【獣医師執筆】子犬のごはんの量はどうするべき?愛犬の食事量を簡単に計算できる自動計算機も紹介

【獣医師執筆】子犬のごはんの量はどうするべき?愛犬の食事量を簡単に計算できる自動計算機も紹介

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子犬の多くはごはん(ドッグフード)があればあるほど食べてしまうため、最適な量や計算方法がわからず悩む飼い主さんは少なくありません。適量は犬ごとに異なるため、「3カ月の犬だから○○g」「体重が何kgだから○○g」といった目安もありません。では、どうやって愛犬の正しい食事量を把握するのか、獣医師の佐藤が解説します。

子犬にはどんなごはんを与える?

ダックスの赤ちゃん

新生児期(生後2週頃まで)では、母乳が子犬にとって重要な栄養源であり、特に初乳が免疫と腸内環境の維持に役立ちます。なお、必要に応じて代用乳も使用する場合があります。代用乳は、母乳が足りない場合に使われ、体重増加を確認しながら頻繁に与えることが必要です。新生児期の注意点ですが、新生児期は下痢をしやすいため、母乳や代用乳以外の飲み物を与えることは控えてください。

離乳期(生後5週目頃〜生後2か月頃)では、乳歯が生え始めた子犬に、成長期用のフードまたはオールステージ対応のフードをぬるま湯でふやかしてから与えます。フードの栄養を損なわないよう、使用するお湯の温度に注意してください。また、フードを選ぶ際には必ずAAFCO基準を満たした総合栄養食と表示されているものにしましょう。

離乳後から成犬期の子犬(生後3カ月頃〜1歳頃)では、ウンチの状態や目の輝き、身体の動きなど、犬の様子を見ながら、粥状から少しずつ固いものを与えるようにします。同じ成長期のうちでも成長のスピードが異なりますので、成長過程に見合った食事内容と量を与える必要があります。


子犬のごはんの量の調整は大切



ペットショップでは生後56日(8週間)を経過しない犬や猫の販売や展示、引渡しなどが禁止されているため、生後3カ月頃の子犬を家族に迎える場合も多いでしょう。そして子犬を家族に迎える際、最初に気をつけるべきことの一つが「ごはんの量」です。

成長期は「ごはんの量」に要注意

多くの飼い主さんはブリーダーさんやペットショップの店員さんから聞いたアドバイスをもとにごはんを与えると思いますが、子犬の成長は我々が思っている以上に速く、同じ量を与え続けていると健康に悪影響を及ぼすことがあります。

実際、ごはんの量が足りないことに気付かず、「何かおかしい」と動物病院に痩せた子犬を連れてくる飼い主さんもいます。成長期の子犬は成犬以上に比べて多くの栄養を必要としますので、不足すれば正しく成長できず、命に関わる問題が起きる可能性があります。

体重だけでごはんの適量はわからない

多くの飼い主さんは体重をもとにドッグフードのパッケージに書かれている量を与えると思いますが、それは一つの目安に過ぎません。例えば、体重が同じでも運動量の多い子と少ない子ではごはんの必要量は異なるからです。

月齢が同じでも犬種や性格、生活環境によってごはんの量は異なりますので、「○○カ月の犬だからごはんの量は○○gが目安」といった基準はありません。では、愛犬に適切なごはんの量を与えるためにどうすればいいのでしょうか?

子犬に与えるべきごはんの量を知るためのポイントを3つに分けて解説します。

子犬に与えるべきごはんの量

子犬によりごはんの量を変える必要があるため、「生後3ヶ月では◯グラム」「生後5ヶ月では◯グラム」というように、子犬の月齢だけで決めることは難しく、体重や体型によっても変わります。また、トイプードルやチワワなど犬種別に必要なカロリーが変わるわけではありません。

その上で、3つのポイントをお話します。

  1. BCSで愛犬の「体型」を確認する
  2. 愛犬の「体重」を確認する
  3. BCSと体重からごはんの量を調整する

1. BCSで愛犬の「体型」を確認する

私たち人間は太っているか痩せているかを判断する基準として体脂肪率やBMIなどの指標を参考にします。犬は人間と体の構造が異なるため、人間のように体脂肪率やBMIを出すことはできません。代わりに犬で使われる指標が、BCS(ボディコンディションスコア)です。

