【獣医師執筆】猫はとうもろこしを食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

【獣医師執筆】猫はとうもろこしを食べても大丈夫!栄養成分や与える際の注意点を解説

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猫はとうもろこしを食べても大丈夫です。今回はアレルギーのリスクや芯・葉など気を付ける部分について紹介します。

猫はとうもろこしを食べて大丈夫

猫
とうもろこしは猫に対する中毒性はないため、猫がとうもろこしを食べたからといって死ぬことはありません。しかし、猫にとってとうもろこしは栄養補給のための素晴らしい食物とは言えません。猫の消化システムは人間と異なるため、大量の粒を摂取してしまうと消化されづらく、下痢や嘔吐などの胃腸炎を起こすなど消化器官に影響が出る可能性があります。

また、糖分が含まれているため肥満の原因にもなり、猫が最もかかりやすい病気である腎・泌尿器系の疾患にかかりやすく、例えば糖尿病を引き起こす可能性があります。そのため、多量に与えることは避けた方が良いですが、少量であれば猫にとうもろこしを与えても大丈夫です。

猫が食べて大丈夫なとうもろこしの栄養成分

コーン
とうもろこしは、イネ科の穀物で世界三大穀物の一つです。ビタミンBを豊富に含み、ビタミンEやカリウム、カルシウム、マグネシウム、ミネラル、たんぱく質、食物繊維、不飽和脂肪酸の1種であるリノール酸、アンチエイジングにも効果がある抗酸化物質などを含む、栄養素の高い食物とされています。粒の皮はセルロースという消化されづらい不溶性の食物繊維でできています。

猫へのとうもろこしの与え方

とうもろこしを与える場合は水洗いをしてから粒を茹でて柔らかくして、スプーン一杯くらいだけあげると良いでしょう。気をつけたいのは、「たくさん与えないこと」です。お腹を壊さないように少しずつ与えてあげましょう。とうもろこしが含まれたトルティーヤなど人間向けの食材は、玉ねぎニンニクなど中毒成分を含む食材が使用されていることがあるため、与えないようにしましょう。

とうもろこしの葉は大丈夫?

とうもろこしの葉っぱにも中毒成分は含まれていませんが、農薬の化学薬品が含まれていたり、カビが生えている危険もあります。とうもろこしの粒以外は与えないようにしましょう。

ポップコーンは大丈夫?

塩やバターで味付けを全くしておらず、火傷しないくらい冷めている状態であれば、問題はありません。ただ油で揚げるのではなく、煎る方法で与えてあげましょう。消化には悪いため、与え過ぎは肥満にもつながり良くありません。歯の隙間に挟まることで歯周病の原因にもなるため、定期的な歯磨きケアが必要です。

猫にとうもろこしを与える際の注意点

とうもろこし

猫にとうもろこしを与えた時に気を付けたい点はアレルギーです。とうもろこしにはアレルギー成分が含まれています。そのため、摂取後、かゆみなど皮膚トラブルが見られた場合、アレルギーの可能性があります。その場合、動物病院で診てもらうようにしましょう。

とうもろこしの栽培は農薬が使われている可能性もあります。猫にとって化学製品はアレルギーの一種でもありますし、中毒性もあります。そのため、無農薬栽培のとうもろこしを与えてあげるか、きちんと野菜洗い殺菌洗剤で水洗いしてから与えてあげると良いでしょう。

与えていい量

前提として、猫は総合栄養食のごはんを食べていれば、それ以外は与える必要はありません。

おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。

とうもろこしの芯は与えないように

猫にとうもろこしの粒自体を少量程度与えることは問題ありませんが、おもちゃ代わりに芯を与えることは避けましょう。噛み砕いたりして誤飲してしまった場合、腸閉塞を起こしたり喉に詰まってしまう可能性があるためです。

猫がとうもろこしを食べて体調を崩した際に考えられる症状

猫

消化不良により、胃腸炎の症状がみられます。早めに動物病院で診てもらいましょう。

とうもろこしの芯の誤飲


とうもろこしの芯を食べてしまい上に挙げた症状が出ている場合はすぐに動物病院に連絡をしましょう。誤飲の程度によっては手術が必要になる場合もあります。

猫がとうもろこしを誤飲した際の対処法・応急処置

獣医師が的確な判断をすることが重要ですので、飼い主さんが食べたものや状況を正しく説明する必要があります。まずは中毒の原因となったものを特定してください。その上で動物病院へ連絡し、原因となったもののパッケージや、残りがあれば持って行くようにしましょう。致死摂取量は体重や状態によって変わるため、少しでも食べた場合は念のため獣医師に相談することを推奨しています。

猫にとうもろこしは最低限だけ

とうもろこし

猫にとってとうもろこしは中毒性こそありませんが、積極的に食べさせるべき食物でもありません。そのため、アレルギーに気を配りつつ、おやつとして適量を与える程度がいいでしょう。それらを理解した上で、楽しく健康なペットライフを過ごしてくださいね。

参考文献

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