
犬のシャンプーの頻度や自宅でのやり方をトリマーが動画で解説!おすすめシャンプーも紹介【おうちケア】
犬のシャンプーは体を清潔にするための大切なケアです。いつから始めるべきか、頻度や温度はどのくらいか、サロンでの料金目安から、自宅で行うシャンプーのやり方などを、国内海外で15年以上の経験を持つ現役トリマーの大森先生が動画で紹介します。また、トリマーおすすめシャンプーも紹介します。
犬のシャンプー基本知識

子犬のシャンプー開始時期
パピー(子犬)は体調の変化が多く、自宅では部分洗いなど最低限のシャンプーをおすすめします。トリミングサロンにシャンプーを依頼するのはワクチン接種がすべて完了してからにしましょう。免疫力がないままシャンプーをすると体に負担がかかってしまいます。
犬のシャンプーの頻度
個体差はありますが、成犬であれば月に1回はシャンプーをしてあげましょう。人間と同じで、犬も体を洗わずにいると、体臭や皮脂、汚れなどが目立ってきます。清潔を保つことはもちろん、皮膚炎やフケを防ぐなど健康のためにも大切です。
ただし、シャンプーをしすぎると肌荒れになってしまう可能性もあるため、やりすぎは禁物です。
トリミングサロンでの犬のシャンプーの料金目安
トリミングサロンでシャンプーする場合、地域により差はありますが、小型犬だと2000円、大型犬だと6000円くらいが目安です。自宅で愛犬にシャンプーをするやり方
用意するもの
- 犬用シャンプー(愛犬に合ったシャンプーを選んでください)
- スリッカーブラシ
- コーム
- スポンジ(泡立てる用)
- 桶
- タオル
- ドライヤー
ブラッシングの仕方は以下の関連記事をご覧ください。
\動画を見てチャレンジ!/
- ブラッシングで準備
- シャワーで体を濡らす
- 顔を濡らす
- シャンプーで体を洗う
- 顔を上向きにして洗う
- リンスを同様に
- シャンプーを洗い流す
- タオルで水分を拭き取る
- 毛を乾かす(ブロー)
Step1. ブラッシングで準備
シャンプーをする前に、スリッカーブラシでブラッシングをし、毛のもつれや汚れを落としましょう。これにより、皮膚にシャンプーが浸透しやすくなります。
Step2. シャワーで体を濡らす

シャワーで体全体を濡らしていきます。
▶最適な温度は37度前後
シャワーの温度は37度前後が適切です。人が「ぬるいかな?」と思うぐらいの温度設定にましょう。季節や犬種によっても温度調整が必要です。
▶上手な体の濡らし方
シャワーヘッドを犬の体に当てながら部分ごとに濡らしていきます。いきなり心臓の近くや顔からシャワーヘッドをあてると体がびっくりしてしまいます。心臓から遠いお尻をスタートに、少しずつ移動させて濡らしていきましょう。
順番は、お尻〜尻尾〜背中〜体〜胸〜四肢〜顔が一般的です。
\One Point!/ヘッドは体に当てる
シャワーヘッドを体に当てないで濡らしていくと、シャワーの音を嫌がったり、しっかりと皮膚や被毛にお湯が浸透しなかったりします。シャワーヘッドをしっかりと体に当てるのがポイントです。
Step3. 顔を濡らす
顔周りは嫌がる犬が多いので、スポンジにお湯を含ませ絞りながら濡らしてあげましょう。
目やになどが固まって付いている場合、しっかりと濡らしてふやかしておくと目やにがシャンプーの時に取れやすくなります。
Step4. シャンプーで体を洗う
最初に、シャンプー剤を洗面桶の中で泡立てます。
きめ細やかに泡立てることで、泡が汚れを吸着し汚れが浮き上がりやすくなります。スポンジを使用し洗面桶の中でしっかりと泡立てましょう。

次に、泡を体全体に付けていきます。
指を軽く立てて地肌をマッサージするように洗っていきます。足の指の間、脇、足の内股、陰部や肛門周りなどは汚れやすいので、重点的に洗いましょう。
Step5. 顔を上向きにして洗う

