犬が食糞をしてしまう理由とは? 対策やしつけの方法について解説

犬が食糞をしてしまう理由とは? 対策やしつけの方法について解説

愛犬の食糞行動に悩んでいる飼い主さんも多いのではないでしょうか。やめさせるためにいろいろ試したけれどなかなか効果が出ない……と、諦めていませんか? 犬の食糞行動には必ず理由があります。その理由を探り、しっかり向き合ってあげることがとても大切です。今回はドッグトレーナーの酒匂が、犬が食糞してしまう理由、また食糞対策となるしつけの方法について解説します。

食糞とは

母犬と子犬

犬が悪気なくウンチを食べる行動を「食糞」といいます。飼い主さんの中には、かわいい愛犬が食糞する姿を見て、ショックを受ける方もいらっしゃるのではないでしょうか。

食糞は、犬、ウサギ、コアラ、チンパンジーなどが行うことであり、動物の世界ではそこまで珍しい行動ではありません。ですので、「ウンチを食べるなんてうちの子はおかしい」と思うのは、「気が早い判断です」と私はいつもお伝えしています。しかし、人間社会で共存する以上、できればやめてほしい行動です。

食糞には必ず理由があります。愛犬が何かを「伝えたい」ときのシグナルの一つとして、ウンチを食べてしまう行為に出ているということを忘れてはいけません。

単純に「食糞をやめさせたい」というだけでは、「愛犬が飼い主さんに伝えたい気持ちや本当の理由」に気付けない場合があります。「食糞をする=何か伝えたいことがあるんだ」と理解し、飼い主さんと愛犬とがより良い関係を築くきっかけだと考えましょう。

犬が食糞する理由について

眠るゴールデンレトリーバーの親子

犬が食糞する理由を、犬の年代に分けて解説します。

子犬が食糞する理由

美味しいから

子犬は成犬に比べ、消化器官が未発達です。そのため、ウンチの中に未消化の状態のごはんが残っていることがあります。それは子犬からすると、「美味しそうなもの」になので食べてしまうのです。


お腹が空いているから

ご飯が足りない場合、ウンチを食べてお腹を満たしてしまう場合があります。このケースは私も経験したことがあります。

劣悪な環境で生まれた子犬を引き取りに行った際、ガリガリに痩せ細ってしまった子犬が私の目の前でウンチをし、それを必死に食べていました。その必死さに私も驚きましたが、帰宅後にごはんをお腹いっぱい食べさせてあげたところ、食糞はぴたりとおさまったので、やはり空腹のあまり食糞していたのでしょう。

母犬と離れるのが早過ぎた

子犬のウンチは、基本的には母犬が舐め取ってきれいにしてくれることが多いです。子犬がウンチに興味を持つ前に、母犬が処理してくれているのです。しかし、母犬と離される時期が早過ぎた場合、処理してくれる母犬がいないため、自分のウンチに興味を持ち食べてしまう可能性があります。

また、母犬と離されてケージで過ごす時間が長いと、退屈な時間に食糞し、それが癖付いてしまうことがあります。これは、掃除があまり行き届いていないような劣悪な環境にいる子犬にも言えることです。

成犬が食糞する理由

暇・退屈だから

運動不足だったり、長時間のお留守番が続いていたりすると、時間も体力も余っているので、退屈しのぎに遊びで口に入れてしまうということもあります。飼い主さんが帰宅してみると、ウンチにかじった跡がある、もしくはウンチがバラバラに解体されているときなどは、これが原因かもしれません。

飼い主さんの気を引くため

ウンチを食べたところ、飼い主さんが「わー!!」と大騒ぎしたことに喜びを感じてしまった場合もあります。「ウンチを食べる=構ってくれる」という図式が、愛犬の中で出来上がってしまっているのです。

叱られたくないから

トイレトレーニングで失敗したときに叱られたことが強く心に残ってしまい、「ウンチをしたら怒られる」と思って隠すために食べてしまうことがあります。

フードが合っていない

フードを変えたら食糞を始めたという場合には、フードが体に合っていないのかもしれません。消化不良のままウンチとして出てくることがあり、そこに美味しい匂いが残っているので食糞してしまうことも考えられます。


老犬が食糞する理由

認知症

犬にも認知症があり、誤食からの食糞も症状の一つです。また、認知症には「異常食欲」という症状もあり、それが原因で食糞してしまう場合もあります。


食糞の対策としつけ

悲しそうな子犬

まずは愛犬が食糞する理由を探ってみましょう。特に以下のような状況になっていないか、確認してみてください。

  • ごはんや栄養は足りているか
  • 運動不足になっていないか
  • ストレスはないか、もしくはストレスになるような環境の変化はなかったか
  • 認知症になっていないか

