【獣医師解説】犬の問題行動の5つの原因としつけ方を解説
ペットの家族化が進み、子供がいる家庭よりも犬や猫と暮らしている家庭のほうが多くなりました。しかし犬は、その子の個性にあった付き合い方ができていなかったり、不適切な生活環境が原因で、人にとって都合の悪い行動、いわゆる「問題行動」が起こることがあります。今回は、吠えや食糞などの問題行動について行動診療科獣医師の奥田が解説します。
目次
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犬の問題行動とは
「犬の問題行動」というと犬が問題と捉えられがちですが「問題行動」と呼ばれるかどうかは、人が問題と感じるかどうかがポイントになります。
犬にとっては自然な行動であっても、飼い主さんにとって困る行動であれば、どんな行動であれ「問題行動」と呼ばれることになります。
ですから「犬の問題行動」と言ってしまうのは、あまりお勧めできません。より正確には「人と犬の間で起こる問題行動」と捉える方が良いでしょう。自分で問題行動を 改善することが難しければ、トレーナーを頼りましょう。
【人と犬の間で起こる問題行動】01:甘噛み
甘噛みの原因は千差万別。甘噛みだからといって、不適切な対応をすれば、より強度の強い攻撃性のある咬みつきに発展することもあります。まずはどんな原因(理由)で噛んでいるのか理解しましょう。人や犬に怪我をさせてしまう前に、トレーナーにカウンセリングをお願いすることも大切でしょう。
【原因1】構ってほしくて
飼い主さんがテレビやスマホを見ている時に噛まれているのであれば、それは、飼い主さんの関心を引こうとして噛んでいる可能性が高いです。無視されて放っておかれたら犬は退屈を持て余してしまいます。犬としっかり遊んであげて、相手できない時はケージに戻すようにしましょう。
【原因2】興奮が強くなりすぎて
ケージから出した後、走り回って運動会になってしまい、その興奮のまま飼い主さんに咬みついてくるなんてことあると思います。あるいはロープ遊びで興奮して噛んでくるということも。興奮が強くなり、飼い主さんとの取っ組み合い遊びがしたくなる犬も少なくありません。興奮は制御できるようにしていく必要があります。
【原因3】撫でられるのが嫌
飼い主さんが「お利口さん!」と言いながら、激しく顔回りを撫でた時に、咬みついてくるようなら、それは撫でられるのが嫌な証拠です。なぜか飼い主さんは犬の顔回りを激しくワシャワシャ撫でがち。褒めようとしてそれをやってしまっている人もいます。
しかし、顔回りをワシャワシャ激しく触られるのが、犬にとって心地よいかというと必ずしもそうではありません。顔の近くに手をかざして、歯を当ててくる場合や顔をそむける場合は要注意です。
【原因4】抱っこやブラシが嫌
ブラシや抱っこをしようとすると「逃げる」「噛む」ということもあります。これはブラシや抱っこが嫌だという表現かもしれません。無理やりブラシをした経験や、無理やり抱っこしている場合、その傾向が強くなることも。ブラシや抱っこは、おやつを使いながら、犬自身が受け入れられるように馴らしていくことが大切です。
【原因5】体罰的なしつけをしている
マズルをつかんで「キャンというまで離さない」「犬を仰向けにひっくり返して叱る」といったしつけという名の体罰を行っていると、飼い主さんや手に対して恐怖心を関連付け、手の接近に対して恐怖や葛藤から咬みつくようになることはよくあります。飼い主さんが体罰的なしつけを行うことは、百外あって一利なしです。
【人と犬の間で起こる問題行動】02:無駄吠え
「無駄吠え」なんて言われますが、犬に取っては無駄な吠えなど一つもありません。吠えは犬の意思表示であることを理解しなければならないでしょう。しかし、犬がどうして吠えているのかが分からないと、間違った対応をして、吠えを強化してしまう場合もあります。
無駄吠えは、吠えるたびに叱ったり押さえつけたりするのではなく、どうして吠えているのかを理解してあげることが問題解決の近道です。詳しくは下記関連記事をご覧ください。
【人と犬の間で起こる問題行動】03:トイレ
