犬猫の殺処分問題の現状を獣医師が解説 〜殺処分ゼロの課題と蛇口を締めるために必要なコト〜

犬猫の殺処分問題の現状を獣医師が解説 〜殺処分ゼロの課題と蛇口を締めるために必要なコト〜

Share!

殺処分問題は、犬猫の命に直接関わる問題で、感情を揺さぶる問題でもあります。一方で、その対策は、目の前の命を救うという視点だけでなく、今危機的状況に陥っていなくても、将来的に殺処分される立場になるかもしれない犬猫を減らすという視点も重要です。本稿では、行動学を専門にしている獣医師で、NPO法人人と動物の共生センター理事長の奥田が、殺処分/余剰犬猫問題の現状と対策について解説します。

殺処分ゼロが叫ばれる昨今、犬猫の殺処分問題に関心の高い読者も大勢いらっしゃるかと思います。そして、「自分に何ができるんだろう?」と考えている方も。
殺処分問題は、犬猫の命に直接関わる問題で、感情を揺さぶる問題でもあります。一方で、その対策は、目の前の命を救うという視点だけでなく、今危機的状況に陥っていなくても、将来的に殺処分される立場になるかもしれない犬猫を減らすという視点も重要です。後者の視点を取るためには、冷静な現状分析が必要でしょう。
本稿では、行動学を専門にしている獣医師で、NPO法人人と動物の共生センター理事長の奥田が、殺処分/余剰犬猫問題の現状と対策について解説します。

殺処分問題の現状

「全国の犬・猫の殺処分数の推移」(環境省 動物愛護管理室)
2016年、全国の保健所・動物愛護センターでは、5万5998匹の犬猫が殺処分されました。まだまだその数は多いと思われる方が大多数だと思いますが、その数は、10年前の34万1063匹から83.6%減少しています。そして、都市部では、殺処分ゼロの自治体が珍しくなくなってきています。
殺処分数がゼロに向かい、収束していく中で、殺処分ゼロを手放しで喜べない状況も散見されます。なぜならば、殺処分だけが、犬猫の命に関わる課題であるかといえばそうではないからです。これまで多くの人が注目してきた殺処分数という成果指標は確かに変化してきましたが、殺処分ゼロの影に隠れる形で、さまざまな課題が「見えない化」されてしまっています。
その一つは、ロードキル(交通事故死)の問題です。ロードキルは、全国的な統計はないものの、野外で死亡した犬猫の死骸の回収が殺処分数の数倍~数十倍で行われていることは、さまざまな自治体から報告されています。また、所有者の管理下にあっても、虐待やネグレクトによって、その生命が危機に晒されている犬猫もいます。
大切に飼っていたとしても、飼い主の高齢化に伴う病気や入院によって飼育の継続が困難になる事例も多く、保健所や動物愛護団体への収容依頼のトップを占めています。そして、ペット産業においても、不適切な繁殖飼育によって、犬猫の動物福祉が侵害される事例が、継続的に報告されています。

殺処分問題から余剰動物問題へ

私は、犬猫と人との共生の課題は、今や殺処分問題から、余剰犬猫問題に移り変わっていると考えています。以下に余剰犬猫問題を模式的に表す蛇口モデルを掲載します。
余剰犬猫問題を模式的に表す水槽モデル之イラスト
余剰犬猫問題は、上の段の蛇口(入口/余剰犬猫の発生)と下の段の蛇口(出口/余剰犬猫の処遇)の二つの問題から成り立っています。
いわゆる「殺処分ゼロ」は、殺処分の蛇口を閉めて、保護施設等での飼育と、家庭へ譲渡の蛇口を開くことを指しています。これまで、多くのボランティアの皆さんの力や、行政の努力、首長の方針などによって、多くの地域で殺処分ゼロが実現しました。一方、殺処分ゼロを継続することは、図の水風船にあたる、保護施設での飼育を増加させる事となり、施設の収容数・マンパワーを超えた過密な飼育が発生する事例が問題視されるようになってきました。
殺処分ゼロを推し進めてきたために、主にボランティアのマンパワーで支えられている水風船のゴムは伸び切っており、これ以上無理に詰め込めば破裂してしまうという状況になっている地域も少なくないと聞きます。保護団体の中には、収容しすぎて保護団体が運営を継続できず、多頭飼育崩壊する事例も報告されています。
殺処分ゼロを継続するために、水風船のゴムを伸ばし、破裂するまで続けるということは現実的ではありません。今、取り組むべきは、水風船に流れ込む水量を減らすこと、すなわち、上の段の蛇口を締めることです。

