【トレーナー・獣医師監修】グレートピレニーズってどんな犬?性格・特徴・育て方・迎え方
グレートピレニーズは柔らかい毛を持ち、人々を癒やすパートナーとして活躍しています。見た目の優美さと賢さから昔は王室でも飼われていました。今回は、グレートピレニーズの性格や気を付けるべき病気などを紹介します。
グレートピレニーズの基礎知識
英語表記 | Great Pyrenees / Pyrenean Mountain Dog |
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原産国 | フランス |
サイズ | 大型犬 |
体高 | 約65~80cm |
体重 | 約39~57kg |
寿命 | 約10~12年 |
グレートピレニーズは、地域によってさまざまな呼び方があります。
アメリカと日本では「グレート・ピレニーズ(Great Pyrenees)」と呼ばれ、イギリスなどヨーロッパでは「ピレニアン・マウンテン・ドッグ(Pyrenean Mountain Dog)」と呼ばれています。
グレートピレニーズの歴史
原産地はフランスで、昔からフランス南部のスペイン国境に近いピレネー山脈におり、フランス語で「ル・シアン・ドゥ・モンターニュ・デ・ピレネー(Le chien de montagne des Pyrénées)」、あるいは「ル・シアン・デ・ピレネー(Le chien des Pyrénées)」と呼ばれています。家畜を狼などからの襲撃から守るために用いられていましたが、17世紀には伴侶犬として活躍し、ルイ14世に飼育されていたといわれています。
グレートピレニーズと似た犬種
グレートピレニーズはイエイヌの中でも原種的な部類に属し、ほかの犬種に血統を分けたことでも有名です。純白とは反対の黒い毛を持つ「ニューファンドランド」や、絶滅の危機に瀕していた「セントバーナード」などを絶やさないために交配が行われました。
ニューファンドランド
カナダのニューファンドランド島が原産で、泳ぎが得意な超大型犬です。バイキングが連れてきたグレートピレニーズが祖先だといわれています。
セントバーナード
スイスが原産で体重100kgを超えることもある超大型犬です。
クーバース
クーバースはグレートピレニーズと似た外見ですが、祖先はトルコを原産とする「アクバシュ」です。マズルが先細っていくのが特徴です。
グレートピレニーズの毛色
グレートピレニーズは白が基本の毛色となっていて、ほかにもグレーや薄いイエローなどの色が混ざっている場合があります。頭部や耳、尾のつけねにオレンジなどのまだらが見られることもあります。
基本の白色
ほかの色が混ざっている例
グレートピレニーズの特徴・性格
大型犬の中でも特に大きく、堂々とした外見をしています。その外見にも劣らない優雅さと賢さも持ち合わせており、身を覆う純白な毛が特徴的です。寒さに強く毛量が多いため、夏は熱中症に気を付けなければなりません。
かつて家畜を狼などの襲撃から守る護衛犬だったこともあり、独立心が強くリーダーシップがあります。その反面、穏やかな性格の持ち主でもあり、人や他の動物に対して友好的です。
グレートピレニーズの育て方
グレートピレニーズと暮らすためには、まず犬がゆったりと暮らせる広さがあり、暑さに弱いため空調管理が行き届く家でなくてはなりません。
大型犬なので、散歩でしっかり動くことも大事ではありますが、あまりジャンプをさせないなど関節の負担にならないよう気を付ける必要があります。
グレートピレニーズののお手入れ
グレートピレニーズは毛が長く多いため、日々のブラッシングが大切になります。また、体毛が白いため、散歩の度に汚れが目立つ場合があります。
グレートピレニーズのしつけ
グレートピレニーズは、大型犬であり、護衛犬として活躍していたということを理解した上で行う必要があります。責任感が強く家族以外に警戒心を表すことがあり、吠えや飛びつきといった行動もしやすい犬種です。
大型犬ということもあり、子供やお年寄りに飛びついてしまうと転んで怪我をさせてしまったり、恐怖心を与えてしまうことになります。
子犬の頃から「飛びつきをさせない」「家族以外の人や犬に触れさせる」ことも大切なしつけです。
グレートピレニーズの体型・体重管理
健康な毎日を過ごすためには、適切な体型・体重を保つことが欠かせません。定期的に体重を量ることは重要ですが、適正体重は成長とともに変化します。同時に「ボディ・コンディション・スコア」(BCS)という評価指標を利用することで適正な体型・体重を維持することができます。参照:『飼い主のためのペットフード・ガイドライン』(環境省)
