犬の肺動脈狭窄症 | 症状や原因、治療・予防法など認定医が解説
犬の肺動脈狭窄症(はいどうみゃくきょうさくしょう)は、先天性心疾患であり、心室流出路障害を起こす疾患の一つです。今回は、肺動脈狭窄症にかかりやすい犬種や原因、症状などについて白金高輪動物病院・中央アニマルクリニック顧問獣医師で獣医循環器認定医の佐藤が解説します。
犬の肺動脈狭窄症の基礎知識
先天性心疾患であり、心室流出路障害を起こす疾患の一つです。発生頻度は高い疾患でもあります。分類としては弁性、弁上部、弁下部に分類され、弁性狭窄が一番多いとされています。通常血液は右心室から肺へ何の問題もなく血液が流れます。しかし、血液の通り道であるどこかに狭窄部分があると、血液の流れは著しく悪くなり心臓へ負担が生じる疾患です。かかりやすい犬種
先天性心疾患の中で20.8%の頻度で発生しています。- ビーグル
- キースホンド
- イングリッシュブルドック
- スコティッシュテリア
- サモエド
- ミニチュアシュナウザー
- ウェストハイランドホワイトテリア
- チャウチャウ
- フォックステリア
- コッカースパニエル
- マスティフ
かかりやすい年代
- 先天性
症状
- 軽度は無症状
- 重度になると、発育不良、失神、運動不耐性、チアノーゼ、腹水
原因
- 先天性
検査・診断
- 身体検査による聴診で心雑音が聞こえる
- 心臓超音波検査により、確定診断
- レントゲン検査
- 血液検査による心臓バイオマーカー
治療
- ACE阻害薬、β遮断薬、スピロノラクトンなどの内科療法
- インターベンション治療によるバルーン拡張
- 外科手術による右室流出路拡張術
予後
- 軽度であれば良好
- 重度の場合、治療に応じ異なる
予防
- 早期発見早期治療が望まれる