野外での繁殖をどう防ぐか?

犬と猫
先ほどの蛇口モデルにおいて上の段の蛇口で最も数が多いのが野外での繁殖です。野外で繁殖して、保健所や動物愛護団体へ収容されずに、ロードキルで死亡する猫の数のボリュームが最も大きいと推定されます。野外で繁殖する猫を増やさない対策は、不妊去勢手術の徹底が最も効率的な方法であると考えられており、地域猫活動やTNR活動などの実践によって、実際に野外で生活する猫の数が減少してきている地域もあります。
各地域で、殺処分ゼロを目指して多くの団体が力を合わせ、それを達成してきたように、今度は、ロードキルゼロに向けて進んでいく必要があるでしょう。私は、殺処分ゼロが加速した一つの要因として、毎年の殺処分数が環境省や各自治体から報告されてきたことが大きな影響を与えたと考えています。殺処分数は、各団体が共通して把握することのできる、明確な成果指標だったからというのがその理由です。
これと同じ様に、「ロードキル数≒野外での犬猫の死骸の回収件数」を環境省や自治体が報告するようにすることが、本格的な対策を行っていく上で重要な政策だと考えています。地域猫活動やTNR活動が成果に結びついているかどうか、明確な数値として出すことができれば、活動している方々の励みになりますし、社会からの理解も得られやすくなります。動物愛護管理法の基本指針や、各都道府県の動物愛護管理推進計画の中には、現状殺処分数を減少させるという目標値が書かれていますが、野外死骸回収件数もこれに加えることで、大きな成果につながると考えられます。
ロードキル数が把握できるようになることと同時に、実際にそれを減らすための野外生活を送る犬猫の不妊去勢手術をどの様に効率的に進めるかという問題があります。私自身獣医師ですので、実際この文章を書きながら、自身がこの分野にまだ取り組めていないことに負い目を感じているところではありますが、やはり獣医師が、この対策に積極的に取り組んでいくべきだと思います。
野良猫の不妊去勢を専門に扱う動物病院が全国にはいくつか存在します。獣医師会も助成制度などを通じて野良猫の不妊去勢を行っています。獣医師が、TNRを行う団体などと協力し、「捕獲」→「手術」→「元の場所に戻すor譲渡」というサイクルを効率的に行えるようになれば、変化を生むことができるでしょう。

野外での繁殖防止がアニマルホーディング対策に

正確には野外での繁殖には含まれないのですが、犬猫を家庭内や家の周辺で増やしてしまい、飼育管理ができなくなる多頭飼育崩壊も、余剰犬猫を増やしてしまう要因として大きな影響があります。猫の多頭飼育崩壊は、大抵の場合、野良猫の雄雌を不妊去勢せずに家の中で飼いはじめることから始まります。すぐに妊娠し子どもが生まれ、さらにその子ども同士で繁殖して、あれよあれよと数十匹に増えていきます。
多頭飼育は、飼育者の精神的な障害の影響もあって発生することと考えられており、強迫性障害の一つとして「アニマルホーディング」という診断名が付けられることもあります。そのため、多頭飼育者への支援は、動物行政の担当者だけでなく、精神保健の専門職員などと連携し、社会福祉の文脈からの支援が必要との指摘が増えてきています。
しかし、そもそも、アニマルホーディングとなる危険性の高い人が、野外にいる繁殖可能な犬猫を保護することがなければ、多頭飼育崩壊は起こりません。野外死骸回収件数を成果指標として、野外生活をする犬猫の数を減らしていくことが、多頭飼育を含めた、野外での繁殖を起点とする余剰犬猫の発生を減らしていく、効率的な方法であると考えられます。

家庭からの飼育放棄をどう防ぐ?

