【トレーナー執筆】犬が吠える7つの理由とシチュエーション別にやめさせるためのしつけ方

【トレーナー執筆】犬が吠える7つの理由とシチュエーション別にやめさせるためのしつけ方

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犬の吠えは意思表示の一つです。しかし、過剰な要求吠えや興奮吠えをはじめ、人や物音への警戒吠えがうるさくなると、家族だけでなく、他人へも迷惑をかけてしまいます。そうならないよう、犬が吠える理由をきちんと理解し、しつけを行いましょう。今回は犬の吠えについて、ドッグトレーナーの西岡が解説します。

犬が吠えるのは当たり前

興奮して吠える犬

犬はそもそも「吠える」動物です。私たちの先祖たちは犬の吠えるという行動にメリットを感じ、猟犬や番犬としての役割を与え、共に生活してきました。うるさいと怒るのではなく、まずそのことを理解してあげてください。

現在は「家族」として生活を共にするようになり、犬に仕事としての役割を求めることがなくなりました。

吠えることを求められた犬は、現在も吠えるという性質を残しています。そのため、興奮吠えや要求吠え、警戒吠えなどは、しつけとして「吠えなくてもいいこと」と教えてあげる必要があります。

そのためには、どのタイミングで吠えるのかを確認し、なぜ愛犬が吠えているのかを考えることが大切です。

犬が吠えやすい犬種

袋に隠れるチワワ

前提として、犬は多かれ少なかれ吠える動物です。環境や犬の性格によっても吠えやすさというのは異なります。

その中でも吠えの行動が出やすい犬種は「柴犬」や「ダックスフンド」「テリア」「ビーグル」などの猟犬といわれる犬種の犬たちです。

もともと犬種としての気質が強く、「動くものに反応する」「番犬として縄張り意識が強い」などの理由から吠えという行動が出やすいといえます。

その他、プードルやチワワ、パピヨンなどの小型犬も、大型犬に比べて、身を守るために吠えやすい(警戒吠え)傾向にあります。

犬が吠える理由

警戒している犬

犬が吠える理由01:警戒吠え

犬が吠えるきっかけとして最も多いのが「警戒吠え」です。警戒吠えのタイミングは犬によってさまざまで、何に対して恐怖心を抱くかによって異なります。

人が好きな犬は人に対して警戒して吠えることはほとんどありませんが、人が苦手だったり嫌いだったりする犬は、人に対して警戒吠えをします。

来客時に吠える原因も、警戒吠えが1番多いでしょう。知らない人が自分のテリトリー(縄張り)に入って来ようとしていることへの警戒から吠える行動になります。

犬が吠える理由02:興奮吠え

犬同士や飼い主さんと遊んでいる時に犬が吠えるのは、嬉しくて興奮している可能性があります。一方、怒りで興奮して吠えることもあるため、判断を間違えないようにしましょう。

散歩中などでの他の犬や通行人に吠えるのも、遊びたくての興奮吠えのケースが多いです。

来客時に吠える原因として「警戒吠え」以外にも、人が来ることが嬉しくて期待感から吠える犬もいます。愛犬がどんな様子で吠えているかを、よく観察してみてください。

犬が吠える理由03:遠吠え

遠吠えをしない犬もいますが、なかにはオオカミのように仲間とのコミュニケーションとして遠吠えをする犬もいます。

まれに、救急車やパトカーなどのサイレン音に反応して遠吠えする犬がいますが、一説によるとサイレンの音の周波数と遠吠えの周波数が似ているために反応するようです。

犬が吠える理由04:要求吠え

犬と人との関係に生まれた吠えで「要求吠え」と呼ばれています。吠えている、もしくは鳴いている理由がわからない飼い主さんが、おやつをあげたりケージから出してあげたりすることで学習する吠えです。

犬は賢い動物のため、飼い主さんの動きや言葉などよく観察し、物事の前後を関連付けて学習しています。

「飼い主に吠えたらおやつがもらえる」と思えば、おやつが欲しいと吠えるようになり「ケージの中で吠えれば出してもらえる」と思えば、出して欲しいと吠えるようになります。

犬が吠える理由05:痛みや病気がある

犬が吠える理由は外的要因だけではありません。体のどこかに痛みがあったり、認知症などの病気により吠えることもあります。

吠えるタイミングに共通点がなかったり、吠える以外に体調不良があって犬がずっと吠えるようになった場合、病気や怪我の可能性があるため獣医師に相談しましょう。



犬が吠える理由06:ストレスが溜まっている

ストレスが溜まった結果として、犬が吠えるという行動に出ることがあります。一例として、雨が続いてずっと散歩に行っていない、何日も続けて長時間留守番させているなどの場合、ストレス行動が表れます。

ストレスを放っておくと、問題行動が癖になったり、違う病気に発展したりする恐れがあるため、ドッグトレーナーや獣医師に相談しましょう。

そして何よりストレスを発散させることが大事です。とにかくいっぱいお散歩に連れていき、運動や遊びをしっかりさせてあげたいですね。

悪天候で外出できないときは、ノーズワークなど、室内でのおもちゃを使った遊びを行い、しっかり発散させてあげてください。



犬が吠える理由07:難聴

老犬になり聴力が衰える、または聴覚障害の犬は突然吠えることがあります。

呼び声や大きな音にも反応しない場合には、一度獣医師さんに相談してみることをおすすめします。

犬が吠える場合の考え方

吠える柴犬

犬が吠える理由として「警戒吠え」「興奮吠え」「遠吠え」「要求吠え」を挙げました。それらが状況によって過剰になることにより「無駄吠え」になります。

無駄吠えは、場合によっては深夜に吠えることで近隣から苦情がくるなどトラブルになる恐れもあり、飼い主にとっても大きなストレスになるため、問題行動の一つとして対策が必要です。

