
犬は鶏肉(チキン)を食べても大丈夫!モモ肉や骨など部位ごとのあげ方や量を栄養管理士が解説
鶏肉は犬が食べても大丈夫な食材です。低カロリーでたんぱく質が豊富なことから、おやつにも多く使われます。与える際には量や部位の違い、茹でたり焼いたり調理の仕方やアレルギーなど注意点もあります。鶏肉の栄養素や与え方、おすすめレシピなどをペット栄養管理士が紹介します。
犬は鶏肉を食べても大丈夫

鶏肉にはタンパク質やビタミン・ミネラル類などが含まれ、犬が食べても大丈夫な食材です。肉食に近い雑食性の犬にとって、タンパク質は重要なエネルギー源です。皮膚・被毛などの健康維持や、老犬の筋肉維持としても積極的に与えるとよいでしょう。
もも肉(皮なし) | むね肉(皮なし) | ささみ | |
---|---|---|---|
エネルギー | 141kcal | 105kcal | 121kcal |
タンパク質 | 25.1g | 23.3g | 29.6g |
脂質 | 5.2g | 1.9g | 1.0g |
ビタミンA | 14μg | 9μg | 4μg |
亜鉛 | 2.2mg | 0.7mg | 0.8mg |
グルタミン酸 | 3900mg | 3400mg | 4600mg |
※各100g当たり(茹で)、参照:「食品成分データベース」(文部科学省)
ビタミンA | ビタミンAは健康な被毛を保ち、視力維持にも役立ちます。不足することで免疫力の低下や骨の形成不全につながります。 |
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亜鉛 | 亜鉛はタンパク質の合成に関わる酵素に欠かせない成分で、骨や肝臓、腎臓、膵臓などで必須のミネラルです。亜鉛が不足すると免疫力が低下してしまいます。 |
グルタミン酸 | 脳の神経伝達物質として働き、脳の機能にダメージを与えるアンモニアを解毒してリラックス成分GABAを生成します。腸のバリア機能を促進する効果もあり、炎症を予防したり腸内環境を改善したり、抗がん作用も期待されています。不足すると免疫力が低下して感染症のリスクを高めます。 |
鶏肉を総合栄養食にトッピングしたり、おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。1日の最適カロリー量はペトことオリジナルのドッグフード「PETOKOTO FOODS」の「フード診断」(無料)で簡単に計算することができます。
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犬に鶏肉を与える際の注意点

犬に鶏肉を与える際は、以下の点に注意してください。
- 生肉
- アレルギー
- 偏食
- 味付き肉
- 骨付き肉
1. 生肉ではなく加熱した肉を与える
飼い主さんの中には「犬はもともと生肉を食べていたから生で与えたほうがいい」と考える方がいるかもしれません。しかし犬が生肉を食べていたのは加熱調理の選択肢が無かったからで、生肉だから「体に良い」「栄養が摂れる」「消化に良い」わけではありません。そういった主張を裏付ける科学的根拠もありません。生肉を与えるメリットは特にありませんが、デメリットとして細菌感染のリスクがあります。そのリスクは犬だけでなく飼い主さんにも及びますので、肉を与える際は必ず、焼いたり煮たり加熱してから与えるようにしてください。
2. 鶏肉アレルギーに注意
鶏肉はアレルギー食材の中でも牛肉、乳製品に続いて3番目に報告が多い食材とされています。
※参照:『Critically appraised topic on adverse food reactions of companion animals (2): common food allergen sources in dogs and cats』(BMC Veterinary Research)
鶏肉を使ったごはんを食べて皮膚が赤くなったり、痒がったりする場合はアレルギーの可能性がありますので、動物病院でアレルギー検査を受けることをオススメします。ただし、検査で鶏肉に陽性反応が出たとしても症状が出ていなければ避ける必要はありません。詳しくは以下の関連記事をご覧ください。
3. 鶏肉ばかり偏って与えない
鶏肉がアレルギー報告の多い食材になっている理由の一つとして、「与える機会が多く顕在化しやすい」ということが挙げられます。アレルギーの原因となるタンパク質は、摂る機会が増えるほどアレルギーのリスクが上がります。鶏肉が好きだからといってそればかり与えることは避け、いろいろな種類の肉を与えるようにしましょう。飼い主さんの中には「犬はもともと肉食だったから肉だけ与えていればいい」と考える方もいるかもしれませんが、現代の犬は雑食です。タンパク質は肝臓や腎臓で吸収されてエネルギーに変わりますが、犬は炭水化物を小腸で吸収できるように進化したことで、効率的にエネルギーを作り出せるようになりました。
肉ばかり与えることは肝臓や腎臓にとって負担となり、老化を促進させてしまいます。また、肉ばかり食べて体内のアミノ酸濃度が高くなるとセロトニンが少なくなり、イライラして攻撃性が高まるリスクもあります(※)。犬はタンパク質だけでなく炭水化物もバランス良く摂ることで、健康な体を維持することができます。
※参照:水越美奈『食と問題行動』(ペット栄養学会誌)
4. 香辛料やソースなど味の付いた肉はNG
スーパーなどで販売されている味付けされた鶏肉を与えることはやめましょう。人間用の味付けは犬にとって塩や砂糖が過剰に含まれる可能性がありますし、玉ねぎやにんにく、ナツメグなど犬が食べてはいけない食材が含まれている可能性もあります。5. 骨付き肉は与え方に注意
骨についた肉や骨自体を噛むことが好きなワンちゃんは少なくありません。硬すぎると歯が折れたり欠けたりすることがありますし、割れた骨を丸ごと飲み込んでしまう可能性もあります。必ず愛犬にとって安全かを飼い主さんが確認して、飼い主さんが見ているところで与えるようにしてください。部位によって異なる脂身の量