2匹の犬と散歩する若い夫婦
2014年、名古屋市における犬の引き取りを求める理由では、全83匹中、
  • 引っ越し:20匹
  • 飼育者・所有者が病気・入院:19匹
  • 飼育者・所有者が死去:7匹
  • 迷惑をかける:7匹
  • 飼育管理をすることができない:7匹
  • 計画外の繁殖:6匹
  • 攻撃的な性格:5匹
  • 家族が病気・アレルギー:5匹
  • 飼育費用の負担ができない4匹
  • 犬が病気等:2匹
  • その他1匹
でした。
関東地方の動物愛護協会に犬猫の保護を依頼した63人へのインタビュー調査(2018:高鍋)では、
  • 飼い主の病気・死亡等:38%
  • 遺棄取得:24%
  • 経済的理由:9%
  • 離婚:8%
  • 動物の老齢・傷病等:6%
  • 問題行動:5%
  • 転居:5%
  • 苦情:3%
  • 不明:2%
と続いています。家庭からの飼育放棄の直接的な原因は以上のようなものですが、その背景にはさまざまな要因が関係していることが推測されます。2016年に筆者らが実施したアンケート調査では、終生飼育の可能性に影響を与える要因として、
  • 飼い主が高齢であるほど、終生飼養の可能性は低下する
  • 近所付き合いが頻繁なほど、終生飼養の可能性は高まる
  • ペットが犬の場合、終生飼養の可能性は猫よりも低くなる
という傾向がみられました。
飼い主が飼育放棄に至る原因はさまざまで、必ずしも一つの原因だけで発生するものではないと考えられます。例えば、引っ越しであれば、「離婚や失職などの要因をきっかけとしたもの」や、「高齢化に伴う施設への入居をきっかけとしたもの」が考えられます。「飼育費用の負担ができない」という背景には経済的な要因だけでなく、「犬猫との関係性が悪く、咬まれる等の問題行動があって、愛着を感じていない」という関係性要因が併発している可能性も考えられます。おそらくは、いくつかの原因が重なり合って、発生していると思われます。
これらの状況から、飼い主による飼育放棄の要因は、主に次の四つに分解できると考えられます。
  1. 高齢化を中心とした飼い主の「高齢化・健康要因」
  2. 引っ越し・離婚・失職などをきっかけとして飼育費用の負担ができなくなることによる「経済的要因」
  3. 攻撃的な性格や迷惑をかけるなどに代表される「関係性要因」
  4. 家庭環境や親族・近所づきあい等「ソーシャルキャピタル要因」
これらの要因が影響し合うことによって飼育放棄に至ると考えられます。また、これらの要因があることで、飼育放棄に至らずとも、飼育に困難を要し、飼い主も犬猫も双方の福祉が低下する状況(以下、飼育困難)に陥ることもあります。家庭からの飼育放棄を考える際は、飼育困難は切っても切れない関係にあります。

関係性要因による飼育放棄・飼育困難を減らすために

家庭からの飼育放棄・飼育困難を減らすためには、これらの要因それぞれに対応していくことが必要です。私は、ぎふ動物行動クリニックという犬猫の問題行動を専門に治療する動物病院と、ドッグ&オーナーズスクールONELifeという犬のしつけ教室を運営していますが、これらの事業で行っている支援は、「関係性要因」による飼育放棄・飼育困難を未然に防ぐことを目的にしています。
動物の行動学等の観点から、飼い主と犬猫の関係性を支援するサービスは近年増加しています。特に犬では子犬の時期に受講するパピークラスを受講する飼い主が増えています。地域によって実施率は異なるでしょうが、肌感覚では、おおよそ10%~25%程度の飼い主がパピークラスを受講しています。パピークラス、あるいは猫であればキトンクラスを受講して、適切な飼育方法・飼育に関する倫理観を身に着けて飼う方が増えていけば、「関係性要因」による飼育放棄・飼育困難を減らしていくことができるでしょう。

