
豚肉は犬が食べていい食材です。栄養素が高く、たんぱく質が豊富で、ビタミンとミネラルのバランスが良いため、ドッグフードにも使われることが多くあります。豚肉の栄養素や部位ごとの違い、アレルギーや与えていい量など注意点を紹介します。
犬は豚肉を食べても大丈夫!

豚肉にはタンパク質やビタミン類が多く含まれ、犬が食べても大丈夫な食材です。豚肉の味が大好きなワンちゃんも多く、ペトコトオリジナルのフレッシュペットフード「ペトコトフーズ」でも「ポーク」は人気のメニューです。
犬が豚肉を食べる効果と栄養素
| ロース(皮下脂肪なし) | ばら(脂身付き) | ヒレ(赤肉) | |
| エネルギー | 190kcal | 366kcal | 118kcal |
| タンパク質 | 22.1g | 14.4g | 22.2g |
| 脂質 | 11.9g | 35.4g | 3.7g |
| カリウム | 340mg | 240mg | 430mg |
| ビタミンB1 | 0.75mg | 0.51mg | 1.32mg |
| ナイアシン(当量) | 12.0mg | 7.3mg | 12.0mg |
| アルギニン | 1400mg | 1000mg | 1400mg |
| カリウム | 過剰な塩分を排出してナトリウムとのバランスを保ち、血圧を安定させる効果があります。腎臓が弱っている場合は過剰になり心臓にダメージを与えてしまいます。摂取量に注意が必要です。 |
|---|---|
| ビタミンB1 | ビタミンB1はチアミンとも呼ばれ、補酵素として糖質がエネルギーに変換されるのをサポートします。疲労回復効果があり、不足すると神経や心臓に障害が起こります(人では「脚気」と呼ばれる病気)。 |
| ナイアシン | ナイアシン(ビタミンB3)は補酵素としてエネルギーを作り出したり脂質や糖質、タンパク質を代謝したりする際に利用されます。不足すると「ペラグラ」と呼ばれるナイアシン欠乏症を引き起こし、皮膚の炎症や下痢、認知症につながります。 |
| アルギニン | 犬の必須アミノ酸です。タンパク質を分解してできたアンモニアを尿素に変換し、エネルギーの産生を促進することで疲労回復効果が期待されます。 |
犬に豚肉を与える際の注意点

豚肉を与える際は以下の点に注意してください。
- 生肉
- アレルギー
- 偏食
- 味付き肉
- 骨付き肉
1. 生肉ではなく加熱した肉を与える
飼い主さんの中には「犬はもともと生肉を食べていたから生で与えたほうがいい」と考える方がいるかもしれません。しかし犬が生肉を食べていたのは加熱調理の選択肢が無かったからで、生肉だから「体に良い」「栄養が摂れる」「消化に良い」わけではありません。そういった主張を裏付ける科学的根拠もありません。生肉を与えるメリットは特にありませんが、デメリットとして細菌感染のリスクがあります。そのリスクは犬だけでなく飼い主さんにも及びますので、肉を与える際は必ず、焼いたり煮たり加熱してから与えるようにしてください。
2. 豚肉アレルギーに注意
豚肉はアレルギーが出にくい食材とされていますが、可能性はゼロではありません。豚肉を使ったごはんを食べて皮膚が赤くなったり、痒がったりする場合はアレルギーの可能性がありますので、動物病院でアレルギー検査を受けることをオススメします。
検査で豚肉に陽性反応が出たとしても症状が出ていなければ避ける必要はありません。詳しくは以下の関連記事をご覧ください。
3. 豚肉ばかり偏って与えない
豚肉のアレルギー報告と言っても、アレルギーの原因となるタンパク質を摂る機会が増えるほどリスクは上がります。豚肉が好きだからといってそればかり与えることは避け、いろいろな種類の肉を与えるようにしましょう。飼い主さんの中には「犬はもともと肉食だったから肉だけ与えていればいい」と考える方もいるかもしれませんが、現代の犬は雑食です。タンパク質は肝臓や腎臓で吸収されてエネルギーに変わりますが、犬は炭水化物を小腸で吸収できるように進化したことで、効率的にエネルギーを作り出せるようになりました。
肉ばかり与えることは肝臓や腎臓にとって負担となり、老化を促進させてしまいます。また、肉ばかり食べて体内のアミノ酸濃度が高くなるとセロトニンが少なくなり、イライラして攻撃性が高まるリスクもあります(※)。犬はタンパク質だけでなく炭水化物もバランス良く摂ることで、健康な体を維持することができます。
4. 豚肉を使った加工食品はNG
ハムやベーコンなどの加工肉、味付けされた豚肉を与えることはやめましょう。人間用の味付けは犬にとって塩や砂糖が過剰に含まれる可能性がありますし、玉ねぎやにんにく、ナツメグなど犬が食べてはいけない食材が含まれている可能性もあります。5. 骨付き肉は与え方に注意
骨についた肉や骨自体を噛むことが好きなワンちゃんは少なくありません。硬すぎると歯が折れたり欠けたりすることがありますし、割れた骨を丸ごと飲み込んでしまう可能性もあります。必ず愛犬にとって安全かを飼い主さんが確認して、飼い主さんが見ているところで与えるようにしてください。犬への豚肉の与え方

