
ブルテリアの飼い方!性格や寿命、かかりやすい病気などをトレーナーが解説
ブルテリアはたまご型の頭につぶらな瞳がとても印象的な犬種です。もともとは闘犬として飼育されていたので荒い気性をしていましたが、今は家庭犬として扱いやすいように改良されています。特徴的なおとぼけ顔で人気があり、ブルテリアよりも小さいサイズのミニチュアブルテリアも人気です。今回はブルテリアの飼い方やしつけ、かかりやすい病気などを紹介します。
ブルテリアの基礎知識
英語表記 | BULL TERRIER |
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原産国 | イギリス |
体高 | ブルテリア:53~56cm ミニチュアブルテリア:25~35cm |
体重 | ブルテリア:20~29kg ミニチュアブルテリア:11~15kg |
寿命 | ブルテリア:12~13歳 ミニチュアブルテリア:12~14歳 |
ブルテリアは闘犬として作られたテリア犬種です。
ミニチュアブルテリアは、テリアとしての気質の高さからネズミ狩りを得意としていました。「ミニブル」という愛称でも呼ばれています。
ブルテリアの歴史

ブルテリアの歴史
ブルテリアはイギリス原産の犬種で、ブルドッグと既に絶滅したホワイト・イングリッシュテリアとの交配によって生まれました。「ブルバイティング(闘犬による牛へのいじめ)」や「ベアバイティング(闘犬による熊へのいじめ)」などの見世物が盛んだったイギリスで闘犬として生まれました。
他とは違った見た目から、闘犬場でもドッグショーでも、観客の目を引く犬となりました。
ミニチュアブルテリアの歴史
20世紀頃に、小型のブルテリア同士を交配して生まれた「ミニチュアブルテリア」は比較的新しい犬種です。19世紀頃は、大きさに関わらずブルテリアとまとめて登録されており、闘犬やネズミ狩りを行う犬として人々の注目を集めました。
20世紀には英国ケネルクラブによって大きさの規定が作られ「ブルテリア」と「ミニチュアブルテリア」の区別がされました。
ブルテリアの毛色・毛質
ホワイトのみの被毛を持つ種類や、ブラックの模様が入っている種類、ブリンドル(主となる色に異なる色がまんべんなく混じっていること)、トライカラー(ブラック&ホワイト&タン)、レッドなどいろいろな毛色が存在します。毛質は短毛種で、ザラザラした肌触りをしています。
ホワイト
ブラック&ホワイト

ブリンドル
トライカラー
レッド
ブルテリアの性格や特徴

性格
ブルテリアは闘犬として作出されたため、勇気があり興奮しやすい性格です。品種改良によって、闘犬としての特徴だったどう猛さは無くなり、人が大好きで遊び好きになりました。
しつけにはよく従いますが、頑固な一面があり、一度噛みつくと離さないということもあります。
基本的な性格は同じですが、ミニチュアブルテリアはブルテリアよりもテリアに近く、勇敢で気が強く頑固などといった気質をしているといわれています。
特徴
ブルテリアの身体的な特徴は立ち耳や水平に保たれた尻尾、太い首や卵のような形をしている頭です。特に頭部から鼻先にかけて、くびれがなく、緩やかなアーチ状をしているのが特徴的です。
体は全体的に筋肉質で非常に丈夫な四肢を持っています。賢い表情に、下向きの顔が特徴的です。
ブルテリアの育て方

テリアは皮膚がとても敏感な犬種で、さまざまな食べ物からアレルギーを起こす可能性を持っています。
ブラッシングによるお手入れは、それほど念入りにする必要はありませんが、日々のチェックが必要な犬種です。
短毛で寒さに弱いので、寒さが厳しい冬場には洋服を着せるなどの工夫をしましょう。また、体の大きさに比べて体力もあるため、運動量もある程度必要になります。
ブルテリアは初心者には向かない?
ブルテリアはしつけを怠ると攻撃的になることがあり、ほかの犬や動物を傷つけたり物を壊したりなどトラブルとなることがあります。そうした事態を引き起こさないために、しっかりとしたしつけの知識が必要となります。初めて迎える犬としては向かないでしょう。
ブルテリアのしつけ
ブルテリアは家庭犬として改良されているため、闘犬としての気質はそれほどありませんが、しつけをしっかりしないと攻撃的な一面を見せることがあります。子犬の頃から、たくさん撫でてどこを触られても平気なようにすることや、「オイデ」などの基本的なしつけをすることが大切です。
ブルテリアのお手入れ
短毛種なので毎日のブラッシングは必要ありません。週に2、3回程度ブラッシングしてあげましょう。皮膚病になりやすい犬種ですので、ブラッシングの時や撫でる時も意識して、皮膚に異常がないか確認しましょう。
ブルテリアの体型・体重管理
健康な毎日を過ごすためには、適切な体型・体重を保つことが欠かせません。定期的に体重を量ることは重要ですが、適正体重は成長とともに変化します。同時に「ボディ・コンディション・スコア」(BCS)という評価指標を利用することで適正な体型・体重を維持することができます。
参照:『飼い主のためのペットフード・ガイドライン』(環境省)
YouTubeのPETOKOTOチャンネルでは獣医師の佐藤先生が体重の測り方やボディコンディションスコアの確認方法を解説していますので、ぜひ参考にしてください。
ブルテリアの食事