YouTubeのPETOKOTOチャンネルでは獣医師の佐藤先生が体重の測り方やボディコンディションスコアの確認方法を解説していますので、ぜひ参考にしてください。
グレートピレニーズのドッグフード
犬の食べ物は「エサ」と呼ばれていた時代から、家族の「ごはん」と呼ぶ時代へ変わりました。私たちと同じように、犬も栄養バランスの良いごはんを食べることで健康を維持することができます。ごはん選びをする際は、以下の2点を気を付けていただくといいでしょう。
1. 総合栄養食を適量与える
犬が必要とする栄養は人間と同じではありません。そこで生まれたのが「総合栄養食」と呼ばれるごはんです。おやつなど「一般食」や「副食」と呼ばれるごはんだけ食べていると体を壊してしまいますので、「総合栄養食」のごはんを選ぶようにしましょう。総合栄養食を食べていても与える量が少なければ痩せてしまいますし、多ければ太ってしまいます。パッケージに書かれた食事量は目安ですので、ボディ・コンディション・スコアで「3」の「理想体型」を維持できる量を与えるようにしてください。
2. 添加物の少ない新鮮なごはんを選ぶ
犬のごはんと聞いて「カリカリ」と呼ばれる茶色い豆粒を想像される方も多いと思いますが、正しくは「ドライフード」と呼ばれる加工食品です。保存しやすく食いつきも良いことから犬のごはんとして一般的になりましたが、高温加熱によって食材本来の栄養が失われ、添加物も多く含まれることから見直しが進んでいます。そこで生まれたのが素材本来の旨味や香りが楽しめ、余計な添加物も入っていない「フレッシュフード」と呼ばれる新鮮なごはんです。ペトコトフーズもその一つで、子犬からシニア犬(老犬)まで毎日のごはんにすることができます。もちろん総合栄養食で、主食としても、トッピングとしてもご利用いただけます。
ペトコトフーズの公式HPを見る
グレートピレニーズのかかりやすい病気
大型犬で体重があるため、関節に関わる病気に気を付けなければなりません。歩き方がおかしかったり座り方がおかしかったりすると「股関節形成不全」が疑われます。また、なりやすい病気として胃が捻じれる「胃捻転」や、ブラッシングのお手入れを怠ることによる「皮膚病」などがあります。
グレートピレニーズの迎え方
一度家族に迎えたら、子犬から老犬になっても大切に、命に責任を持ちましょう。
白髪も生えれば、病気にもかかるかもしれません。お金がかかるのは家族に迎える時だけではないことを踏まえ、もう一度考えた上で迎えることを検討してください。
保護犬から迎える
保護され、里親を探している犬は雑種だけでなく、血統書のある犬も多くいます。PETOKOTO代表・大久保の愛犬コルクも、もともと足が内股という理由でペットショップの競り市で捨てられていた元保護犬でした。
ペトコトの姉妹サイトである保護犬・保護猫マッチングサイト「OMUSUBI(お結び)」も、ぜひ覗いてみてください。
OMUSUBIで保護犬猫を探す
ブリーダーから迎える
好きな毛色や、血統など気にするのであれば信頼できるブリーダーから迎えるという方法もあります。実際に見学に行き、どんな環境で飼育されているのかを確認することも必要ですが、飼う上でのアドバイスも直接聞くことができます。
ペットショップから迎える
ペットショップでは生後2~3カ月ごろの販売が多く、4カ月を過ぎてくると値段がだんだんと下がってくることがほとんどです。月齢や血統、ペットショップによって大きく異なりますが、グレートピレニーズの一般的な価格の相場は20~40万円ほどです。
グレートピレニーズと楽しい暮らしを!
グレートピレニーズは、ふわふわした見た目が人気ですが、初心者にはしつけが難しいとされています。
しっかりと犬種の性格や性質を理解し、しつけをすることで心強い家族の一員となってくれます。幸せに過ごすために、家族で協力してしつけを行いましょう!
参考文献
獣医師相談のインスタライブ開催中!
ペトコトフーズのInstagramアカウント(@petokotofoods)では、獣医師やペット栄養管理士が出演する「食のお悩み相談会」を定期開催しています。愛猫 のごはんについて気になることがある方は、ぜひご参加ください。
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