高齢飼い主は、飼えなくなる前に対策を

犬の散歩をする高齢者
「高齢化・健康要因」での飼育放棄・飼育困難を減らすためには、「飼えなくなる前に、飼育が困難になった時の方針を決めておく」「そのためのお金も遺しておく」という対策が必要でしょう。「自分が飼えなくなったときに、この子を保健所にやるわけにはいかない」と考えている高齢の飼い主も大勢います。しかし、今こうしたニーズに対するサービスが普及している段階ではありません。
飼い主が飼えなくなったときに、新しい飼い主を探したり、終生飼育したりするサービスは、現状ではペット信託が有名です。ペット信託は、ペットの飼育費のための財産を信託財産として遺し、これを活用してペットの終生飼育を行う仕組みです。便利な仕組みである一方、利用のハードルもあり、十分に普及しているとは言えない段階です。現在、私が取り組んでいるのが、「ペット後見互助会」という仕組みです。月々会費を支払っていただくことで、もし飼えなくなったときに、引き取って新しい飼い主を探すという仕組みです。会費制であることによって、信託財産を用意するペット信託よりも簡易に実施できることがメリットと考えています。いずれにしても、飼えなくなってから慌てるのではなく、飼えなくなる前に対応できるようなサービスを作っていくことが、「高齢化・健康要因」での飼育放棄・飼育困難をへらすために必要です。
「経済的要因」「ソーシャル・キャピタル要因」については、直接的に対応できる方法がなかなか難しいかもしれません。それぞれ個人的な要因が大きく、一般的な福祉支援策がこれにあたるかと思います。「高齢化・健康要因」や「関係性要因」の対策に、お金を払ってサービスを受けられる人は、そもそも飼育困難に陥りにくい層であるとも言えます。「経済的要因」「ソーシャル・キャピタル要因」を持つ人こそ、支援を必要としている層であり、そうした層にどのように支援を届けていくか、支援の予算措置はどの様にするのか、そもそも「経済的要因」を抱える人に動物の飼育が許されるのかなど、今後より一層の検討が必要になっていく部分と思われます。

ペット産業からの余剰犬猫の発生をどう防ぐ?

「ペット産業から発生する余剰犬猫」とは、どのような犬猫でしょうか? 端的に言えば、販売に適さなかった犬猫や、繁殖引退犬猫のことです。これらの犬猫は、ブリーダーの元で引き取り手がつくものもある一方、動物保護団体に収容され終生飼育されたり譲渡されたりする犬猫もいます。中には、ブリーダーの元で過密な飼育環境に置かれたり、引き取り屋と呼ばれる余剰犬猫の引き取りを専門に行う業者の元に行ったりする犬猫もいます。
私は、ブリーダーの元から適切に譲渡がされる犬猫や、適切に飼育管理される犬猫については、余剰犬猫とは言うべきではないと考えています。ブリーダーから保護団体に収容されるもの、ブリーダーや引取屋の元で不適切な飼育を受けるものは、余剰犬猫と言うべきでしょう。
こうした余剰犬猫が生まれる背景にも、さまざまな要因が存在します。その一つは、遺伝性疾患の問題です。遺伝性疾患を防ぐためには、遺伝子検査や、家系の遺伝性疾患を調べる方法などがあります。闇雲にかけ合わせれば、さまざまな遺伝性疾患のリスクを高めることは周知の事実ですが、そうした知識を持たずに繁殖するブリーダーも一部存在すると言われています。現状、業界団体や大手ペットショップが先導して、遺伝性疾患のリスクについての情報提供を行っており、徐々に啓発が進んでいるようですが、業界水準の向上が待たれます。
お母さん犬のお乳を飲む子犬たち
もう一つは、繁殖引退犬猫の問題です。犬の場合、繁殖母犬は、1歳頃から交配に用いられて、5~7歳くらいまで現役で子犬を産み育てます。犬の平均寿命は13~14歳くらいですので、引退後の方が、犬生が長くなります。繁殖引退犬は、しっかりやられているブリーダーでは、一般の飼い主などに適切に譲渡されますが、一部不適切な運営をしているところでは、ブリーダーの元で過密状態・不適切な環境で飼育されることもあり、動物保護団体が見るに見かねて保護して譲渡するパターンも少なくありません。
1匹の母犬が生涯に生む子犬は、おおよそ20~30匹。つまり、ペットショップで20~30匹の子犬が売れる背景には、必ず1匹の繁殖引退犬が発生しているということです。この事実に目を背けてはいけないのが、ペットショップです。ペットショップは、自社で20~30匹の子犬を販売するなら、同時に1匹の繁殖引退犬を譲渡する責務があると行っても過言ではありません。ペットショップで、子犬と一緒に繁殖引退犬を展示・譲渡すれば、間接的に不適切な飼育をされる繁殖引退犬の数を減らすことに貢献できるはずです。

