
犬にとってタンパク質は重要な栄養素ですが、不足だけでなく摂りすぎにも注意が必要です。今回はフード・おやつ選びや手作りごはんを与える際に最適な必要量や割合について、不足や過剰で見られる症状やオススメの食材について解説します。
目次
犬の必須栄養素「タンパク質」

タンパク質は三大栄養素の一つで、犬に欠かせない栄養素です。ビタミンやミネラルも大事な栄養ですが、タンパク質は犬の体の50%を占め(水を除く)、筋肉や内臓、皮膚、骨などあらゆる組織・細胞の源になっています。
犬はもともと肉食でしたが、人との生活の中で「肉食寄りの雑食」に進化しました。効率的にエネルギーを作るためには肉だけでなく野菜などもバランス良く食べる必要がありますが、今でも私たち人間よりタンパク質を多く必要とする体をしています。
犬が1日に必要なタンパク質の量・割合

飼い主さんがドッグフード選びで気にされることの一つに、「どれくらいのタンパク質が含まれるフードを選ぶべきか」があると思います。
ペットフードの栄養基準を決めている世界的な団体「AAFCO」(全米飼料検査官協会)によると、水分を抜いた状態のフードに対し、成犬の場合は18%以上、子犬は22%以上のタンパク質が含まれるべきとされています(※)。
例えば「ペトコトフーズ」でも、AAFCOの基準に沿ってビーフが30%、チキンが44%、ポークが31%、フィシュが36%含まれているため、子犬からシニアまでオールステージで食べられる総合栄養食になっています。
AAFCOのほかに国産ドッグフードではペットフード取引協議会、ヨーロッパ産ではFEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)などが栄養基準を決めています。フード選びの際は、それらの基準に沿った総合栄養食になっているかどうかを確認するようにしてください。
※乾物1kg、代謝エネルギー4000kcal当たり
犬に必要なタンパク質が不足した場合に見られる症状
犬はタンパク質が不足すると成長不良や貧血、食欲不振、毛艶が悪くなるといった症状が見られるようになります。総合栄養食を食べていても食べる量が少なければタンパク質は不足してしまいますので、その子に合ったごはんを与えるようにしてください。1日の最適カロリー量はペトコトフーズの「食事量計算機」(無料)で簡単に計算することができます。愛犬の食事量を計算する
食べる量が少なくなりがちなシニア犬(老犬)は特に注意が必要です。エネルギーが不足すれば、筋肉をエネルギー源にするため分解されてしまいます。体を動かしにくくなって余計に食べる量が減ってしまう悪循環になってしまいますので、好みのごはんを見つけたり、食べやすい環境を作ってあげたりすることが大切です。
犬に必要なタンパク質の過剰摂取の良し悪し

犬にとってタンパク質が重要なら、より高タンパクなごはんを選ぶのがいいのではないかと考える方もいるでしょう。実際、犬は高タンパクなフードを好む傾向にあり、もともと肉食であったことを考えれば当然と言えます。
しかし、肉食だったのは過去の話。先ほど話した通り、現在は肉だけでなく野菜もバランス良く食べる必要があります。過剰に摂取すれば、特定の栄養が不足したり消化の際に肝臓や腎臓に負担をかけてしまったりします。
高タンパクフードのメリット

タンパク質は子犬期の成長に欠かせないものですし、シニア犬(老犬)や闘病中の筋力減少を抑えるためにより多く必要な場合もあります。しかし、あえて「高タンパクフード」を選ぶ必要はありません。全ての総合栄養食は必要なタンパク質を含んでいるからです。
また、タンパク質は脂質や炭水化物と違って、たくさん摂取したとしてもタンパク質として体内に蓄積することはできません。過剰なタンパク質はただエネルギーとして燃やされるか、脂肪に変わって蓄えられるだけです。
飼い主さんに注目していただきたいのは、タンパク質の量ではなく質です。一言で「タンパク質」と言っても、フードのタンパク質源として使われている食材はさまざまです。量が多くても、質が悪ければ実際の消化・吸収率は低いかもしれないのです。
高タンパクフードのデメリット