「犬がトイレシートで排せつできない」ということも、飼い主さんを悩ませる行動の一つです。犬はもともと巣穴の中で生活していた動物です。寝床としている穴の中で排せつすることは、衛生的に良くないことを知っているため、必ず外へ出て排せつをします。
母犬が子犬のお尻などを舐めて排せつを促し、そのまま食べてしまうことにもそういった理由があります。詳しくは関連記事をご覧ください。
【人と犬の間で起こる問題行動】04:食糞
食糞行動も問題行動の一つです。【原因1】トイレが汚い
犬はきれい好きな動物です。トイレシートがいつまでも汚れたままだと、自分で食べて片付けることがあります。排せつしたらすぐに片付けてあげましょう。【原因2】おいしいにおいがする フードによっては、便になってもおいしい匂いがするから食べるということがあります。獣医師に相談してフードを変えてみましょう。【原因3】飼い主さんにかまってもらえる
便を食べることで、飼い主が「ダメ!」などと反応してかまってくれると知っているため、わざと食糞をすることがあります。それでも食糞をしてしまったときは、怒ったりせず静かに片付けてあげましょう。
【原因4】お腹が空いている
ごはんの量が足りない場合に、仕方なくうんちを食べることもあります。ごはんの量は最適かどうか、愛犬の体重から食事の量を見直してあげましょう。【原因5】癖になってしまった
食糞をするきっかけを取り除いてもする場合は、食糞をすることが癖になってしまっていることが考えられます。排せつをしたら食糞する前に名前を呼び、おやつをあげてたくさん褒めてあげましょう。
【人と犬の間で起こる問題行動】05:飛びつき
飼い主さんが帰ってきたときなど、嬉しくて飛びついてくる行動も問題となることがあります。小型犬の場合は問題だと感じる人は少ないと思いますが、中型犬・大型犬となると飛びつかれただけで転んでしまうこともあります。
ダックスフンドやコーギーなどの胴の長い犬種はヘルニアなどの病気を引き起こす可能性がありますし、プードルでは飛びついた拍子にバランスを崩して骨折なんてことも考えられます。早期に対策をとることをおすすめします。
【原因1】興奮して飛びつく
飼い主さんが帰ってきて嬉しいときや、興奮したときに飛びついてきます。歓迎の意味もあるため、一概に無視すればいいかというと、それも切ないですよね。
飛びついてきた時に構うのではなく、オスワリを誘導しておやつを与えるようにして、適切な行動を誘導していくと良いでしょう。
【原因2】欲しいものが高い位置にある
机に飛びつくというパターンでは、おやつやおもちゃなど、欲しいものが机の上にあるときに飛びついてきます。飛びついてほしいものが得られた経験があると、繰り返し飛びつくようになっていきます。何より机の上のものを取らせない、飛びついてもいいことがないということを教えていくことが必要です。
1回でも成功すると、しつこくやるようになるので、注意が必要です。
犬の気持ちがわかれば問題行動は減る?
犬の問題行動は理由なく発生するものではありません。犬としては、何かのメッセージを飼い主さんに伝えたくてその行動をしているのかもしれません。そのため問題行動を治療するということではありません。
犬がなぜその行動をするのかという理由が分かれば、適切な対策ができるため、問題となっている行動自体を減らすことができます。
また、行動の理由を飼い主さんが理解することで、飼い主さん自身が納得し、問題だと思わなくなるということのほうも大きいでしょう。
犬の問題行動のしつけにオススメのおやつ
私たちペトコトが自信を持ってお届けするのがペトコトフーズのフレッシュドッグフードです。犬のごはんと聞いて「カリカリ」と呼ばれる茶色い豆粒を想像される方も多いと思いますが、正しくは「ドライフード」と呼ばれる加工食品です。保存しやすく食いつきも良いことから犬のごはんとして一般的になりましたが、高温加熱によって食材本来の栄養が失われ、添加物も多く含まれることから見直しが進んでいます。
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まとめ
犬の問題行動には必ず理由があります
理由を理解した上で、しつけの方法を考えましょう
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