犬の出産|基本知識から準備や流れ、死亡リスクなどの注意点を解説【獣医師監修】
飼い主さんの中には愛犬の出産を考える方も少なくないと思います。犬は安産の代名詞ともなっていますが、小型犬の場合はそうとも言えません。小型犬に限らず、出産にはリスクが伴い子犬も母犬も死亡する可能性はゼロではありません。今回は犬の出産について、準備や流れ、費用、注意点などを佐藤獣医師(目黒アニマルメディカルセンター/MAMeC)監修のもと解説します。
犬の出産とは
犬は1歳を過ぎると子犬を産めるようになり、1回で5〜10匹を出産します。それだけの子犬を一般家庭で育てるのは簡単ではありませんし、出産は母犬にとって大きな負担になります。愛犬の出産を考えている方は正しい知識を持ち、母犬と子犬の将来をしっかり考えて決めるようにしてください。
出産を予定していない場合は、必ず不妊手術を行なうようにしましょう。予期せぬ出産はもちろん、発情期の体力的・精神的な負担や子宮蓄膿症、乳腺腫瘍などの病気を避けることにもつながります。
犬の妊娠期間
犬の妊娠期間は、受胎から63日が標準的ですが、母体の状態による個体差があり、数日前後することがあります。出産予定日の算出は、胎児の生育状態をモニターしながら判断する必要があります。受胎は必ずしも交配した日に起こるとは限りません。通常の交配は、適日を狙って1日おきに2~3回行います。体内の精子は、おおむね3日程度は受胎能力があるため、交配日から1週間程度遅れて受胎することもあります。
犬の出産適齢期
小型犬は12カ月ほどで成犬の体格になり、18カ月ほどで人間で20歳程度の成熟を迎えます。中型犬の場合は20カ月、大型犬の場合は26カ月程度が目安となります。
小型犬の最初の発情(ヒート)は、早ければ9カ月頃、標準的には12カ月頃に始まります。十分成熟していないと出産で母体に掛かる負荷に耐えられず、母犬・子犬ともに死亡リスクが高まるため、完全に成熟するまで交配するべきではありません。1回目の発情の時期では、十分な成熟が得られていないと考えるべきでしょう。
出産は母体で胎児を育てるために相応の体力が必要になりますので、高齢になると安全な出産が難しくなってきます。小型犬の場合、6歳で人間の40歳程度に相当します。6歳を超えた出産は勧めません。以下の範囲を望ましい出産年齢と考えてください。
小型犬 | 生後18カ月~72カ月 |
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中型犬 | 生後20カ月~66カ月 |
大型犬 | 生後26カ月~60カ月 |
犬の出産費用
犬の出産には、おおむね次のような費用が必要となります。
交配料 | 5~10万円程度 | |
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ショップやブリーダーに依頼する場合、交配犬所有者に支払う交配手数料です。 | ||
検査費用 | 合計で2~5万円程度 | |
通常は出産までに2度検査を行います。1度目(交配後30日くらい)は胎児の心臓が動いているかの確認で超音波検査。2度目(交配後55日以降)は胎児が出産できる大きさの骨盤腔かどうかの判断、数や生存しているかの確認で、超音波検査とレントゲン検査を組み合わせます。 | ||
出産介助費用(3〜4日程度) | 5~8万円程度 | |
動物病院やブリーダーに依頼した場合に必要な費用ですが、預けている日数によっても差はあります(通常分娩の場合)。 | ||
異常分娩の医療費 | 3~20万円程度 | |
陣痛微弱や帝王切開などの医療処置が必要な場合の費用ですが入院日数によっても差はあります。 | ||
用具やミルク代 | 1~3万円程度 | |
消毒用品、保温器具、母乳が出ない場合のミルク、授乳具などの費用です。 | ||
血統証明書の登録費用 | 1~2万円程度 |
出産にかかる費用のほとんどは、専門家に依頼した場合に必要となるものです。ご自身で行う場合にこれらの費用は掛かりませんが母犬・子犬の安全を考え、必ず専門家にサポートしてもらいましょう。
犬の出産準備