ペット産業のCSRを推進するために

こうした動きを牽引するべき主体は、やはり大手ペットショップです。ペット業界は、ブリーダー等の問題では、世間からの風当たりが強い業界です。ペットショップ各社が持続可能な経営をしていこうと考えた時に、長期的にこうした問題をごまかし続けることは難しいでしょう。自社の経営が、余剰犬猫の発生に影響を与えているのであれば、それに対する責任を果たし、責任を果たしていることを説明していくことが求められます。ペットショップは、自社が必要とされ続ける社会・市場を作っていくために、どの様に社会とコミュニケーションし、信頼を得ていくかを考えていかなければなりません。
ペットショップが「社会への責任」「動物への責任」「飼い主への責任」を果たし、持続可能な経営を行っていくために必要とされている概念が、「企業の社会的責任」(CSR=Corporate Social Responsibility)です。CSRとは、「環境汚染への責任を果たす」「人権を守る」等、企業の意思決定や活動が、社会及び環境に及ぼす影響に対し、倫理的な行動を通じて企業が担う責任のことです。ペット産業のCSRでは、上記に指摘した課題への対応を中心として、「動物に対する責任」「飼い主に対する責任」、そして「社会に対する責任」を果たしていく事を指します。
ペット産業のCSRの推進の動きは、まだまだ始まったばかりという印象ですが、動物愛護団体の主催する講演会等にペットショップ経営者が登壇するという事例もあり、ペット産業内外から、働きかけが始まっています。私自身は、『ペット産業CSR白書』の発行や、ペット産業の社会的責任を考えるシンポジウムを開催し、対話を積み重ねる機会づくりを行っています。

すべての蛇口に働きかける協働・連携が必要

このように、すべての蛇口に対して、さまざまな対策が必要であり、これは到底一つの組織で担えるものではありません。ペット産業、獣医師、トレーナー、動物団体、ボランティア、自治体、環境省、国会など、バラバラに動くのではなく、ある程度協調して、対話を持って進めていくべき取り組みであろうと思います。
ただ、このような内容を整理して対話を行うには、それぞれの主体の忍耐が必要不可欠です。特にペット産業と動物愛護団体は、水と油の関係。同じテーブルに着くことは至難の技です。
とは言え、進めていくためには、一人の力、一つの組織の力では非力です。今後の課題は、こうした多様な主体が円卓会議のような形で、一同に会し、共通のビジョンと成果指標を作り、役割分担して解決にあたっていくことだと思います。
殺処分ゼロを契機に、人と犬猫の問題はターニングポイントを迎えています。多様な主体の参加を得て、殺処分ゼロではない、新しいビジョンを打ち立てることができるかどうか、そのための対話を継続的に行っていける場づくりができるかどうかが、人と犬猫の共生の未来を作ることにつながるのではないかと、私は思います。