【獣医師執筆】犬の喉頭麻痺 | 症状や原因、治療・予防法を解説
喉頭麻痺は病名の通り、喉がうまく機能しない疾患です。今回は犬の喉頭麻痺(こうとうまひ)の症状や原因などについて、白金高輪動物病院・中央アニマルクリニック顧問獣医師で獣医循環器認定医の佐藤が解説します。
犬の喉頭麻痺の基礎知識
喉頭麻痺は病名の通り、喉がうまく機能しない疾患です。具体的には喉頭に存在する披裂軟骨や声帯ヒダを動かす筋肉あるいは支配する神経に異常が起こることによって発現します。喉そのものの機能として、一番大事なことは食物などが入ってきた時には閉じて食道へ。呼吸をする時には開いて呼吸をします。喉の機能がおかしいということになると、食物などが気管へ流れ込み危険な状態に落ちいう可能性があるということです。先天性と後天性があります。
かかりやすい種類
- 先天性:ロットワイラー、ダルメシアン、レオン・ベルガーなどで見られる
- 後天性:ラブラドールレトリバー、セント・バーナード、アイリッシュ・セッター、アフガンハウンドなどで見られる
かかりやすい時期
- 先天性:1歳前後
- 後天性:10歳前後
症状
- 咳
- 呼吸困難
- チアノーゼ
- 失神
- 元気消失
- 食欲低下
- 肺水腫
原因
- 先天性:遺伝
- 後天性:多発性筋炎、重症筋無力症、神経筋疾患、神経変性などの筋肉系あるいは神経の異常が原因
検査・診断
- 内視鏡検査による確定診断
- 基礎疾患には血液検査なども必要
治療
- 内科的治療としては、ステロイドが効果あり
- 外科的手術により幾つか報告がある
予後
- 悪い
- 二次的に窒息、誤嚥性肺炎などを起こし危険と隣り合わせ
予防
- 少量づつ食事を与えるなど監視が必要である
対処法・応急処置
- 窒息など喉などに詰まらせた場合は、逆さにして出させる
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