犬の無駄吠えのトレーニングは時間がかかるため、できるだけ早く、かかりつけの獣医師やドッグトレーナーに相談することをおすすめします。



犬が吠えるシチュエーション別のしつけ方

無駄吠えの中でも、シチュエーションによって原因としつけ方が異なるため、シチュエーション別に解説します。

チャイム音で犬が吠える場合

チャイムに吠える犬
「チャイムが鳴ると誰かが来る」と犬が認識している状態のため、「チャイムが鳴っても何も起きない」と学習させる必要があります。

まずはチャイムが鳴っても、飼い主さんは無反応でいることが大切です。

チャイムが鳴っても何も起こらず、飼い主さんも無反応でいると、徐々に犬も落ち着いてきます。完全に落ち着いたらご褒美をあげましょう。

そうすることで「チャイムが鳴っても、吠えないでいたらご褒美がもらえる」という学習が身についていきます。

人が部屋に入ってきたときに犬が吠える場合

人が部屋に入ってきたときに吠える場合は、嬉しくて吠える「興奮吠え」と、怖くて吠える「警戒吠え」があります。

吠える原因によって対策が異なるため、それぞれ見ていきましょう。

興奮吠えのトレーニング

クレートに入る犬
愛犬が来訪することで喜ぶ家族、友人に協力してもらう必要があります。

まず、協力者にチャイムを鳴らしてもらい、チャイムの音に興奮せずに落ち着いていられるようになったら、一度クレートに入れましょう

協力者が部屋に入ってきたときも、クレートの中で落ち着いていられるようにします。クレートの中で吠えずに落ち着いていられたら、出して遊んであげます。

これらを何度も繰り返すことによって、大好きな人が来ても過剰な興奮吠えが落ち着いてくるでしょう。

警戒吠えのトレーニング

警戒吠えをする犬
見知らぬ人に警戒して犬が吠える場合、愛犬が落ち着くまで無反応で待ちましょう。

愛犬が落ち着いたら、警戒している相手からおやつを渡してもらい、少しずつ警戒している気持ちを和らげてあげてください。

以上を何度も繰り返すことで、警戒吠えが少しずつ減少していくでしょう。

要求吠えで犬が吠える場合

要求吠えする犬
例えばごはんへの要求吠えの場合、吠えているときにごはんを与えてしまうと「吠えればごはんがもらえる」という学習をしてしまいます。

そのため、吠えずに落ち着いているときにごはんを与えるようにしましょう。

そうすることで「静かにしていたらごはんがもらえる」と学習していきます。

犬が吠える場合のしつけのポイント

吠える柴犬

犬が吠えることをやめさせることは、根気が必要です。難しいと思った場合は無理せず、トレーナーを頼りましょう。PETOKOTOのYoutubeには無駄吠えなどの他、トレーニングやケアの動画があるので、参考にしてみてください。

吠えさせない環境作り

例えば窓から小学生の登下校が見えて犬が吠えるなら、その時間はケージに入れたりカーテンを閉めたりするなど、見せないようにすることも有効的です。

チャイムの音に反応するなら、チャイムが聞こえない部屋やクレートに入れて、音が聞こえにくくするなどの対策ができます。

「チャイム=来客」として認識しているケースも多いので、トレーニングとしてチャイムをわざと何度も鳴らし、チャイムが鳴っても「何も起こらない」と学習させるのも一つの手です。

無視することも大切

嬉しくて犬が吠える場合は、落ち着くまで無視しましょう。

吠えられても飛びつかれても無視して、別の部屋に行くなどして犬が落ち着くのを待ちます。落ち着いたと思ったら、声をかけて撫でたり遊んだりしてあげてください。

アイコンタクトを強化する

アイコンタクトの練習をして、名前やコマンドを言われたら飼い主さんを見ることを意識させ、吠える対象物から注意を逸しましょう。最初はおやつなどを使っても良いです。

愛犬より先に吠える対象に気づくことも重要です。



指示を与えて吠えさせない

「環境づくり」や「アイコンタクト」とも似ていますが、吠えられないように別の指示を与えることで、吠えを回避することもできます。

伏せや横になる姿勢になる指示を出したり、おもちゃ欲が強い子ならば、おもちゃを咥えるように指示を出したりすることで、物理的に吠えるという行動をできなくさせることも一つの方法です。

犬が吠えることへのトレーニングにおすすめ

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犬が吠えるのは犬の意思表示

口を大きく開ける犬

犬は吠える動物です
犬が吠える場合、なぜ吠えているのか考える必要があります
犬の無駄吠えは早めの対策が必要です

犬にとって吠えは、犬や人とのコミュニケーションツールの一つです。吠える行動がそのものが悪いわけではありません。

吠える理由やタイミングはそれぞれですが、必ず意味があって吠えています。うるさいと思って叱っても、逆効果になることも。

愛犬が何に対してどういった気持ちで吠えているのかを考え、その吠えを飼い主がちゃんとコントロールできるようにトレーニングできるといいですね。