【獣医師監修】犬はハーブを食べても大丈夫?安全なハーブやその効果、与え方やアロマについて解説

【獣医師監修】犬はハーブを食べても大丈夫?安全なハーブやその効果、与え方やアロマについて解説

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たくさんの種類があるハーブは、犬が食べられるものとそうでないものがあります。またハーブの匂いも、犬にさまざまな影響を与えます。最近では、トリミングの際のシャンプーやパックにも使われるようになりました。では、犬にとって安全なハーブの種類はどれで、食べさせる際にはどんな注意点があるのでしょうか。今回は、代表的なハーブについて解説します。

犬が食べても良いハーブ

犬が食べても大丈夫なハーブで、特に身近なものをご紹介します。

カモミール
ローズマリー
ローズヒップ
オレガノ
カモミール
ローズマリー
ローズヒップ
オレガノ

カモミール

カモミール

白く可憐な花が愛らしいカモミールには、利尿作用や口臭予防のほか、リラックス効果が期待できます。これは犬だけでなく、人間にもいえること。「ちょっと疲れたな」と思った日に、愛犬と一緒に楽しむのはいかがでしょうか。

ローズマリー

ローズマリー

肉料理の臭い消しにも使われ、すっきりと爽やかな香りが特徴のローズマリー。ローズマリーには、抗アレルギー作用と抗炎症作用を持った「ロスマリン酸」と呼ばれる成分が多く含まれています。

ローズヒップ

ローズヒップ

ハーブティーなどで楽しむ機会が多くある、ローズヒップ。別名があり、「ドッグローズ」「イヌバラ」ともいわれています。由来は諸説ありますが、その一つが、ローマ時代に狂犬病に効くといわれていたからなんだとか。ローズヒップは赤い小さな実ですが、抗酸化作用が高く、免疫力アップに効果的なビタミンCが豊富です。

オレガノ

オレガノ

イタリア料理で多く使われるオレガノは、爽やかな香りが特徴です。オレガノには、「チモール」「カルバクロール」という抗菌作用がある成分が含まれています。また、ビタミンCやEをはじめとしたビタミン類、カリウム、鉄分、カルシウムなども豊富。抗酸化作用のほか、消化促進などの効果が期待できます。

犬はオレガノを食べても大丈夫ですが大量に食べたり、成分が濃縮された精油を摂取したりすると下痢や嘔吐などの中毒症状を起こす可能性があります。与える量や回数に注意してください。

※「Oregano」(ASPCA)

しそ(大葉)

カモミール

日本を代表するハーブといえば、しそ(大葉)です。大葉には、ビタミン類、βカロテン、カリウムなどさまざまな成分が含まれており、消化を助けるほか、疲労回復などに役立ちます。


バジル

バジル

バジルもイタリア料理によく使われるハーブの中の1つです。バジルにはβカロテンやカルシウム、カリウムなどが含まれており、抗酸化作用が期待できます。


ミント

ミント

すっと爽やかな香りのミントは、口臭対策に良いといわれています。愛犬の口臭ケア商品には、ミントを使用しているものもあるので、気になる人はぜひ試してみてください。


タイム

タイム

香草焼きなどの料理に使われ、臭み消しや香りづけの効果を発揮するタイム。その清涼感ある香りは、気になる犬の臭いを和らげてくれます。また、殺菌効果や抗ウイルス作用があり、消化不良の改善にも役立ちます。

ラベンダー

ラベンダー

香りが人気のラベンダーは、犬にとってもリラックス効果や安眠効果があるといわれています。ただし、与えても大丈夫なラベンダーは「真正ラベンダー」という種類で、「ラベンダー・ストエカス」という種類のラベンダーは与えないでください。

犬が食べてはいけないハーブ

私たちにとっては身近なハーブでも、犬が食べると危険なハーブもあります。知らずに庭などで栽培したり、散歩中に出合っていたりすることがあるかもしれません。ここでは、犬が食べてはいけないハーブをご紹介します。