犬は人と共に生活する中で遺伝子を変化させ、炭水化物も消化してエネルギーにできるようになりました。これは単に食材の選択肢が広がっただけでなく、体にとっても良い効果が生まれました。
犬は摂取したタンパク質をアミノ酸に分解し、肝臓でグルコース、尿素窒素、そしてエネルギーに変換します。さらにタンパク質の老廃物である尿素窒素は、腎臓でろ過します。つまりタンパク質に頼るほど、肝臓や腎臓に負担をかけることになります。
また、高タンパクフードは犬の攻撃性を高める可能性があります。体内のアミノ酸濃度が高くなると、セロトニンを作るトリプトファンが脳内に入るのを邪魔します。セロトニンは精神安定に深く関わっており、不足するとイライラ感につながってしまうのです(※)。
※参照:水越美奈『食と問題行動』(ペット栄養学会誌)
犬に必要なタンパク質を調整した手作りごはんは難しい

PETOKOTOでは、しっかりと犬の栄養学を勉強した方でない限り、毎日のごはんを手作りにすることはオススメしていません。新鮮なごはんを食べることはとても大切ですが、栄養バランスが偏っていれば逆に不健康になってしまうからです。
実際、手作りフードを食べていた子が体調を崩して病院に行ったところ、手作りフードが原因だったという事例もあります。健康のためにしていたことが不健康につながっては本末転倒ですね。
質の良いタンパク質と質の悪いタンパク質

犬のごはんは、タンパク質の量よりも質が大事であることをお伝えしました。食材自体の質や鮮度も大事ですが、消化しやすい食材を選ぶことも大事です。
犬が消化しやすい高タンパク食材
動物性タンパク質で消化しやすい食材は、卵、チーズ、魚が挙げられます。タンパク質といえば肉のイメージがあると思いますが、熱が加えられていない肉類のタンパク質は消化にはよくありません。肉はゆっくり加熱調理することで消化しやすい食材になります。
トロトロの角煮をイメージしてみてください。繊維状のタンパク質であるコラーゲンは、加熱すると65度で最も硬くなります。しかし75度を超えるとゼラチン化して柔らかくなり、消化にも良くなるのです。
生のままだと消化が悪いのは、肉だけでなく大豆や小麦も同様です。こちらもタンパク質を大豆から分離させた豆腐や、小麦タンパクを取り除いた小麦グルテンであれば非常に栄養価が高く、消化に良いタンパク質となります。
まとめ
犬は総合栄養食で十分なタンパク質が摂れる
必要以上のタンパク質は肝臓や腎臓に負担をかける
高タンパクフードが犬の攻撃性を高めてしまう場合も
専門知識なしで手作り食にするのは危険
タンパク質は量より質を重視する
一つの栄養や一つの食材に偏るのではなく、いろいろな食材からいろいろな栄養をバランス良く摂ることが、長生きへの近道となります。正しい知識で、愛犬に健康的なごはんを食べさせてあげてください。
犬の栄養が満たされたおすすめのドッグフード
ペトコトフーズは、「エサからごはんへ」をコンセプトに掲げるフレッシュペットフードブランドです。
実際に、従来のドライタイプのドッグフードよりも水分量が多く、手作り品質のごはんを食べている犬のほうが寿命が約3年長くなることが、研究により明らかになっています。新鮮で美味しく、健康的なごはんを選ぶことが、愛犬の長生きの秘訣です。
1. 新鮮な国産食材をメインに使用
人間が食べるものと同じヒューマングレードの食材のみを使用し、国内の食品工場で製造しています。4Dミートや人工添加物は一切不使用。食材の配合割合や主な産地も公開し、安心できるごはんをお届けします。
2. 手作りのように抜群の食いつきのおいしさ
従来の高温加工を施したドライフードや、レトルト処理されたウェットフードではありません。新鮮な肉や野菜を低温スチーム調理することで、食材本来の香りや旨味、栄養をしっかりキープ。そのため、手作りのような抜群の食いつきを実現しています。
3. 全犬種・全年齢に対応した総合栄養食
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