
シャーペイはどんな犬?飼い方や性格、かかりやすい病気などを解説
シャーペイは「青黒い舌」の持ち主として有名な犬種で、子犬の頃からすでにシワが刻まれており、シワシワな顔が愛らしい犬種です。その愛らしさに反して、アメリカンケネルクラブでは「魅力的だが、飼うのが難しい犬種」としています。今回はシャーペイの性格や寿命、飼い方・しつけなどを解説します。
シャーペイの歴史と基礎知識
英語表記 | Shar Pei |
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原産国 | 中国 |
サイズ | 中〜大型犬 |
体高 | 44〜51cm |
体重 | 20〜27kg |
寿命 | 8~12歳 |
シャーペイの歴史
シャーペイは「チャイニーズシャーペイ」と呼ばれることもあり、その名の通り、中国生まれの犬種です。実はとても歴史の長い犬種で、2000年以上前の漢王朝期にあった古代中国の資料にも登場します。当時は百姓の家に多く飼われていて「狩猟犬」「牧羊犬」として、また家畜を泥棒や他の動物から守る番犬として重宝されていたようです。
1949年に中華人民共和国が建国されると、中国では犬を飼うこと自体が禁止されますが、その間も香港や台湾で繁殖されていました。
見た目の特徴はカバのようなマズル、小さな目、三角の小さな耳で、シワシワのボディはサンドペーパーのような毛並みを持っています。
実際、シャーペイを直訳すると「砂の肌」という意味なんだとか。
大きさと寿命
体高は44〜51cmほどで、体重は20〜27kgです。寿命は8〜12年ほどといわれています。シャーペイの毛色
いろいろな毛色を持つシャーペイがいますが、ホワイトの毛色は存在しません。「ブラック」「クリーム」「レッド」などのソリッド(単色)カラーが基本で、最近では「ライラック」と呼ばれる淡いグレーの毛を持つ子犬が人気です。
ブラック

ブラウン

ライラック

Photo credit: lucythesharpeioflondon Thanks!
シャーペイの性格

シャーペイは、忠実で、独立心が強く、穏やかな性格です。家族への愛情がとても深い犬種です。
普段はとてもおとなしい犬ですが、他人や他の犬に対しての警戒心が強いのも特徴で、アメリカンケネルクラブでは「魅力的だが、飼うのが難しい犬種」としています。
シャーペイの被毛について

他の犬種とは全く違うシャーペイの特徴のひとつに被毛があります。
被毛のタイプ
シャーペイの毛は、一言で言うと「剛毛」です。毛の艶は愛犬の健康のバロメーターといいますが、シャーペイは硬い被毛を持つ犬種なので、一般的に手触りが悪いのが健康の証です。
毛の長さは馬のように短いか、少し長くても2.5cmほどです。被毛のタイプは馬のように短い「ホースコート」、それより少し長めの2.5cmほどの長さの「ブラッシュコート」があります。
「ベアーコート」と呼ばれる、ブラッシュコートより長めの被毛を持つシャーペイもいますが、アメリカンケネルクラブでは正式な被毛タイプとしては認められていません。
シャーペイの飼い方

家族への深い愛情で知られるシャーペイですが、番犬として家畜を守ってきた歴史のある彼らは、きちんとしつけないと、他人に対して攻撃的になることがあります。
しつけ方
とても賢いシャーペイたちには、頑固な一面もあるため、しつけの難易度は、他の犬種と比べて少し高めです。他人や他の犬への警戒心を持つ前に、子犬の頃からたくさんの犬や人と触れ合わせることが推奨されています。
また、子犬のためのしつけ教室などに積極的に参加することも効果的です。しつけの際には、根気強くじっくり教えてあげましょう。
ケア
シャーペイには、頻繁にブラッシングをする必要がありません。シャンプーも1ヶ月に1回ほどで良いでしょう。耳に問題を抱えやすいので、耳のケアは週に一度ほど、できれば子犬のうちから習慣にするのがお勧めです。
シャーペイの体型・体重管理
健康な毎日を過ごすためには、適切な体型・体重を保つことが欠かせません。定期的に体重を量ることは重要ですが、適正体重は成長とともに変化します。同時に「ボディ・コンディション・スコア」(BCS)という評価指標を利用することで適正な体型・体重を維持することができます。
参照:『飼い主のためのペットフード・ガイドライン』(環境省)
YouTubeのPETOKOTOチャンネルでは獣医師の佐藤先生が体重の測り方やボディコンディションスコアの確認方法を解説していますので、ぜひ参考にしてください。
シャーペイの食事