できるだけ鼻に入らないよう顔を上向きにして洗います。耳は特に脂っぽい部分なので、しっかりと洗いましょう。
固まった目やにをふやかしながら洗う場合、コーム(くし)を使って目頭から鼻先にむかってとかしながら、目やにを取っていきます。目にシャンプーが入らないように注意しましょう。
\One Point!/シャンプーの選び方
全犬種用や長毛種用など愛犬の特徴に合ったシャンプー剤を選んであげてください。また、肌質に合ったものを使うのも大切です。- 乾燥肌:保湿効果の高いシャンプー剤
- オイリー肌:爽快感のあるシャンプー剤
- アトピーや肌荒れ:薬用のシャンプー剤
※犬の肌は人間よりも薄いため、刺激の強い人間のシャンプーは使用しないでください。
Step6. リンスを同様に

リンスは洗面桶の中でお湯によく溶かし、体にゆっくりとかけて浸透させていきます。
リンスの場合は、顔はつけなくて良いです。
全体にかけたら、指の腹でゆっくりと体をマッサージするように、リンスをしっかりと浸透させます。全体に行き渡ったら、シャワーで洗い流しましょう。
Step7. シャンプーを洗い流す

濡らしていった順番とは逆に、顔から流していきます。順番は、顔〜耳〜胸〜背中〜体〜四肢〜尻尾です。
体の高い位置から毛並みに沿って流していきます。顔は上に向けて鼻にお湯が入らないように流してあげてください。
濡らすときと同様に、顔周りを嫌がる場合はスポンジにお湯を含ませてシャンプーを流していきます。
\One Point!/目の周りはよく流す
顔に残ったシャンプーはしっかり流さないと、目にシャンプーが染みて赤くなったり目がしょぼしょぼと開かなくなったりしてしまう場合があります。全身を流してすすぎ終わった後、もう一度、目をすすぎ流しておきましょう。
Step8. タオルで水分を拭き取る

タオルで水分を拭き取る前に、犬をブルブルさせて水分を飛ばします。
ブルブルしない場合は、耳に息を吹きかけてあげるとブルブルしてくれます。その後、タオルで全身の水分を拭いていきます。
▶短毛種の乾かし方
短毛種の場合、乾かしづらい指の間、鼻周りなどをしっかり拭いておくと乾燥が早くなります。吸収タオルを使えば体の水分を吸収した後、絞ってまた拭くことができるので、効率的に乾かすことができます。長毛種の場合は、水分を拭き取りすぎてしまい毛がくるくるになるので、あまりオススメできません。

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▶長毛種の乾かし方
長毛種の場合、ワシャワシャと水分を拭き取ると毛が絡まりやすくなります。また、自然乾燥してしまうと毛がクルクルになり、キレイに乾かないことがあります。タオルで軽く拭いた後、体全体をタオルで覆います。次に、乾かしたい部位のタオルをめくって乾かしていきます。このとき、他の部位はタオルで覆ったままです。
Step9. 毛を乾かす(ブロー)

シャンプーとブローはセットです。洗った後は必ず行いましょう。
一般的な乾かし方の順番は、お腹〜背中〜体〜四肢〜顔〜耳〜尻尾です。
※犬種(毛質)や犬の年齢、体調などによって順番は変わるため、乾かす際の参考にしてください。
内臓を冷やさないようにまずはお腹から乾かしていきます。特にシニア犬や子犬の場合はお腹から乾かすようにしてあげてください。
ドライヤーを動かしたり手で乾かしたりすると根元からしっかり乾かせないため、スリッカーブラシを使用して一カ所ずつ乾かしてあげると良いでしょう。長毛種の犬種は、毛がふわふわな仕上がりになります。
\One Point!/上手な乾かし方
ドライヤーの風を皮膚にしっかり当てながら、毛の根元から毛先に向かって乾かしていきます。それにより、半乾きや毛玉を予防できます。近すぎるとヤケドの原因になるので、顔を乾かす時は風量を弱めましょう。また、風を正面からではなく後ろから当ててあげると嫌がらないです。
全身乾かし終えたら、冷風で乾かしましょう。乾かし残しがないか確認してみてください。
半乾きの場合、皮膚炎やニオイの原因になります。
シニア犬のシャンプーの注意点