出産の準備として、以下の用具が必要となります。落ち着いて産める環境(周りから見えにくい場所など)を作ってあげることも重要です。
- 清潔なバスタオル、タオル(各2、3枚)
- 鉗子、ハサミ
- 産湯の容器
- 消毒薬(イソジンやマキロンなど犬に安全なもの)
- タコ糸
- 出産のスペース(フェンスや大きめのサークルなど)
- 通気性があり保温できるかご(子犬を一時的に入れるもの)
- 保温ができるケージ(目隠しができるもの)
- 安全な保温用具(ヒーター、電気アンカなど)
- 室温計(ケージ内の温度管理)
- ドライヤー
- キッチンスケール(胎児の体重測定用)
出産が近付くと巣作りをする行動や少量の頻尿が見られます。うろうろと歩き回ったり、しきりに陰部を気にするようになります。これらの兆候が見られると間もなく出産が始まります。
犬の出産の流れ
予定日の1週間前頃にレントゲンや超音波を撮り、胎児の数、頭から尾の根元までの長さや頭部の大きさを測り、心臓の動きを確認します。胎児の大きさやおおむねの体重を把握し、出産の判定を行います。レントゲン検査で胎児の頭が母犬の尾部側もしくは頭部側(逆子)でも犬の場合は正常とされています。割合としては、逆子は1/3程度と言われています逆子の胎児
小型犬で胎児が11〜14cm程度、中型犬で14〜18cm程度、大型犬で約20cm程度に成長していれば、正常な成長を見込めて数日以内に出産となる可能性が高いといえます。
母体の体格により異なりますが、過大児であると判断した場合は帝王切開により計画出産を選択することもあります。パグやフレンチブルドッグ、ブルドッグは体の作りから自然分娩だと難産になりやすく、基本的には帝王切開が行われます。その他には出産履歴として、前にも帝王切開だった場合は可能性が高くなります。
この頃から毎日2回程度の体重測定、体温測定を行います。出産の兆候として体温(直腸温)が0.5~1.0度下がり、また元の体温となる変化が見られます。体温が下がってから24〜48時間で出産となるケースがほとんどです。
出産前の体温の変化
自然分娩の流れ
母体や胎児の状態により大きく個体差がありますが、基本的には第1子から以下の工程を繰り返して進みます。ただし、各段階で異常がないかモニタリングし、異常を発見した場合は適切な医療処置が必要となります。第1ステージ
落ち着きがなくなり、舌を出してハアハアと呼吸が荒くなります。体温を上げるため、あるいは陣痛で震えが見られたり、まれに吐いたりすることもあります。第2ステージ
破水し透明な液体が出ます。胎児が産道へ降りて、おおむね30分以内に水袋が見えてきます。第3ステージ
羊膜に包まれた状態で胎児が生まれ、へその緒につながって胎盤が出てきます。異常分娩の場合
異常分娩は、主に以下の状態によって判断します。- 緑色の液体が陰部から出る。
- 異常な出血。
- 体温(直腸温)が39度以上。
- 腐敗臭、悪臭がある。
- 分娩後4時間を経過しても胎盤が出ない。
- 水袋が破れ、胎児の顔もしくは尻尾が見えてるが出てこない。
異常分娩の主な原因は、胎盤剥離、流産などで、胎児の数が多い場合は、栄養不足などが考えられます。また、胎盤が出ないままにしておくと子宮蓄膿症などの原因となることがあります。これらの症状が見られた場合は、獣医師の診断を受ける必要があります。
産まれない場合
難産の場合は、主に以下の状態によって判断します。- 体温変化後3時間以上経過しても分娩の兆候が見られない。
- 破水して3時間以上経過しても胎児が見えない。
- 不規則で弱い陣痛が3時間以上続く。
- 規則的で強い陣痛が30分以上続く。
- 水袋が見えてから2時間以上分娩しない。
- 産んでから次の胎児が24時間以上出てこない
難産は小型犬に多い傾向があります。原因の7割は母体の状態によるもので、そのほとんどは子宮無力症によります。その他は、産道狭窄、子宮捻転などさまざまな原因があります。
胎児による原因は胎位異常、奇形、過大児、胎子死亡などです。軽度な難産と診断された場合、カルシウムやオキシトシンなどの陣痛促進剤を投与します。重度の場合は、帝王切開で対処することになります。
帝王切開の場合