愛犬の立場になって考えてみると良いでしょう。その上で、食糞をやめさせるしつけとして私がおすすめしているのは、「ゲーム」にして教えていくことです。ぜひ、以下のやり方を試してみてください。

ゲームのやり方[初級編]

  1. ウンチをしたらすぐに無言で片付けてからおやつをあげる。
  2. おやつをあげるときに褒める(ウンチをしているときは声はかけません)。

食糞が「いけないこと」だと分かっている子の場合、口に入れようとしたときに「ダメ」と声をかけることはOKです。そしてこの時に大切なのは、「ウンチの時用の特別なおやつ」を用意することです。

チーズやジャーキー、レバーなど、匂いが強くて少し柔らかめのものが良いでしょう。「飼い主さんの意向通りにできたときのみ食べさせてもらえるおやつ」であることが大切です。「ウンチよりも魅力的なものがもらえる」と、愛犬に認識させることが重要だからです。そうすることで、「ウンチが出た→片付け終わったらご褒美がもらえる!」というルールを少しずつ覚えさせることができます。

オーバーリアクション気味に褒めてあげることも、最高のご褒美であることを忘れないでください。そのルールを覚えれば、「ウンチが出た瞬間に食べる」という行為がなくなっていきます。

ゲームのやり方[上級編]

[初級編]ができるようになったら少しレベルを上げて、「ウンチが出たら教えに来る」ということを教えましょう。

  1. ウンチをしたら、飼い主の近くで「おすわり」をさせる
  2. ウンチを片付けてから、おやつをあげると同時に喜び褒めてあげる

これらを少しずつ教えていくことにより、食糞が減っていくと共に、ウンチが出たら知らせにきてくれるようになります。


お留守番が多い場合

お留守番させることが多い場合、常に見ていてあげることはできないと思います。「一緒にいる時はできるようになったけど、留守番させるとできない……」と思っても、諦めないでください。

このゲームでの飼い主さんの課題は、「愛犬を信じて諦めない」ことです。愛犬がゲームのルールを理解してくると、食糞は確実に減っていきます。お留守番させた日にウンチがあったら、ウンチの状態を見てみてください。遊んだ痕跡や、ちょっとだけかじった痕跡があるかどうか、分析することも大切です。

もしそんな痕跡があった場合は、ご褒美をあげる必要はありません。黙って淡々と片付けましょう。それだけで愛犬は、「あーあ、褒められなかった」と理解していきます。

食品を使った食糞対策の効果は?

生わさび

インターネットには食糞に対する情報が溢れています。その中には、キャベツ、パイナップル、ズッキーニ、ヨーグルト、わさび、唐辛子などを使うことや、ビターアップルをかけることで食糞対策になる、という情報もあります。

しかし私の見解と経験上、効果はほとんどないか一過性のものです。また、食物繊維が豊富な食材の場合には消化不良を起こしたり、アレルギーを引き起こす可能性もあるので、私はおすすめをしていません。

わさび、唐辛子、ビターアップルに関しても、その味に慣れてしまう子や、「かけられる前に急いで食べちゃおう!」と逆効果になってしまう場合もあるので注意が必要です。

サプリメントや薬で対策

ごはんの前で待てをするビーグル

「食糞が止むなら!」と、サプリメントや薬に頼る方の気持ちはとてもわかりますが、今のところ絶対的に効果のあるものは存在していないようです。私自身も、今預かっているパピーに食糞をやめさせるトレーニングをしているため、獣医さんにも確認済みです。

この子の場合は、劣悪な環境下にいたこと、ご飯を十分にもらえない飢餓状態からの自己防衛、そして寄生虫がいるという三つの要因からきている食糞なので、食糞に対してかなり依存の強い子ではあります。しかし、「ウンチをしたら教えにくる」というレベルまで進むことができています。


まとめ

踏ん張り中のコーギー
食糞は、愛犬が飼い主に何かを伝えたい時のシグナルである
根本的な原因を分析し、ゲーム感覚でしつけを行う
食品やサプリメントでは効果がないだけでなく、健康に害が及ぶ可能性も
ウンチには細菌もたくさん混じっているため、愛犬の健康だけでなく、飼い主さんの健康を守るためにも、食糞はやめさせるべきです。愛犬からのシグナルを受け止め、根気よくしつけを行ってください。1人では難しい場合は、プロのトレーナーに見てもらうこともお勧めです。

飼い主さんに必要なのは、決して諦めないこと! 素敵なWan Lifeが送れますように。

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