豚肉は感染症のリスクがありますので、必ず加熱して与えましょう。人間用の味付けは犬にとって塩分や糖分が多すぎたり、にんにくや玉ねぎなど中毒を起こす成分が含まれる可能性があります。誤ってソースがかかった豚肉を食べしまった場合、普段と違う症状が出ないか注意してください。
適切な量
愛犬が豚肉を初めて食べる場合は、まず豚肉にアレルギーがないかを見るため少量にして様子を見てください。気になる症状が出た場合は、動物病院に相談しましょう。
毎日与えても良いですが、総合栄養食へのトッピングやおやつとして与える場合は、1日の最適カロリー量の10%以内にしてください。1日の最適カロリー量はペトコトオリジナルのフレッシュドッグフード「ペトコトフーズ」の「食事量計算機」(無料)で簡単に計算することができます。
どの部位がおすすめ?

含まれている成分の種類は変わりませんが、豚肉は調理方法によって含まれる栄養成分量は大きく変化します。今回は、豚肉の部位の中でも脂身の量が平均的な「ロース」で比較をしてみましょう。
| エネルギー(kcal) | 263 | 202 | 150 | 740 | 328 | 329 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| たんぱく質(g) | 19.3 | 21.1 | 22.7 | 5.1 | 26.7 | 23.9 |
| 脂質(g) | 19.2 | 11.9 | 5.6 | 76.3 | 22.7 | 24.1 |
| ナトリウム(mg) | 42 | 45 | 48 | 15 | 52 | 25 |
| カリウム(mg) | 310 | 340 | 360 | 110 | 400 | 180 |
| リン(mg) | 180 | 200 | 210 | 54 | 250 | 140 |
| マグネシウム(mg) | 22 | 24 | 26 | 5 | 29 | 19 |
| カルシウム(mg) | 4 | 5 | 5 | 1 | 6 | 5 |
犬には豚肉の脂身の少ない部位を

豚肉の脂にはコレステロールを減らしてくれるオレイン酸や、抗酸化作用のあるステアリン酸が含まれています。
ただし、脂質を過度に吸収してしまうと肥満の原因になってしまいます。犬には豚肉の中でも脂身の少ない部位をあげるようにしてください。
| 種類 | 脂質(g) |
|---|---|
| バラ | 35.4 |
| ロース | 19.2 |
| 肩 | 14.6 |
| モモ | 10.2 |
| ヒレ | 3.7 |
まとめ
もし、フードが合わず、獣医師などから手作りを勧められた場合は、栄養レシピに沿って与えてあげるようにしましょう。
与える際に気をつけたいポイントはいくつかありますが、たんぱく質やビタミン、ミネラルも豊富な食材です。愛犬に合った素敵な食生活を過ごしてくださいね!
参考文献
- American Kennel Club『Can Dogs Eat pork?』
- ロイヤルカナン『犬と猫の栄養成分辞典』
犬の栄養が満たされたおすすめのドッグフード
ペトコトフーズは、「エサからごはんへ」をコンセプトに掲げるフレッシュペットフードブランドです。
実際に、従来のドライタイプのドッグフードよりも水分量が多く、手作り品質のごはんを食べている犬のほうが寿命が約3年長くなることが、研究により明らかになっています。新鮮で美味しく、健康的なごはんを選ぶことが、愛犬の長生きの秘訣です。
1. 新鮮な国産食材をメインに使用
人間が食べるものと同じヒューマングレードの食材のみを使用し、国内の食品工場で製造しています。4Dミートや人工添加物は一切不使用。食材の配合割合や主な産地も公開し、安心できるごはんをお届けします。
2. 手作りのように抜群の食いつきのおいしさ
従来の高温加工を施したドライフードや、レトルト処理されたウェットフードではありません。新鮮な肉や野菜を低温スチーム調理することで、食材本来の香りや旨味、栄養をしっかりキープ。そのため、手作りのような抜群の食いつきを実現しています。
3. 全犬種・全年齢に対応した総合栄養食
社内の獣医師と栄養士が共同開発したレシピで、AAFCO基準を満たした総合栄養食です。サプリメントを除き保存料などは無添加。子犬からシニア犬まで、1日に必要な栄養をバランス良く補うことができます。
\税込・送料970円でお試し!/
「食べるかどうか不安…」という方でも安心して試せるように、ペトコトフーズでは通常価格から78%OFFの税込970円(送料無料)でお試しできるBOXをご用意しています。ぜひ一度お試しください。
この記事の監修者
ニック・ケイブ(Nick Cave)獣医師
米国獣医栄養学専門医・PETOKOTO FOODS監修
マッセー大学獣医学部小動物内科にて一般診療に従事した後、2000年に獣医学修士号を取得(研究テーマ:犬と猫の食物アレルギーにおける栄養管理)。
2004年にはカリフォルニア大学デービス校で栄養学と免疫学の博士号を取得し、小動物臨床栄養の研修を修了。同年、米国獣医師栄養学会より米国獣医栄養学専門医に認定。
世界的な犬猫の栄養ガイドラインであるAAFCOを策定する WSAVA の設立メンバーであり、2005年より小動物医学および栄養学の准教授としてマッセー大学に復帰。
家族とともに犬2匹・猫・ヤモリと暮らしながら、犬猫の栄養学の専門家として研究・教育に携わっている。