帝王切開では子宮内から胎児を摘出し、蘇生します。開腹手術となるためメスを入れることになり、神経や血管が集中している腹部の処置ですので一定のリスクが伴います。難産の場合、母体と胎児が弱っている可能性が高いため処置のスピードが重要です。理想的には、メスを入れてから10分以内に摘出します。全身麻酔となるため、胎盤から胎児へ麻酔の影響が出ないように慎重にコントロールします。できる限り母体の傷が小さくて済むような(小切開法)が望ましいのですが、子宮を体外に出さずに処置するため難易度が高い手術となります。事前に獣医師との相談が必要でしょう。問題なく手術が終了すれば1日の入院で帰宅できます。費用は10〜15万円前後が相場です。
生まれた子犬のケア
出生したら、胎児の羊膜を破って取り上げてください。胎盤が出てくる前に、胎児のヘソから5mm程度の位置を糸で縛り止血します。止血した胎盤側のさらに5mm程度を切断します。その際、胎盤を取り出すためにへその緒を鉗子でつかみ、軽く引き出します。無理に強く引っ張ることは絶対にしないように気を付けて行います。
手や処置に使う糸、鉗子、ハサミは、十分消毒し、感染予防に気を付けてください。母犬がへその緒を噛み切ろうとしますが、まれに胎児を傷付けてしまうことがあるため、人の手でへその緒を処置することが賢明です。
次に子犬を産湯に入れ、羊水を洗い流します。湯温は36度程度のひと肌に調節し、優しく全身を洗います。なければ、タオルできれいにしてもかまいません。このとき、口や鼻から水が入らないよう十分注意してください。呼吸器に水が入ると肺炎を起こして死亡することがあります。
清潔なタオルで全身の水気をふき取り、ドライヤーで乾かします。ドライヤーが熱すぎたり、冷たすぎたりして体温を奪うことがないよう細心の注意が必要です。
気管内の羊水を吐かせるため、背中を叩きながら口や鼻周りをテッシュペーパーで軽く押さえ、羊水が出なくなるのを確認します。大きな声で産声を上げているようなら、子犬を一時的に入れるかごなどに入れて出産が終わるのを待ちます。入れるかごの室温は、36~37度程度に調整してください。
母犬の出産を観察しながら、子犬が産まれるごとに手早く繰り返し行います。
初期免疫を作る大切な初乳
生まれてきた子犬には、出産から48時間(理想は24時間)以内の初乳を飲ませます。新生児の子犬は初乳を飲むことで母体から移行抗体(抗体/IgGなど)をもらって初期免疫を作ります。母犬は出産後すぐ初乳が出る場合と、しばらくたってから初乳が出るなど個体差があります。初乳が出ない場合、子犬は初乳からの抗体を得られないため病原微生物に対して無防備の状態となります。生後48時間を経過すると子犬は移行抗体を受け取れなくなるため、特異的免疫グロブリン源を配合したミルクなどで補うとよいでしょう。母乳の出が悪い原因として妊娠中の栄養バランスやストレスが影響することがありますので、妊娠中のケアがとても大切です。また、動物病院で薬を使用することも考慮する必要があります。
参考:ロイヤルカナン「プロ パピー プロテック」
授乳のさせ方
普通は出産するとすぐに母性が芽生えて子犬のお世話をし始めるようになりますが、まれに母性が芽生えず子犬に興味を示さなかったり、子犬に攻撃的になったりすることがあります。出産終了後は子犬に対する母性を確認するため、目を離さず観察してください。お世話をしない場合は、母子を別々のケージに入れて、3時間ごとに母乳を与えるように促します。その際も目を離さないようにしてください。
母犬が積極的に子犬のお世話をしているようであれば、母子一緒に目隠ししたケージで休ませます。ケージ内の室温は30度程度に調整します。キッチンスケールで授乳前、授乳後の子犬の体重を測り、必ず増えていることを確認します。毎回の授乳後、陰部と肛門をティッシュペーパーなどで刺激し、排せつを促します。母乳が出ない場合は人工乳で代用します。
生後7日間は授乳を3時間ごとに繰り返し、8日目から6時間ごとにします。母性が芽生えない母犬も子犬との接触や授乳によって徐々に芽生えることがありますので、なるべく母子の接触の機会を作る方がいいでしょう。母犬の母性が芽生えないと飼い主さんの負担はとても大変なことになります。それらの可能性も覚悟しておかなければなりません。
