犬は豚肉を食べても大丈夫? ひき肉や脂などの栄養や手作りご飯まで

犬のドッグフードにも使われる豚肉。でも生の豚肉や蒸した豚肉は食べても大丈夫なのでしょうか? 今回は、犬と豚肉の関係や栄養素、骨や脂、茹で汁は健康に良いのか、手作りごはんレシピなどを紹介します。

この記事を監修している専門家

日本獣医生命科学大学獣医保健看護学科 小田民美講師

日本獣医生命科学大学 獣医保健看護学科卒業。2014年3月に犬猫の消化管ホルモンの遺伝子解析および糖代謝調整についての研究で博士号(獣医保健看護学)を取得。同年4月より同大学獣医保健看護学臨床部門 助教。2017年より現職。代謝栄養学分野に所属し小動物臨床栄養学、動物看護学全般を担当。日本獣医生命科学大学付属動物医療センター動物看護師 兼務。動物看護師統一認定機構「認定動物看護師」。日本ペット栄養学会認定「ペット栄養管理士」。一般社団法人「日本動物看護職協会」理事。

犬に豚肉は大丈夫! 栄養素も高いんです

犬に豚肉を食べさせても大丈夫です。ただし、豚肉は特に寄生虫感染などの問題がありますので、「必ず火を通す」ようにしてください。豚肉は栄養素が高く、たんぱく質が豊富で、ビタミンとミネラルのバランスが良い食材です。夏バテに豚肉が良いと言われるのはこれが所以です。

そのため、プレミアムドッグフードなどにも使用されています。ビタミンのうちビタミンB1は、疲労回復に良いとされ、ビタミンB3と呼ばれるナイアシンやカルニチンは脂肪をエネルギーに変換するため、ダイエットにも豚肉は適しています。しかし、カルニチンは熱に弱いため、できればしゃぶしゃぶなど、さっと火を通した状態で与えてあげると良いでしょう。

たんぱく質(アミノ酸)

たんぱく質は、アミノ酸が鎖状になってできたものです。たんぱく質には動物性と植物性があります。以前は動物性たんぱく質が植物性たんぱく質よりも消化吸収しやすいと考えられていましたが、食品の加工技術により、植物性たんぱく質でも十分に消化吸収が可能になりました。たんぱく質は原材料のまま使用するよりも、加工することで消化性が格段に上がります。例えば、大豆などは良い例です。たんぱく質は、消化されることで、アミノ酸に分解され、小腸から体内に吸収されます。そのため、肉食動物の猫や、肉食動物に近い雑食性動物の犬にとって、たんぱく質はエネルギー源とされています。

たんぱく質の積極的な摂取が推奨される場合

ダイエット時や、皮膚や被毛などの健康維持、筋肉の成長や維持をしたい場合に推奨されます。

たんぱく質の過剰な摂取を推奨しない場合

腎不全や慢性腎臓病などの腎臓に負担がかかっている場合や、肝臓病で高アンモニア血症や腹水がみられる場合、豚肉を始め、たんぱく質をあまり過剰に摂取しないほうが良いでしょう。

ビタミン

ビタミンは、エネルギー源になったり、体を作る成分ではありませんが、ごく微量の摂取で、体内の物質代謝を円滑にするために必要な成分です。消化されることなく、そのままの成分で体内に吸収されます。ビタミンには、脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンの二つがあります。

脂溶性ビタミン

脂溶性ビタミンは、A、D、E、Kの4種類が存在します。脂溶性ビタミンは体内に蓄積しやすいため、過剰摂取すると中毒があり得ます。

水溶性ビタミン

水溶性ビタミンはビタミンB群とC(アスコルビン酸)があります。アスコルビン酸は、肝臓や腸管でグルコースから容易に合成されるため、犬や猫の場合はビタミンB群のみとされています。水溶性ビタミンは、細胞内の蓄積に限界があるため、速やかに排泄されます。そのため、一般的に過剰摂取しても尿から排出されます。

ミネラル

ミネラルは、リンやカルシウムなど、動物の体を構成する元素のうち、酸素、窒素、炭素、水素を除いたもの全てを指します。動物の体内には、自然界にあるミネラルが全て存在するとされています。

適切な与え方

茹でたり蒸したりして、必ず火を通して与えてあげると良いでしょう。焼くことで焦げがついてしまい、犬にとって健康でない成分となる可能性があります。また、味付けはもちろんしないで与えるようにしましょう。味付けの調味料はとても危険で、犬にとって中毒性のある成分が含まれる可能性があります。

そのため、人間が食べる豚肉は味付けされていることがほとんどだと思いますので、与えることは避けましょう。BBQなどではBBQソースを使用することも多いです。多くのソースは大量の塩や砂糖、ガーリック、オニオンが含まれています。もし、誤ってソースがかかった豚肉を食べしまった場合、普段と違う症状がないか、注意して見守ってあげましょう。

