【トレーナー解説】犬が玄関から離れない理由とは?吠える気持ちや分離不安の可能性について解説

【トレーナー解説】犬が玄関から離れない理由とは?吠える気持ちや分離不安の可能性について解説

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犬が玄関に行くのには理由があります。飼い主さんの帰りを待って、玄関から離れない犬もいれば、涼しくて寝るのに最適だから玄関にいる犬もいます。飼い主さんが外出した後、吠える犬は分離不安のサインかもしれません。今回は犬が玄関から離れない理由や分離不安の対策、玄関から犬の飛び出し防止方法などをドッグトレーナーの西岡が解説します。

犬が玄関から離れない理由

玄関で待つ犬

飼い主のお出かけが寂しい

飼い主さんのお出かけが寂しくて、玄関から離れないケースです。

玄関から離れないだけでなく、しばらく玄関で鳴く犬の場合は「分離不安」の可能性があるため、愛犬のためにも改善策を考える必要があります。

留守番中、愛犬が「寂しい思いをする時間」「退屈な時間」が少しで済むように、お出かけ前にたくさん運動をさせたり、遊んであげたりしてください。


飼い主を待っている

飼い主さんの足音が聞こえてきたり、飼い主の帰宅時間が近づいたりして、玄関で待っているケースです。

飼い主が帰って来ること自体が嬉しいのはもちろんですが、その後にはお散歩やご飯、一緒に遊んだりといった楽しい時間が待っていることに期待している状態といえます。

留守番をしていてくれた愛犬へのご褒美として、たくさんコミュニケーションを取ってあげてください。

散歩に行きたい

いつも決まった時間に散歩に行くという場合は「そろそろ散歩の時間!」と先に玄関でスタンバイしているということが考えられます。

「犬が玄関に行ったから散歩に行く」ということを繰り返すと、犬は玄関に行けば散歩に連れて行ってもらえると勘違いし、後に要求吠えなどの問題行動に発展する恐れがあるため、注意しましょう。

玄関が涼しくて気持ち良い

玄関はひんやりしていることが多いので、夏でも冬でも涼みに玄関に行くことがあります。

基本的に人が温かいと思う気温では犬にとっては暑いといえます。そのため、夏だけでなく、冬の暖房が効いた部屋も犬にとっては暑いことがあります。

犬が自分で体温調整しやすいように、部屋の工夫をしてあげましょう。

外の様子が気になる

玄関は、外の音がよく聞こえる場所でもあります。人の足音や車の音などが気になって玄関にいるということが考えられます。

犬にとっては自分のテリトリーに誰かが入ってくるかもしれないという緊張感があったり、外が気になって興奮している状態のため、できるだけ安心して過ごせるよう工夫しましょう。

犬の分離不安とは

おもちゃを持ってくる犬

犬の「分離不安」とは、飼い主や他の犬と離れて自分1匹だけになることにより、強い不安や恐怖などを感じて精神的パニックを起こしてしまうことをいいます。

程度の低いものから高いものまであり、さまざまな問題行動が起こるきっかけになります。

犬の分離不安の症状

  • 何時間も激しく鳴き(吠え)続ける
  • 家の中を動き続け、暴れ回る
  • 足や尻尾を舐めたり噛んだりの自傷行為をする
  • トイレ以外の場所の至るところで粗相をする
  • 7~8時間吠え続け、声が枯れる
  • 暴れて家の壁に大穴を空けたり、ソファーをボロボロにしたりする
  • ハウス内で暴れ、鼻先や顔周りをぶつけたり、爪が剥がれたりして流血する
  • 毛が抜け落ちて皮膚も破れ、肉が見えるくらいまで前足を舐めたり噛んだりする

ひどいケースだと、物を破壊するだけでなく、自傷に及ぶ恐れがあるため、早めの対策が必要です。

犬の分離不安の対策

犬の気質や家の環境によって対策は変わり、それぞれに合った方法を取らないと、逆効果になる恐れがあります。

程度によっては、獣医師に投薬治療を勧められるほどの重度の場合も。

性格や環境にもよるため、まずはドッグトレーナーや獣医師に相談することを強くおすすめします。その上で、以下のトレーニングを参考にしてみてください。

<クレートトレーニング>

クレートを安心できる大好きな自分の部屋にすることで、飼い主と離れる不安な気持ちをかなり軽減できる可能性があります。




<「待て」のトレーニング>

「待て」のトレーニングは、直接的には分離不安へのトレーニングとはなりませんが、続けることで飼い主さんとの信頼関係も強くなり、愛犬に自信がつくことで、精神的にも安定していきます。



犬と玄関に関するQ&A

玄関の前にいる犬

Q. 犬を玄関で飼っても良い?

玄関は、人の出入りがあったり、外の気配を感じやすい場所のため、安心して落ち着ける場所ではありません

外の音に警戒吠えをすることもありますし、飼い主とのコミュニケーション時間も減ります。犬を迎えるならば、部屋の中の落ち着ける場所にスペースを作る前提でお迎えしましょう。

Q. 犬が玄関で吠えて困っている

来客や配達が多い家の場合、玄関は家族以外の知らない人も出入りするということを犬は学習しています。そのため、来客があると犬は自分のテリトリーを守ろうと警戒して吠えてしまいます。

来客があるとわかっている時間は「ケージに入れたり、カーテンを閉めたりするなど、見せないようにする」「吠える対象物から注意を逸す」「吠えないように別の指示を与える」ことが有効です。



関連記事

Q. 玄関から飛び出さないか心配

部屋の中で留守番してもらうか、フリーで過ごさせるなら、玄関前に飛び出し防止ゲートなどを設置して物理的に飛び出し対策を取りましょう。

まとめ

犬が玄関から離れない理由は「飼い主を待っている」「涼んでいる」など犬それぞれ
玄関は犬にとって安心して落ち着ける場所ではないため飼育場所には向かない
犬が玄関で吠えるのは、自分のテリトリーを守ろうと警戒しているため
犬にとって安心できる環境、大好きな飼い主さんと過ごす時間はとても大切なものです。

愛犬が安心できる環境で、快適な時間を過ごせるよう、まずは環境を整えてあげましょう。


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