BCSでは脂肪の着き具合やくびれの有無を外見や手触りで確認し、以下のように5段階で評価するのが一般的です。

犬のBCSタップ/クリックして拡大

理想体型である「BCS 3」の時の体重が適正体重です。適正体重は成長とともに変化しますので、定期的にBCSをチェックして「BCS 3」を維持することで適正体重を保つことができます。BCSについて詳しく知りたい方は、以下の関連記事も参考にしてください。


※参照:『飼い主のためのペットフード・ガイドライン』(環境省)

2. 愛犬の「体重」を確認する

愛犬の「BCS」と「体重」はセットだと考えてください。5段階評価のBCSでは細かい変化がわかりませんので(動物病院では9段階で評価することもあります)、定期的に体重を量ることで見た目ではわかりにくい変化に気づくことができます。成犬であれば1カ月に1回、子犬の場合は2週間に1回は体重を量るようにしましょう。

体重の量り方は以下のYouTube動画でも解説していますので参考にしてください。

3. BCSと体重からごはんの量を調整する

定期的に「BCS」と「体重」を確認して変化が分かるようになると、ごはんの量も適切に調整できるようになります。体重が増えていたとしても「BCS 3」が維持できていれば健康的に成長できている証拠ですし、体重が変わらないまま「BCS 2」に移行していればごはんの量が足りていない可能性があります。

成犬では与え過ぎで「BCS 4」に移行する可能性を考える必要がありますが、成長期の子犬では吐いてしまうほど極端な食べ方をしていなければ与え過ぎの心配はありません。それよりも不足して発育不良になったり、低血糖になったりしないように注意してください。

【子犬もOK】犬のごはんの量が簡単に分かる自動計算ツール

PETOKOTO FOODS

ペトコトフーズが提供する「カロリー計算機(無料)を使っていただくと、1日の最適カロリー量を知ることができます。ドッグフードのパッケージに記載された成分量に100gあたりのカロリー量があると思いますので、最適カロリー量に合う食事量を計算してみてください。

例えば1日の最適カロリー量が125kcalのワンちゃんに100gあたり400kcalのドッグフードを与えている場合、1日の最適な食事量は31gとなります。

なお、生後4ヶ月以上、1歳未満の子犬の場合はカロリー計算機で表示された1〜1.5倍の量を、生後4ヶ月未満の場合には2倍の量を与えてくださいね。

愛犬のカロリー計算をする


子犬の食事でよくある質問

ごはんの量に関連して、子犬の食事でよくある質問と答えについても紹介します。子犬の食事については以下の関連記事でも解説していますので参考にしてください。

子犬に何を食べさせればいいの?

離乳期を過ぎたら、子犬用かペトコトフーズのようなオールステージ対応の総合栄養食を与えます。成長期の子犬は大人よりも多くの栄養を必要とするため、成犬用のごはんを与えることはできません。発育不良の原因となってしまいます。

犬のごはんは一般的に「カリカリ」と呼ばれるドライフードが選ばれがちですが、超高温加熱で食材本来の栄養や旨味が失われてしまったり、余計な添加物が含まれていたりします。何より、食事から水分を摂れないことは脱水によって引き起こされる病気のリスクを高めます。

そのため子犬には食べるだけで水分補給になるウェットタイプのごはんがおすすめです。ただし、ウェットフードには保存料が添加されているものが多くありますので、ウェットの中でも余計な添加物が入っていないフレッシュフードを選ぶのが理想的です。

よく「ウェットフードは歯周病になりやすい」と言われることもありますが、明確なエビデンスはありません。ドライフードでも歯周病になる犬はたくさんいますので、歯磨きを頑張っていただくほうがよっぽど重要です。歯磨きのやり方は以下の動画で解説していますので、参考にしてください。



1日に何回あげればいいの?

