
【獣医師監修】犬はじゃがいもを食べていい!じゃがいもの量やレシピ、アレルギーなどについて解説
じゃがいもは犬が食べてもいい野菜です。エネルギー源になる炭水化物を豊富に含みますが、食べ過ぎれば肥満になってしまいます。今回は与えていい量や皮・芽・アレルギーなどの注意点、じゃがいもを使ったおやつレシピまで、獣医栄養学専門医のニック獣医師監修のもと解説します。
犬はじゃがいもを食べても大丈夫

じゃがいもはカリウム、ビタミンB1、ビタミンC、食物繊維などを含み、犬が食べても大丈夫な野菜です。特に豊富に含まれる「じゃがいもデンプン」は、犬にとって重要なエネルギー源になります。
じゃがいもは非常に有用なデンプン由来のエネルギー源で、総合栄養食の一部として利用することもできます。皮を剥き、十分に火を通したじゃがいもはとても消化が良く、多くの犬が美味しく味わうことができます。じゃがいもの食物繊維は正常な犬の腸内細菌層を育み、健康的なうんちを作ります(※1,2)。
※参照1:Panasevich MR, Kerr KR, Dilger RN, et al. Modulation of the faecal microbiome of healthy adult dogs by inclusion of potato fibre in the diet. Br J Nutr 2015;113:125-133.
※参照2:Bednar GE, Patil AR, Murray SM, et al. Starch and fiber fractions in selected food and feed ingredients affect their small intestinal digestibility and fermentability and their large bowel fermentability in vitro in a canine model. J Nutr 2001;131:276-286.
じゃがいもに含まれる栄養素
じゃがいもは、さつまいもと比べて糖質が少なく(約64%)、食物繊維が豊富(約150%)という特徴があります。
さらに、ビタミンCはリンゴの約2倍(6mg)含まれています。
栄養素 | じゃがいも(蒸し) | さつまいも(蒸し) |
---|---|---|
エネルギー | 76kcal | 131kcal |
糖質 | 18.1g | 31.9g |
カリウム | 420mg | 480mg |
ビタミンB1 | 0.08mg | 0.11mg |
ビタミンC | 11mg | 29mg |
食物繊維 | 3.5g | 2.3g |
※各100g当たり、参照:「食品成分データベース」(文部科学省)
栄養素 | 特徴 |
---|---|
カリウム | 過剰な塩分を排出してナトリウムとのバランスを保ち、血圧を安定させる効果があります。利尿作用があり結石を作りづらい作用もあります。腎臓が弱っている場合は過剰になり心臓にダメージを与えることがあるため、摂取量に注意が必要です。 |
ビタミンB1 | チアミンとも呼ばれ、補酵素として糖質のエネルギー変換をサポートします。不足すると神経や心臓に障害が起こります。 |
ビタミンC | 強い抗酸化作用があり、がん予防やアンチエイジングの効果が期待されます。体内の異物を解毒し、免疫機能を向上させる作用もあります。犬は体内で合成可能です。 |
食物繊維 | 腸内細菌のエサとなって腸内環境を改善し、食後の血糖上昇をゆるやかにして糖尿病の予防にもつながります。水溶性は満腹感の持続や下痢の改善、不溶性は便秘の改善などの効果が期待されます。 |
犬へのじゃがいもの与え方

生のじゃがいもは消化に良くないため、茹でたりレンジで加熱したり、柔らかくしたりしてから与えるようにしましょう。小さめのサイコロ状にカットしたり、マッシュにしたりするとより食べやすくなります。
犬に与えていいじゃがいもの量
じゃがいもは炭水化物を多く含むため、与えすぎると肥満につながる可能性があります。総合栄養食へのトッピングやおやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にとどめましょう。
1日の最適カロリー量は、ペトコトオリジナルのフレッシュドッグフード「ペトコトフーズ」の「フード診断」(無料)で簡単に計算できます。
犬へじゃがいもを与える場合の注意点

犬にじゃがいもを食べさせる際は、以下の点に注意が必要です。
- 芽や皮に含まれる毒素
- 家庭菜園のじゃがいも
- アレルギー
じゃがいもの芽や皮は絶対に与えない
じゃがいもの芽にはソラニンやチャコニンなどの毒素が多く含まれています。芽が出ている場合は、根元の周辺部までしっかりと取り除きましょう。毒素は皮にも含まれており、特に緑色に変色した皮に多く含まれます。皮はむいて与え、緑色になったじゃがいもは避けるようにしてください。
じゃがいもの保存には、発芽を遅らせるエチレンガスを出すりんごと一緒に保存したり、新聞紙で包んで光が当たらないようにしたりするのがおすすめです。
犬がじゃがいもで体調を崩した場合の対処法

どれくらい芽や皮の毒素を摂取すると危険かは、犬の体重や体質によって異なります。不安な場合や、少しでも気になる症状が見られた場合は、すぐに獣医師に相談してください。
その際、獣医師が的確な判断を行うために、「いつ・何を・どれくらい」食べたのかなど、できるだけ詳細に伝えることが大切です。
症状
じゃがいもに含まれる中毒成分を摂取すると、以下のような中枢神経系の刺激症状が現れる可能性があります。
- 散瞳
- 頻脈
- 口内乾燥
- 呼吸困難
- 腸閉塞
- 尿閉および抑うつ
- 麻痺
- てんかん
- 昏睡および死
また、軽度から重度の胃腸炎(口腔刺激、悪心、嘔吐、血便など)が見られることもあります。大量摂取した場合は、昏睡や死亡につながる恐れもあるため、十分に注意しましょう。
じゃがいもを使った犬のおやつレシピ【リゾット】

材料
ささみ | 30g |
---|---|
プチトマト | 3個 |
舞茸 | 10g |
にんじん | 10g |
じゃがいも | 10g |
水 | 100cc |
炊いたご飯 | 30g |
オリーブオイル | 少々 |
作り方
- 野菜は小さめにカットし、ささみも食べやすい大きさに切っておく。
- 鍋にオリーブオイルを入れて中火にかけ、ささみを炒める。
- ささみの色が変わったら、すべての野菜を加えてさらに炒める。
- 水を加えて煮込み、具材がやわらかくなるまで加熱する。
- 炊いたご飯を加えてお好みの柔らかさまで煮たら、火を止める。
- 人肌程度に冷ましたら完成。
レシピの動画や詳しい解説は、以下の関連記事をご覧ください。
まとめ

じゃがいもは栄養豊富な野菜で、食物繊維が多いことから腸内環境を整えるのにオススメです。必ず芽を取って皮をむき、加熱してから与えるようにしてください。
また、食べ過ぎは肥満の原因になりますので、その子にあった量を与えることが大切です。
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