犬の食べ物は「エサ」と呼ばれていた時代から、家族の「ごはん」と呼ぶ時代へ変わりました。私たちと同じように、犬も栄養バランスの良いごはんを食べることで健康を維持することができます。ごはん選びをする際は、以下の2点を気を付けていただくといいでしょう。
1. 総合栄養食を適量与える
犬が必要とする栄養は人間と同じではありません。そこで生まれたのが「総合栄養食」と呼ばれるごはんです。おやつなど「一般食」や「副食」と呼ばれるごはんだけ食べていると体を壊してしまいますので、「総合栄養食」のごはんを選ぶようにしましょう。総合栄養食を食べていても与える量が少なければ痩せてしまいますし、多ければ太ってしまいます。パッケージに書かれた食事量は目安ですので、ボディ・コンディション・スコアで「3」の「理想体型」を維持できる量を与えるようにしてください。
2. 添加物の少ない新鮮なごはんを選ぶ
犬のごはんと聞いて「カリカリ」と呼ばれる茶色い豆粒を想像される方も多いと思いますが、正しくは「ドライフード」と呼ばれる加工食品です。保存しやすく食いつきも良いことから犬のごはんとして一般的になりましたが、高温加熱によって食材本来の栄養が失われ、添加物も多く含まれることから見直しが進んでいます。そこで生まれたのが素材本来の旨味や香りが楽しめ、余計な添加物も入っていない「フレッシュフード」と呼ばれる新鮮なごはんです。PETOKOTO FOODSもその一つで、子犬からシニア犬(老犬)まで毎日のごはんにすることができます。もちろん総合栄養食です。
PETOKOTO FOODSの公式HPを見る
ブルテリアがかかりやすい病気

ブルテリアは皮膚がとても敏感で、皮膚病になりやすいです。
体の汚れや生活によるストレス、食べ物によるアレルギーなど、さまざまな要因があるため、毎日のチェックが大切です。
遺伝性による「聴覚障害」や「心臓病」、膝の関節が外れてしまう「膝蓋骨脱臼」、食べすぎによる「糖尿病」などにも注意が必要です。
ブルテリアの迎え方
一度家族に迎えたら、子犬から老犬になっても大切に、命に責任を持ちましょう。白髪も生えれば、病気にもかかるかもしれません。お金がかかるのは家族に迎える時だけではないことを踏まえ、もう一度考えた上で迎えることを検討してください。
保護犬から迎える

保護され、里親を探している犬は雑種だけでなく、血統書のある犬も多くいます。
ペトコトの姉妹サイトである保護犬・保護猫マッチングサイト「OMUSUBI(お結び)」も、ぜひ覗いてみてください。
OMUSUBIで保護犬猫を探す
ブリーダーから迎える
ブルテリア専門のブリーダーも存在しますが、ミニチュアブルテリアが多いようです。実際に見学に行き、どんな環境で飼育されているのかを確認することも必要ですが、飼う上でのアドバイスも直接聞くことができます。
ペットショップから迎える
ブルテリアはペットショップではあまり見かけない犬種です。地域のペットショップに事前に確認することをおすすめします。月齢やペットショップによって大きく異なりますが、一般的な価格の相場は20~30万円ほどです。
ブルテリアと楽しい暮らしを!

ブルテリアはしつけは大変ですが、愛嬌もあり人懐っこいので、家族に笑いと癒やしを与えてくれます。
そんなブルテリアとの生活をぜひ楽しんでください!
参考文献