犬の食べ物は「エサ」と呼ばれていた時代から、家族の「ごはん」と呼ぶ時代へ変わりました。私たちと同じように、犬も栄養バランスの良いごはんを食べることで健康を維持することができます。ごはん選びをする際は、以下の2点を気を付けていただくといいでしょう。
1. 総合栄養食を適量与える
犬が必要とする栄養は人間と同じではありません。そこで生まれたのが「総合栄養食」と呼ばれるごはんです。おやつなど「一般食」や「副食」と呼ばれるごはんだけ食べていると体を壊してしまいますので、「総合栄養食」のごはんを選ぶようにしましょう。総合栄養食を食べていても与える量が少なければ痩せてしまいますし、多ければ太ってしまいます。パッケージに書かれた食事量は目安ですので、ボディ・コンディション・スコアで「3」の「理想体型」を維持できる量を与えるようにしてください。
2. 添加物の少ない新鮮なごはんを選ぶ
犬のごはんと聞いて「カリカリ」と呼ばれる茶色い豆粒を想像される方も多いと思いますが、正しくは「ドライフード」と呼ばれる加工食品です。保存しやすく食いつきも良いことから犬のごはんとして一般的になりましたが、高温加熱によって食材本来の栄養が失われ、添加物も多く含まれることから見直しが進んでいます。そこで生まれたのが素材本来の旨味や香りが楽しめ、余計な添加物も入っていない「フレッシュフード」と呼ばれる新鮮なごはんです。PETOKOTO FOODSもその一つで、子犬からシニア犬(老犬)まで毎日のごはんにすることができます。もちろん総合栄養食です。
PETOKOTO FOODSの公式HPを見る
シャーペイのかかりやすい病気
シャーペイは、目に疾患を抱えやすいといわれています。「緑内障」「網膜異形成症」「突発性後天性網膜変性症候群」まぶたが内側に巻き込まれる「眼瞼内反症」には特に注意が必要です。
他にも呼吸器系、循環器系、筋骨格への疾患もシャーペイに多い病気として考えられます。
シャーペイ情報のスペシャリストであるアメリカのシャーペイクラブは、目、腰、肘、膝蓋骨、甲状腺のチェックをマメにすることを推奨しています。
シャーペイに似ている犬種

チャウチャウ
シワシワのボディとつぶらな目を持つという点では、同じく漢王朝期の中国で生まれたとされる「チャウチャウ」と似ています。
見た目の大きな特徴である青黒い舌も共通しており、アメリカンケネルクラブが認める犬種の中ではシャーペイとチャウチャウが唯一の「青舌犬」とされています。
シャーペイの迎え方
一度家族に迎えたら、子犬から老犬になっても大切に、命に責任を持ちましょう。白髪も生えれば、病気にもかかるかもしれません。お金がかかるのは家族に迎える時だけではないことを踏まえ、もう一度考えた上で迎えることを検討してください。
保護犬から迎える

保護され、里親を探している犬は雑種だけでなく、血統書のある犬も多くいます。
ペトコトの姉妹サイトである保護犬・保護猫マッチングサイト「OMUSUBI(お結び)」も、ぜひ覗いてみてください。
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ブリーダーから迎える
好きな毛色や、血統など気にするのであれば、信頼できるブリーダーから迎えるという方法もあります。実際に見学に行き、どんな環境で飼育されているのかを確認することも必要ですが、飼う上でのアドバイスも直接聞くことができます。
ペットショップから迎える
メジャーな犬種ではないため、ペットショップで探す場合には、事前にシャーペイがいるか確認することをお勧めします。月齢やペットショップによって大きく異なりますが、一般的な価格の相場は30~40万円ほどです。
運動は家族と一緒に
シャーペイは、環境適応能力にとても優れた犬種です。運動が好きな家族と一緒に毎日ハイキングに出かけることもできますし、1日数回の短い散歩しかできない都会暮らしにも適応できます。
とても頭のよい犬種なので、アジリティに挑戦する、身体を使った芸を覚えさせるなど、頭と身体を両方使えるエクササイズを考えてあげるといいかもしれません。
参考文献