むことができない犬にとっては危険です。特に、小型犬や飲み込み癖のある犬では注意が必要です。
「小骨に気をつけてね」と伝えることはできないため、与える前に目立つ骨はあらかじめ取り除いておくことが大切です。
また、与える際はよく焼くか煮るなどして加熱調理し、身をほぐしてからあげると安全です。骨が残っていると、口内を傷つけたり、胃腸に負担をかけたりするリスクがあります。
04【犬にブリを与える際の注意点】皮は大丈夫
ブリの皮にはコラーゲンが豊富に含まれており、関節の動きをスムーズにする効果があります。犬にとっても健康的な食材のひとつとされており、細かく刻んでから与えるのがおすすめです。
05【犬にブリを与える際の注意点】味付けはNG
犬にブリを与える際は、味付けをせずに茹でるか蒸すのが基本です。調理の際は、油・塩・胡椒などの調味料を一切使わないようにしましょう。
例えば、愛犬にぶりしゃぶをあげたい場合、骨と皮を丁寧に取り除き、軽く湯通しした身だけを、少量トッピング程度に与えるのであれば問題ありません。ただし、あくまで“ぶりしゃぶ風”に調理したブリを少しだけ、という位置づけで、主食代わりに与えるのは避けましょう。
なお、玉ねぎやにんにくは中毒症状を引き起こすため、絶対に与えてはいけません。
06【犬にブリを与える際の注意点】与える量
基本的に、犬は総合栄養食を食べていれば追加の食材を与える必要はありません。
ただし、おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にとどめましょう。カロリーの目安は、以下の「食事量計算機」ツールで簡単に確認できます。
愛犬のカロリー計算をする07【犬にブリを与える際の注意点】アレルギー
犬の食物アレルギーには、生まれつきの体質による「先天性アレルギー」と、同じ食材を長期間食べ続けることで発症する「後天性アレルギー」があります。
犬にブリを初めて与えるときは、ごく少量から始めるようにしましょう。アレルギー反応として、以下のような症状が見られることがあります。
- 下痢
- 嘔吐
- 皮膚の痒み
- 元気がない
- 目の充血
上記の症状が出た場合は、すぐにかかりつけの獣医師に相談してください。
なお、アレルギー検査で陽性反応が出たからといって、必ずしもその食材を避けなければならないわけではありません。症状が出ていなければ食べても問題ないケースもありますので、実際に食べてみて体調を観察することが大切です。
08【犬にブリを与える際の注意点】血合い部分は注意
ブリの血合いには鉄分やタウリンなどの栄養が豊富に含まれています。ただし、酸化しやすく脂質も多いため、犬に与える際は加熱し、ごく少量にとどめることをおすすめします。
もし犬がブリを食べて体調を崩した場合の対処法

ブリの身には中毒成分は含まれていませんが、普段食べ慣れていない食材を摂取することで体調を崩すことがあります。特に骨が喉や腸に刺さると、嘔吐や下痢、腸閉塞などのリスクも。
犬がブリを食べた後に体調を崩した場合は、早めに動物病院へ相談してください。その際には「いつ」「どれくらいの量」「どのように調理したか」を獣医師に伝えることが大切です。
まとめ

人間にとっては美味しい食材でも、犬にとって危険な食べ物も少なくありません。正しい知識をもって、愛犬との食事の時間を楽しみましょう。
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