犬が発情期を迎えたら?メスのヒート(生理)やオスの発情行動をプロが解説

Share!

発情とは、犬が種を維持するために起こる自然な現象です。発情期は愛犬も心と体にストレスを感じることもあるため、飼い主さんがしっかり理解し、適切な対応をしてあげることが大切です。今回は犬の発情期について、メス・オスの発情行動の違いや、時期、対処法などを、トイプードル専門ブリーダー「といぷーはうす」の上田が解説します。

犬の発情期とは

伸びをする犬

オスとメスの発情期の違い

発情期とは、オスとメスが交配することで妊娠が可能な時期を指します。

オスは発情期という時期はなく、成熟して交配できるようになると、発情したメスのフェロモンに反応して発情します。

一方メスは、繁殖のために必要な排卵へ向かう状態であり、発情中のメス犬は以下のような普段と違う様子を見せます。

  • 落ち着かない
  • 食欲が無い
  • 不安そう
  • オスの近くへ行きたがる

体が「妊娠できる状態」になっていて、ホルモンバランスがいつもと異なるためストレスを感じやすく、神経質になることもあります。

メス犬が発情する時期

メスが発情する時期は、以下のような2つの説があります。

  • 季節と関係して春(3~5月)と秋(9~11月)にそれぞれ1回発情する
  • 季節に関係なく5~8カ月の間隔で発情する

犬の性成熟する時期

小型犬の場合、生後12カ月~18カ月で成熟します。大型犬の場合は、少し遅く24カ月くらいで成犬となります。

成熟の3~6カ月前になると、メスは最初の生理を迎えます。初めての生理の時期は個体差があり、体格の小さな犬は、比較的遅い傾向がみられます。

最初の発情期はまだ成長過程であるため、交配する場合は2回目以降の発情期に行うほうがが望ましいです。

オスの場合も同じ頃から、メスのフェロモンに反応するようになり、2km以内にいるメスのフェロモンを感じ取れるようになります。

オス犬の発情期の変化

ゲージの中であくびをする犬

メスのフェロモンに反応したオスの行動として、遠吠えやマーキングが見られます。

遠吠えは、自分がいる場所をメスに知らせるためにする行動です。マーキングは、自分の縄張りを示しメスに自分の存在を知らせるために行います。

そのほか、マウンティングが見られたり、普段温厚な性格の犬が、攻撃的になったりすることもあります。

メス犬の発情期の変化

トイプードル

メスは発情期になると、ホルモンの影響によって体調や行動にさまざまな変化が見られます。

ヒート(生理)と発情期の関係

発情前期になると、受胎の準備としてヒート(生理)が始まります。

生理は、陰門からの出血がみられることが普通ですが、発情しても出血しないこともあります。

生理が始まった日から10日目前後が排卵日で、受胎可能な状態となり、受胎の準備ができると発情期となります。

ヒート(生理)と発情期のプロセス

犬の発情期の周期

標準的には上の図のようなプロセスを踏みますが、生理から排卵日までの期間は個体差や体調によって異なります

見た目には、陰門の発赤や腫大がみられ、発情前期の終わりから発情期の初期にかけてピークを迎え、排卵後に縮小して発情後期となります。

偽妊娠するメス犬もいる

布団に隠れる犬

犬の性ホルモンの影響で、偽妊娠が発現することがあります。

個体差がありますが、主に「乳汁の分泌」「食欲不振」「巣作り」「攻撃的になる」といった様子がみられることがあります。

発情期の4~6週間後にみられ、おおむね10~15日間で終了します。

偽妊娠については諸説あり、正常な生理反応であるという見解と、ホルモン異常であるという見解があり、明確には解明されていません。


犬の発情期の注意点

散歩中の犬

特に注意が必要になるのは、発情期の免疫低下による感染症です。

発情期は、ジェスタージェン(プロゲステロン)の分泌や発情のストレスにより、コルチコステロイドが分泌されます。これらのホルモンによる免疫抑制作用の影響を受け、免疫機能が低下します。

ドッグラン、トリミングなどの利用

この時期は細菌感染のリスクが高まることから、トリミングサロンの利用や、他の犬との接触は控えたほうが良いでしょう。

また、不慮の妊娠を避けるため、あるいは周囲のオス犬たちの争いを避けるため、ドッグランの利用も控えましょう。多くのドッグランでは、発情中の利用を制限しています。

犬の発情期に起こる行動の対処法

犬

犬の発情期の行動変化には、個体差が大きく出ます。そのため、愛犬の反応によって対処方法もさまざまです。

例えば、散歩に行きたがらない場合は無理に行く必要はありません。ケージから出てこないときはそっとしておいてあげましょう。

不従順になることもあるため、この時期のしつけやトレーニングはお休みしたほうが良いでしょう。食欲不振になることもあるため、ドライフードならふやかすか、食べやすいウェットフードを与えることもおすすめです。


犬の避妊・去勢手術

診察を受けるラブラドールレトリバー

発情は、メスの場合は避妊手術をすることでなくなります。オスの場合は、去勢後もマウンティング行動が残ることもあります。

将来的に子犬を産ませることを考えていないのであれば、生殖器系の病気を予防するために避妊・去勢手術をおすすめします。


メスのヒート(生理)中のケアグッズ

生理中は、出血で室内を汚してしまうことがありますので、マナーパンツ(サニタリーパンツ)を使用すると良いでしょう。

マナーパンツは出血で汚されないこと以外にも「オスの反応を抑える」「不慮の妊娠を避ける」ことに効果的です。

ヒート(生理)に気が付いたときから、出血が収まった1週間後まで利用します。

マナーパンツを長時間つけたままにすると、雑菌の繁殖によって感染症を起こす恐れがあるため、こまめに交換してあげましょう。

また、マナーパンツを履いていることで、ウンチがしにくかったり、我慢したりすることもあります。そのためケージに入れているときは、マナーパンツを脱がせてあげるなどの工夫が必要です。

小型犬用サニタリーパンツ
Amazonで見る

まとめ

眠る犬

発情期は、動物が種を維持するための自然現象
メスが発情することで、オスが反応して発情する
発情期は、感染症を防ぐため他の犬と接触しないようにする
メスは避妊手術をすることで発情しなくなるが、オスはマウンティング行動が残ることも

少し手が掛かることもありますが、飼い主さんが愛犬の発情期を理解することで適切に対処することができます。

発情期は愛犬もイライラや不安感などのストレスを感じることがあります。いつも以上に優しく接してあげてくださいね。