シャワーの温度は、少し低い35度くらいのぬるま湯にしてあげて、その時の気候や体調によって変えてあげてください。
時間はできるだけ短くし、心臓に負担をかけないように洗ってあげましょう。
シャンプーは犬の体に負担がかかる作業です。こまめに舌や歯茎の色が白くなっていないかなどを確認し、短時間でシャンプーを終わらせてあげましょう。
犬がシャンプーを嫌がる原因と克服策
シャワーの音が怖い
最も多い理由は、シャワーの音がうるさくて怖いからです。決して水が嫌いというわけではなく、犬は音に敏感であるため、小さい頃からシャワーの音を聞き慣れていないと、シャーっという音が怖いのです。克服方法としては、シャワーを使わずバケツにお湯を入れて体を洗ってあげるか、体にシャワーヘッドをつけるようにして洗い流すと良いでしょう。次第に慣れ、怖がることなくシャワーでも洗えるようになります。
シャンプーの香りが苦手
シャワーの音だけでなく、香りが不快で嫌がる犬もいます。色々なシャンプーを試しながら、愛犬に合ったシャンプーを見つけることから始めると良いでしょう。トリマーが選ぶおすすめの犬用シャンプー
愛犬の体や好みに合ったシャンプーが一番ですので、あくまで目安として参考にしてください。今回は、香りが持続しやすいシャンプーを選んでいます(薬用シャンプーに関しては肌のケアを重視しています)。シャンメシャン / 自然のシャンプー
泡立ち、泡切れが良く、おうちで洗いやすいシャンプーです。さっぱりした仕上がりなので、乾燥肌の犬や、乾燥しやすい冬には違うシャンプーが良いかもしれません。
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A.P.D.C. / ティーツリーシャンプー
アロマのティーツリーを使用しており、爽やかな香りです。6つの植物成分と紅藻エキス&植物性ヒアルロン酸が、愛犬の皮膚と被毛をやさしく洗い上げ、被毛をふんわりしなやかな仕上がりに。
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ゾイック(ZOIC)/ スピーディワントリートメントシャンプーP プードル250ml
低刺激アミノ酸系ベースで肌にやさしいシャンプーです。泡立ちも良く、高い洗浄力が人気の理由。
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ノルバサン / 動物用医薬部外品シャンプー 0.5(236ml)
低刺激なので子犬にも安心です。酢酸クロルヘキシジンがカビや細菌から皮膚・被毛をケアします。コンディショナー配合により、ふんわりしなやかな仕上がりに。
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犬種・特徴別のシャンプーの注意点

ダブルコートの犬の場合
柴犬や秋田犬、コーギーなど毛が密なダブルコートの子は、シャンプー剤が皮膚に浸透するよう、しっかり地肌まで濡らしてからを付けて洗うようにしましょう。短毛種の犬の場合
チワワ、ダックスフンドなど短毛種の場合は、乾かしづらい指の間、鼻周りなどをしっかり拭いておくことにより、乾燥が早くなります。長毛種の犬の場合
トイプードル、マルチーズ、ヨークシャーテリア、ミニチュアシュナウザーなどの長毛種は子犬の場合、特に毛が細く柔らかいためしっかり乾かさないと毛もつれや毛玉になってしまいます。スリッカーブラシを使ってドライヤーで当てながら乾かしたあと、コームで毛が絡まっていないか確認するようにしてください。そのまま自然乾燥させてしまったり、手で乾かしたりすると毛玉の原因になります。
短頭種の場合
パグ、フレンチブルドッグ、ボストンテリアなど短頭種の場合、他の犬種よりも鼻が低いため水を嫌がりやすい傾向にあります。シャワーを嫌がる場合は、スポンジを使って優しく濡らしてあげるようにしてください。まとめ

トリミングサロンでのシャンプーはワクチン接種が完了してから
月に一度はシャンプーを
サロンでのシャンプーをおすすめするが、お家でシャンプーも可能
お家で行う場合は、ポイントを事前にチェック
シャンプーもブローも できるだけ手早く
シャンプーは、愛犬と飼い主お互いが気持ちよく生活するために大切なケアです。おうちでシャンプーをすることで愛犬とのコミュニケーションを深めるのも良いですね!