犬の平均寿命はどれくらい? サイズ別・種類別の寿命と長生きの秘訣も
犬の成長スピードはとても早く、人間の4倍ものスピードで年を取ります。「あんなに小さい子犬だったのに、あっという間に大きくなった」と思うことも珍しくないのではないでしょうか。今回は、サイズや種類別の犬の平均寿命、長生きする秘訣、シニア犬が気をつけたいことなどについて紹介します。
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犬の平均寿命を統計で見る
一般社団法人ペットフード協会が発表した令和元年の最新データによると、犬の平均寿命は14.44歳とされています。また、超小型犬の平均寿命は小型犬、中・大型犬に比べて長いとのことです。犬の寿命は年々伸びている?
以下のグラフは、ペットフード協会が発表している過去6年間の犬の平均寿命の推移です。
増減はありますが、2011年の平均寿命は13.85歳だったので、長期的に見れば増加傾向にあるといえます。このように、平均寿命が伸びている要因は、
- 飼い主の犬に対する健康意識が高まっていること
- フードや医療が進歩していること
が挙げられます。
2015年から2017年にかけて減少している要因は定かではありませんが、仮説として以下のように考えられます。
犬の年齢別のグラフ推移を見ると、2016年と2017年の高齢期(7歳以上)の割合が高いことが分かります。平均寿命は、「現在犬または猫飼育者」の年齢で計算されるので、高齢で亡くなってしまった犬の増加により、平均寿命が減少したと推測されます。

犬の年齢別の割合推移
犬は猫よりも平均寿命が短い?
2019年の犬の平均寿命が14.44歳であるのに対し、猫は15.03歳なので、犬は猫よりも平均寿命が短いといえます。これは、猫は室内飼いが主であることが大きな要因です。外に出ることは大切ですが、怪我を負ったり、感染症を患ったりする危険性もあるためです。猫の場合でも、「家の外に出ない」猫の平均寿命は15.95歳、「家の外に出る」猫は13.20歳と寿命に大きな差がありました。
犬種別の平均寿命

2016年5月31日にアニコム損害保険が発表した犬種別の平均寿命調査によると、犬の種類によって平均寿命が異なるようです。最長寿はイタリアン・グレーハウンドの15.1歳で、2位はミニチュア・ダックスフンド、トイ・プードルの14.7歳でした。
また超小型犬は、小型犬、中型犬、大型犬よりも寿命が長いと前述しましたが、アニコムと東京大学が2015年の共同研究で行った調査では、体重5〜10キログラムの小型群が14.2歳と最も長い寿命を示し、5キログラム以下の超小型群の13.8歳を上回る結果となったようです。
小さいほど寿命が長いと言われる説もありますが、一概にそうとは言えないことがわかりました。そして、体重10〜20キログラムの中型犬の平均寿命は13.6歳、体重20〜40キログラムの大型犬の平均寿命は12.5歳、そして、体重40キログラム以上の超大型犬の平均寿命は10.6歳と続きました。
これにより、小型群と超大型群の間には、3歳程度の差があることがわかりました。

では、犬種別に平均寿命を見てみましょう。
参照:犬種別の平均寿命を調査(アニコム損害保険)
犬の寿命ギネスは29歳!?

最近では、20年以上生きる長寿犬もいる程ですが、海外のギネスサイトによると、1939年の時に記録した29.5歳という記録が最長寿のギネス記録だそうです。オーストラリアン・キャトル・ドッグという犬種で、名前はブルーイ(Bluey)ちゃん。オーストラリアのビクトリアに住んでいたそうです。まだ獣医療やフードが全く進化していない1910年に生まれて29歳まで生きたことは本当にすごいですね。
犬の老衰の症状

犬が老化するにつれてかかる病気などが増えてしまうことは事実です。愛犬の高齢化のサインには常に目を配っておきましょう。
どこからがシニア犬? 状態で見る高齢化のサイン
一般的に、「シニア犬」と呼ばれるのは、小型犬なら9~13歳、中型犬なら9~11歳、大型犬なら7~10歳、超大型犬なら6~9歳くらいからだと言われています。ただ年齢は個体差があるので、ここではシニア犬に分類される特徴を紹介していきます。寝ている時間が増える
体力の低下などにより、遊ぶことが少なくなり、睡眠時間が長くなる場合があります。歯が抜けるなどの口の症状
犬は口の中も老化現象が起こります。歯が抜ける、歯石が目立つ、食事をするときに痛がる(あまり食べたがらない)、口臭が強くなるなどの症状が気になったら、一度病院へ連れて行った方がいいかもしれません。口の老化を放っておくと、歯槽膿漏や歯周病などの病気につながってしまうからです。これらの病気により口の中に細菌がたまると、血流に乗って内臓まで届き、内臓疾患につながる恐れがあります。老化による症状ではありますが、重病化してしまう前にお医者さんに診てもらいましょう。
犬の長寿の秘訣は体調管理です

アニコムが出している統計データによると、 犬の死亡原因で最も多いのは「腫瘍(13.4%)」で、「循環器系の疾患(11.1%)」が続く結果となりました。犬種別にみると、「腫瘍」が最も多い死因となる犬種は「ミニチュア・ダックスフンド」「ゴールデン・レトリーバー」「ウェルシュ・コーギー・ペンブローグ」などであり、「循環器疾患」が最も多い死因となるのは「チワワ」「シー・ズー」「キャバリア・キングチャールズ・スパニエル」など、犬種によって死因も異なることがわかりました。
参照:犬種別の平均寿命を調査
これらの疾患にならないようにケアをしてあげることが長生きの秘訣です。では、どのようにすればケアができるのでしょうか?
日々の健康管理が大切
普段から耳かきや歯磨きなど基本的なケアをするだけでなく、肥満など体重管理も大切です。また、多飲多尿でないかを日頃から回数や量を確認しましょう。少しでも異変があると思ったら、動物病院で診てもらうことをおすすめします。健康診断に行く
犬の体調の変化は普段の様子をしっかりと見ていないとなかなか気付けません。また、自分でケアをしていても、重病化してしまっていることも多いです。そのため、1年に1回、老犬になってきたら半年に1回は健康診断で診てあげるようにしましょう。老犬になったときに気を付けたい食事

シニア犬に適した食事は病気の進行を遅らせるだけではなく、予防効果のあるものが望ましいです。栄養状態が悪くても過度であっても犬は短命であることがわかっています。つまり、痩せていても太っていても長生きはできないということです。
若い頃から生涯を通じて良好な栄養状態を保つことが必要です。不妊手術や去勢手術後はどうしても太りやすくなりますが、今はこれらの手術後に適した栄養要求量を満たした食事が出ているので、それらを利用して太り過ぎを防ぐとよいでしょう。
関節症に良い食事とは
緑イ貝(ミドリイガイ)やグルコサミン、コンドロイチンといった成分は、関節症の症状を軽減することがわかっています。そして、これらはサプリメントでとることができます。犬との出逢いを大切に

現在、日本における犬の飼育頭数は最新データで987万匹となっており、微減傾向にあります。それでも犬を家族同然に考える飼い主の方が増えていることで、ペットの家族化はどんどん進んでいます。
犬の平均寿命は長期的に伸びており、今後も獣医療の進歩によって長くなるでしょう。しかし、体調管理を怠ってしまうと病気になるリスクは増えますので、日頃から体調管理をしてあげるようにしましょう。
更新日:2017年4月12日
公開日:2016年6月2日
公開日:2016年6月2日