犬は消化に8〜10時間ほどかかるため、成犬の食事は12時間ごとの1日2回が基本です。子犬の場合は低血糖の心配がありますので、1日の最適量を3分割する形で朝、昼、晩と1日3回与えるといいでしょう。成犬になってからも食事量を守れば回数を増やすことは問題ありませんし、犬は「量より回数」で満足感を得るため肥満予防にもなります。

また、ごはんの時間は正確に決めないで大丈夫です。きっちり決めてしまうと犬の期待値がその時間に合わせて上がりすぎてしまい、空腹で吐いてしまうことがあります。

離乳食後のごはんの切り替え方は?

離乳後、犬の歯と消化能力が発達するにつれて、徐々に固形のフードへ移行する必要があります。移行は「ゆっくり、少しずつ」が基本です。ふやかすお湯の量や時間を10日ほどかけて少しずつ減らし、粥状のフードから固形フードへ移行させ、犬の消化器官に負担をかけないようにしましょう。

子犬のご飯の量を調節できるおすすめごはん

ペトコトフーズの犬のプレゼントにおすすめのフレッシュドッグフード

犬の食べ物は「エサ」と呼ばれていた時代から、家族の「ごはん」と呼ぶ時代へ変わりました。私たちと同じように、犬も栄養バランスの良いごはんを食べることで健康を維持することができます。ごはん選びをする際は、以下の2点を気を付けていただくといいでしょう。

1. 総合栄養食を適量与える

犬が必要とする栄養は人間と同じではありません。そこで生まれたのが「総合栄養食」と呼ばれるごはんです。おやつなど「一般食」や「副食」と呼ばれるごはんだけ食べていると体を壊してしまいますので、「総合栄養食」のごはんを選ぶようにしましょう。

総合栄養食を食べていても与える量が少なければ痩せてしまいますし、多ければ太ってしまいます。パッケージに書かれた食事量は目安ですので、ボディ・コンディション・スコアで「3」の「理想体型」を維持できる量を与えるようにしてください。

2. 添加物の少ない新鮮なごはんを選ぶ

犬のごはんと聞いて「カリカリ」と呼ばれる茶色い豆粒を想像される方も多いと思いますが、正しくは「ドライフード」と呼ばれる加工食品です。保存しやすく食いつきも良いことから犬のごはんとして一般的になりましたが、高温加熱によって食材本来の栄養が失われ、添加物も多く含まれることから見直しが進んでいます。新鮮な野菜を犬や猫に与え続けることで、様々ながんに罹るリスクを軽減することが研究で判明していたり、市販のドライフードを製造する工程の1つである高温加熱処理が、タンパク質の品質劣化を招き、熱に弱いビタミンを破壊し、さらには発がん性物質を生成してしまうことが、研究により判明しています。

そこで生まれたのが素材本来の旨味や香りが楽しめ、余計な添加物も入っていない「フレッシュフード」と呼ばれる新鮮なごはんです。ペトコトフーズもその一つで、子犬からシニア犬(老犬)まで毎日のごはんにすることができます。もちろん総合栄養食で、主食としても、トッピングとしてもご利用いただけます。

ペトコトフーズの犬のプレゼントにおすすめのフレッシュドッグフード

実際に従来のドライタイプのドッグフードよりも、水分がより多く含まれた手作り品質のごはんを食べている犬の方が寿命が3年も長くなることが研究により明らかになっています。新鮮で美味しく、健康なごはんを選ぶことが長生きできる秘訣です。

フレッシュフードと寿命の関係性

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まとめ

犬
子犬のごはんは与え過ぎより不足に注意
足りないと発育不良や低血糖のリスク
ごはんの量は犬ごとに違うため目安はない
BCSと体重を確認して適切な量に調整する
子犬は大人になるための栄養をしっかり摂っていかなければいけませんが、子犬の成長は飼い主さんが思っているよりも早いことが多く、病院で「与える量の不足による痩せすぎ」を指摘する機会は少なくありません。定期的にBCSと体重を確認して、愛犬に最適なごはんの量を与えるようにしてください。

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