生後21日目からは段階的に離乳を開始します。50日目くらいでドライフードが食べられるようになるのがゴールです。産後30日頃から母乳の出が悪くなったり、子犬が大きくなって必要な栄養量が足りなくなったりします。しっかり離乳のプロセスを進め、子犬に食べる喜びを学習させましょう。
離乳期間のフードの与え方
母乳と併用しながらドッグフードに慣れさせるため、最初はパピーフードをミル引きして粉状にしたり、ウェットフードをぬるま湯で緩めのペースト状にしたりして与えます。粉ミルクを少量混ぜるなどするのもよいでしょう。フードに口をつけるように促し、少しずつ食べることに慣れさせていきます。
28日目くらいから栄養補給は食べることを中心にします。フードを少し硬めの粘土状にして、1日3~4回に分けて口の中に入れて食べさせます。上あごに擦り付けるように指で口の中に入れてあげてください。始めは嫌がりますが、次第に自分から食べるようになります。
1日の実食量は、ドライフード(乾燥状態)で体重の5%が目安です。この段階から給水量にも十分な注意が必要ですが、フレッシュタイプであれば食事と一緒に水分補給ができます。どのタイプでも必ず成長期用、もしくはオールステージ対応の総合栄養食を選ぶようにしてください。例えば「PETOKOTO FOODS」は子犬も食べられる総合栄養食になっています。
35日目頃からドライフードであればぬるま湯(60度以下)で20分程度ふやかしたものを与えます。自分から食べるように促し、食べない場合は、口に入れてあげます。42日頃から少し硬めにふやかしたものにします。この時も食べないようであれば、柔らかめのものを口に入れてあげます。必ずしも硬いご飯が好ましい訳ではありません。
離乳のポイントは嫌がらせずに少しずつ慣れさせることですが、必要な栄養が取れるように十分な量を食べさせることはクリアしなければなりません。各段階とも体重測定を毎日行って成長を確認することが必要です。この期間は新生児の時に次いで手間が掛かります。
新生児の体調管理
産まれた子犬はとてもナイーブですので、体調管理に気を付けることが重要です。新生児から生後60日程度までに一番多い体調不良の原因は、栄養不足による低血糖症、水分不足による脱水症、低体温症です。子犬にこれらの症状が出るのは管理不足によるものです。毎日の体重管理、室温管理、水分量の管理、運動量など厳密な管理が必要です。
まれに新生子衰弱症候群を発現して亡くなってしまうケースがあります。症状としては、
- 母乳を吸わない。
- 鳴き続けたり動き回ったりする。
- パクパクと口を開け続ける。
- チアノーゼ(顔や口内が紫色)。
犬の新生児のワクチン接種
冬場に出産する場合の理想ですが、生後21日目と35日目に犬用3種混合鼻粘膜投与不活化ワクチンを投与します。このワクチンは、犬アデノウイルス(2型)感染症、犬パラインフルエンザおよび犬ボルデテラ感染症の発症予防となります。冬場は、パラインフルエンザやケンネルコフなどが流行しやすいための予防処置となります。ワクチンのプログラムは動物病院によっても違うため、適宜相談しながら行いましょう。生後50日目と80日目と110日目に混合ワクチンの接種を行います。混合ワクチンは5種〜9種など複数あり、適応する感染症範囲に違いがあります。市街地で飼育する場合は5種を頻繁に、アウトドアで自然環境に触れる機会が多ければ対応範囲の広い9種などを選択するといいでしょう。ただ、最近は市街地でもレプトスプラ症が届出されたという報告が出ていますので、かかりつけ医としっかりと相談が必要です。
ワクチンには、生ワクチンと不活性ワクチンがあります。いずれの場合も病原体を体内に入れて抗体を作るため、副作用が伴います。対応範囲が広ければ副作用の可能性も高まりますので、多く打っておけばいいというわけではありません。適切な範囲のワクチンを選択するのがいいでしょう。
感染症の名前 | 特徴 | 5種 | 7種 | 8種 |