適切な量

愛犬が豚肉を初めて食べる場合は、まず豚肉の食いつきを見るために少しだけ与えてあげましょう。豚肉をはじめ、ウサギ肉やラム肉はアレルギー症状を引き起こす可能性があります。アレルギーがあるかどうかは動物病院に行けばアレルギーチェックを2〜3万円ほどで確認することが可能です。

注意点

消化不良

豚肉は、犬が消化しづらい脂肪が豊富に含まれています。そのため、消化不良や膵臓の炎症を起こす可能性があります。そのため、豚肉を食べて嘔吐下痢を起こさないか気をつけてあげましょう。

生肉はあげても良いの?

生肉や加熱していない状態の豚肉は安全とは言えません。中毒性のある寄生虫が潜んでいる可能性があるためです。2009年頃、トキソプラズマと呼ばれる寄生生物の感染症が話題になりました。現在は食検査がきちんとされているため、市販の豚肉にトキソプラズマが報告されるケースはありません。しかし、生である以上、食中毒の可能性はあります。もし、生の豚肉を食べた場合、考えられる症状はこちらです。

  • 胃のむかつき
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 無気力
  • 筋肉の炎症
  • 痛み

これらの症状など、愛犬に異変を感じた場合はすぐに動物病院に連絡をして診てもらいましょう。その際に、どのような状態の豚肉をどのくらい食べたかを明確に伝えるようにしましょう。

骨はあげても良いの?

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骨つきの豚肉を食べた後に、骨を与えてあげることもあるでしょう。犬は骨を噛むことが大好きですが、100%安心とは言えません。加熱された骨は、脆くなっているため、骨が削れてそれを飲み込んでしまうと、内臓を傷つけたり、消化されず腸閉塞になる可能性があります。その場合は手術が必要になります。また、窒息してしまうことも考えられます。もし、加熱していない状態の骨であれば、歯のデンタルケアになりますし、おもちゃにもなるため、少しは安全です。ただ、基本的には危険が伴う骨は与えないようにすることをオススメします。

ハムやベーコンなど、加工食品は大丈夫?

ハムやベーコンなどの加工肉は市販の場合は与えない方が良いでしょう。2015年10月に世界健康機関が、ソーセージやハム、ベーコンなどは、燻製や大量の塩分により、発がん物質を伴うと発表しました。ハムやベーコンは塩分が多いです。犬は塩分を多少与えても大丈夫な体の構造ですが、腎臓病の犬には与えない方が良いでしょう。健康を気にする方は、愛犬にこれらの食品は与えない方が良いでしょう。

豚肉の脂には、コレステロールを減らしてくれるオレイン酸や、抗酸化作用のあるステアリン酸が含まれています。茹で汁やスープにしても脂が溶けるため、健康的には良いですが、与えすぎは避けた方が良いでしょう。もし、体調を崩してしまった場合は、動物病院で診てもらうようにしましょう。

豚肉を使った手作りごはんレシピ

おやつやフードとしても豚肉は多く使われています。

かぼちゃと小松菜の豚肉炒め

豚肉のひき肉を小松菜と炒め、かぼちゃと混ぜ、最後にえごま油をあえると出来上がりです。実際、シロップ代表の大久保は、前に飼っていたトイプードルの体調がなかなか良くならず、獣医師の勧めでこのレシピを与えてあげていました。

豚肉のハンバーグ

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豚肉はドッグフードのトッピングやおやつに

栄養が偏るため、基本的に豚肉そのままを中心にフードとして与えることはオススメしません。ドッグフードのトッピングやおやつとして与えてあげることが好ましいです。もし、フードが合わず、獣医師などから手作りを勧められた場合は、栄養レシピに沿って与えてあげるようにしましょう。また、豚肉が愛犬に合わなかった場合は、鶏肉がオススメです。アレルギーに気をつける必要はありますが、消化も良いですし、たんぱく質やビタミン、ミネラルも豊富です。愛犬に合った素敵な食生活を過ごしてくださいね!

参照

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※本記事は犬に豚肉を積極的に食べさせることを推奨するものではありません。犬に健康的な食べ物は、栄養がバランス良く摂れるように配合された総合栄養食としてのドッグフードです。犬と人では体の作りが違いますので、人の体に良いからといって犬にも良いとは限りません。逆に悪影響となったり、必要な栄養の吸収を阻害したりすることもあります。
ただ、食事は飼い主と愛犬の絆を強くする大切な時間でもあります。同じものを食べたいと思ったり、欲しそうにしている愛犬に少しわけてあげたいと思ったりすることもあるでしょう。そんなときは必ず与えても大丈夫なのかを調べ、適切な与え方や量(あくまでおやつとして)を守り、様子を見ながら与えるようにしてください。

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