【獣医師執筆】猫がパンを食べるのはNG!与えてはいけない理由や食べた場合の対処法
猫に人間用のパンを与えてはいけませんが、猫用のパンなら食べても大丈夫です。人間用を食べてはいけない理由や食べてしまった際の対処法を解説します。
猫に人間用のパンを与えるのはNG
猫に人間用のパンを与えてはいけません。人間用のパンは猫にとって過剰な脂質や糖質を多く含むためです。猫が食べると肥満など病気の原因になってしまう可能性があります。また、菓子パンやお惣菜パンなど、猫が食べてはいけない食材が含まれている可能性にも注意が必要です。
猫が食べてはいけない食材 | ぶどう(レーズン)、チョコレート、牛乳、玉ねぎ、にんにく、アルコールなど |
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パンは膨らませるために酵母(イースト)を使用するのが基本です。酵母は糖をアルコールと炭酸ガスに分解し(発酵)、その炭酸ガスがパンを膨らませます。その際に発生するアルコールは微量とは言え、パンを食べたドライバーがアルコール検知器に反応してしまったケースもあります(※)。
私たちにとっては微量でも、体が小さな猫には過剰になってしまう可能性があります。特に焼く前の生地に多く含まれますので、自宅でパン作りをする飼い主さんは注意しましょう。
※参照︰「蒸しパン食べてアルコール検知 「業界で常識」、市バス運転手を処分」(朝日新聞)
猫がパンを食べてしまった際の対処法
猫に人間用のパンを与えるべきではありませんが、食べてはいけない食材が入っていない限り、直ちに体に悪影響を与えることはないでしょう。万が一、食べてはいけない食材が入っていた場合は、何をどれだけ食べたか確認して動物病院に相談してください。緊急性が高い可能性もあります。食べてはいけない食材が入っていなかったとしても、アレルギーや消化不良に注意してください。猫のアレルギーは皮膚症状が出やすく、顔や首周り、お腹、足などに赤み・痒みが出る可能性があります。気になる症状がある場合は動物病院に相談してください。
アレルギーによって下痢になる可能性もありますが、食べ慣れない食材によってもお腹を壊す可能性があります。一時的に緩くなる程度であれば様子見をしても大丈夫ですが、嘔吐をしたり下痢が続いたり、元気が無いなどの症状が見られる場合は動物病院へ行くようにしてください。
猫用のパンは与えても良い
与えていい量
前提として、猫は総合栄養食のごはんを食べていれば、それ以外は与える必要はありません。おやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。
アレルギーに注意
食物アレルギーには、生まれつきの体質による先天性アレルギーと、長い期間同じ食材を食べることで発症する後天性アレルギーがあります。初めて食べる食材を与える際は少量からスタートさせてあげましょう。アレルギーには以下の症状になる可能性が挙げられます。
- 下痢
- 嘔吐
- 皮膚の痒み
- 元気がない
- 目の充血
上記のような症状があれば、すぐにかかりつけの獣医師に相談しましょう。一方で、アレルギーテストで陽性が出たから食べられないと思う飼い主さんも多いですが、それは間違いです。症状が出ていなければ食べさせても問題ありませんので、特定の食材を食べさせてアレルギー反応が出るか確認してみてください。
猫にパンは必要ありません
人間用のパンは猫にとって過剰だったり中毒症状を起こす味付けがされている場合があります。猫にパンを与えるのはやめましょう。猫用のパンが販売されていますので、おやつとして与えたい場合は猫用を食べさせてあげてください。
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