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ジステンパー感染症 | この病気にかかった犬に接触したり、ウイルスが含まれた排泄物や空気によっても伝染します。最初は風邪に似た症状を見せ、体をだるそうにして咳や鼻水が出ます。やがて重症になると痙攣を起こし、死に至ります。 | ◯ | ◯ | ◯ |
パルボウイルス感染症 | 生後3カ月以内の子犬は心臓の筋肉が侵され、急に呼吸困難を起こして死亡することもあります。子犬がこの病気に感染すると食欲が減退して元気が無くなり、やがて激しい下痢と嘔吐がみられ、血便が出ます。 | ◯ | ◯ | ◯ |
伝染性肝炎(アデノウイルス1型) | 子犬が突然死んでしまったり、高熱、食欲減退、嘔吐、下痢、血便、血尿があるなど症状はさまざまで、肝臓が腫れます。 | ◯ | ◯ | ◯ |
伝染性肝炎(アデノウイルス2型) | 頑固な咳と発熱が続きます。重症になると、鼻水が出たり、白い泡を吐きます。 | ◯ | ◯ | ◯ |
パラインフルエンザ | 乾いた咳や鼻水、扁桃炎などの症状が出ます。他の細菌やウイルスと混合感染すると症状が重くなります。 | ◯ | ◯ | ◯ |
レプトスピラ感染症(黄疸出血型、カニコーラ型) | 症状は三つのタイプに分かれ、食欲が減退して元気が無くなり、血尿や血便がみられるものの、喉の粘膜などが黄色くなるもの、腎臓に障害(尿毒症)が現れるものがあります。 | − | ◯ | ◯ |
コロナウイルス感染症 | 食欲不振、嘔吐、下痢などの症状が起こります。パルボウイルスと合併すると症状が重くなり、死に至ることもあります。 | − | − | ◯ |
その他の予防措置としては、内部寄生虫対策として定期的に虫下しを与える定期駆虫などが推奨されています。3カ月未満の幼齢犬は、元気そうに見えても成犬と比べて免疫や体力が弱いため、感染症や体調不良となる可能性が高く、十分な観察や予防措置を厳密に行う必要があります。
産後の母犬のケア
出産から授乳期は、母体に十分な栄養を取らせる必要があります。乳児に必要なたんぱく質やカルシウムが豊富なフードを選択し、通常よりも20%程度増量して与えましょう。体重の2.5%を目安としてください(ただし標準体型を基本として算出)。
胎盤に注意
胎児を出産した後、胎盤が胎児のへその緒につながった状態で出てきます。胎児を出産して間もなく自然に出てくるのが普通ですが、体内に残ることがあり、子宮の収縮とともに数日してから出てくることもあります。1週間程度しても出てこない場合は、獣医師の診察を受けておいた方がいいでしょう。出産後しばらくして発熱、嘔吐、食欲不振、元気が無いなどの症状が現れた場合も、直ちに診察を受けてください。最悪の場合は、摘出しなければならないケースもあります。母犬が胎盤を食べようとすることがありますが、これは自然界で血液臭により外敵が寄ってくることを防ぐためと考えられています。胎盤を食べると嘔吐や下痢をすることもあるため、すぐに片付けてしまうほうがいいでしょう。
産後のシャンプーやトリミングは?
シャンプーやトリミングは想像以上にストレスが掛かります。ストレスによって母乳が止まってしまうことがあるため、離乳が完了するまでは控えましょう。子育て中は長期間にわたりシャンプーができないため、妊娠中の安定期(交配日から45日頃)に短めにトリミングしておくといいでしょう。愛犬の二世を考えるなら専門家に相談を
犬は出産1回で5〜10匹を産む
出産適齢期は成熟してから6歳まで
子犬だけでなく母犬のケアも重要
必ず専門家に相談して進める
出産は種の保存のための自然な営みです。愛犬の出産は二世との素晴らしい出会いでもあります。しかし、安全な出産には産前産後の健康管理や妊娠中のケア、子犬のお世話など苦労や心配が伴います。産まれてからも子犬の生涯に責任を持たなければなりません。愛犬の出産は十分な覚悟と準備が必要であることをよく考えてください。
今回は犬の出産について、一般的に想定できるケースを紹介しました。母体の状態や体質、性質などの違いによって状況は大きく異なります。真剣に二世を考えるなら、専門家に相談した上で進めていただくことをお勧めします。
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