鶏肉の中でも部位によって脂身の量は異なります。料理で用いられる機会の多い「ささみ」「胸肉」「モモ肉」「皮」で比較してみましょう。
(若鶏肉100gあたり)
種類 | 脂質(g) | 特徴 |
---|---|---|
ささみ | 脂身はほとんどなく、淡白な味わい。おやつによく使われます。 | |
胸肉(皮あり) | 脂身は少なめでさっぱりした食感。 | |
モモ肉(皮あり) | 脂身は多めです。筋肉質なので食べごたえがあります。 | |
皮 | 脂身とコラーゲンが豊富な部分。与えすぎないようにしましょう。 |
おすすめの与え方
鶏肉は必ず油を使わずに火を通して、与えてあげましょう。焼くと焦げがついてしまい、犬にとって有害な成分となる可能性があります。そのため、茹でたり、蒸したりすることがおすすめです。また、味付けはもちろんしないで与えるようにしましょう。
鶏肉の加工食品は要注意!

鶏肉を使った料理の中には犬が食べると命に関わってしまう成分が含まれるものもあります。また、人間用に味付けされた食品は、与えたり誤って食べてしまったりしないようにしましょう。
鶏の唐揚げ・チキンナゲット
鶏の唐揚げやチキンナゲットなど、犬には揚げ物を決してあげないようにしましょう。高脂肪な食事をすると、膵臓などの病気になってしまう恐れがあります。飼い主が目を離している際に食べてしまった場合は、下痢や嘔吐などの症状が出ていないか注意が必要です。
鶏のつくね
つくねの作り方はさまざまなので一概にいうことはできませんが、つくねは醤油やみりんなどで味付けがされている上に、ネギなどの犬にとって中毒性のある野菜が使われていることがほとんどです。絶対に犬につくねをあげないようにしましょう。万が一、少しでも犬が口にしてしまった場合はすぐにかかりつけの獣医師に相談しましょう。
鶏肉を使ったおすすめレシピ

ペトことでは鶏肉を使ったペット食育上級指導士®︎監修レシピを紹介しています!
鶏肉のピカタ
▶材料
- 卵
- ささみ
- ☆すりゴマ
- ☆粉チーズ
- ☆青のり
- 小麦粉
- オリーブオイル
- ブロッコリー(茹でたもの)
- プチトマト
▶作り方
- ささみは食べやすい大きさにそぎ切りにして、身の厚いところは包丁で切れ目を入れて開き、均一の厚さにしておく。
- 切ったささみに小麦粉をまぶす。
- 卵を溶きほぐして小さなカップなどに3等分して、それぞれに☆を1種類ずつ入れる。
- フライパンにオリーブオイルを入れて熱し、1を2にくぐらせて、中まで火が通るように火加減に注意しながら焼く。
- 3を器に移し、ブロッコリーとプチトマトを添えてできあがり。
レシピや詳細は関連記事をご覧ください。
まとめ

生や味のついた鶏肉はNG
骨を与えるのはNG
脂質の少ない「ささみ」がオススメ
与える際は茹でるか蒸すことをおすすめします
基本的に鶏肉だけですと、栄養に偏りが出てしまうので、ドッグフードのトッピングやおやつとして適量をあげることをオススメします。
人間にとって美味しい食材でも、犬にとっては危険な食べ物もたくさんあります。それらをきちんと理解した上で、楽しいペットとの食ライフを過ごしてくださいね!

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