ジャスミン

ジャスミン

お茶として、またアロマの精油としても身近なジャスミン。その香りにはリラックス効果があるといわれています。しかし、犬がジャスミンを口にするのは危険です。犬にとって毒性があるので、食べると中毒症状を起こしてしまいます。

ユーカリ

ユーカリ

優しいグリーンがインテリアにもマッチしやすいと人気のユーカリ。一言にユーカリといってもさまざまな種類がありますが、なかには毒性があるものもあります。インテリアに使用する際は犬が口に入れないように注意しましょう。

ヨモギ

ヨモギ

餅などにも使われるヨモギは、散歩中にもよく見かける身近なハーブです。愛犬の口が届く場所に生えていることもありますが、ヨモギは犬にとって危険な植物です。犬がヨモギを食べると、下痢などを起こすことがあります。


マリーゴールド

マリーゴールド

オレンジやイエローの花が可愛いマリーゴールドは、庭先で育てることも多い植物です。ハーブティーにもよく使われますが、犬にとっては毒性があるといわれています。

マリーゴールドには防虫作用があることが知られていますが、それは主に根っこの部分に「チオフェン」という物質が含まれているからです。チオフェンは、犬にとって致死性の高い中毒成分ではありませんが、犬が摂取した場合、嘔吐や下痢、皮膚の炎症などを起こす可能性があります。


犬にハーブを与える際の注意点

犬とハーブ

犬にハーブを与えるときは、少量を細かく刻み、いつものごはんにトッピングしてあげましょう。ハーブは独特の香りや強い香りを持つものが多いため、嫌がって食べない犬もいます。その場合は、無理に食べさせないようにしてください。

また、ハーブは基本的に刺激が強いものですので、与える際は極少量にしましょう。

犬にハーブティーは与えても大丈夫?

犬が食べても大丈夫なハーブを使ったハーブティーは、犬に飲ませても問題ありません。ただし、与え過ぎには注意し、始めは薄めのハーブティーから飲ませるようにしましょう。

気を付けたいのは、複数のハーブをブレンドしたハーブティーです。ブレンドされたハーブの中に、犬が食べてはいけないハーブが使われている場合があります。そのため、市販のハーブティーを犬に与える場合は、なんのハーブが使われているか、パッケージを必ず確認してください。できれば、一種類のハーブのみを使ったものを与えるようにしましょう。


犬にハーブを使ったスイーツは与えない

ハーブは、クッキーやケーキなどのスイーツにもよく使われています。しかし、ハーブを使った人間用のスイーツには、犬の体によくない砂糖やバターなども多く含まれています。そのため、ハーブを使った人間用の加工品は、犬には与えないでください。


犬にハーブの精油を与えるのは注意を

アロマオイル

ハーブを使ったエッセンシャルオイルを生活に取り入れている方もいらっしゃると思います。植物の成分を濃縮した精油であるエッセンシャルオイルは、使い方を間違えると大変危険です。犬に使用する場合は、犬にとって危険がないものかどうかを、使用前に必ず確認してください。また、犬が誤って口にしないよう、管理は徹底しましょう。

サロンでよくみる「犬のハーブパック」とは?

シャンプーする犬

トリミングサロンで「ハーブパック」という言葉を見たことがある方もいるかもしれません。人間のエステサロンでもよく見かけますが、犬の場合、皮膚や被毛の健康を保ち、美しく見せてくれる効果があるといわれています。

もちろん、パックは犬の口に入っても大丈夫なものですので、肌トラブル予防に定期的に取り入れている方もいます。自宅でもできるハーブパックも市販されています。気になる方は、試してみてはいかがでしょう。

まとめ

ハーブ畑にいる犬

犬が食べても大丈夫なハーブと、そうでないハーブがある
犬にハーブを食べさせる際は、少量を細かく刻み、ご飯にトッピングしてあげる
エッセンシャルオイルを使用する場合は、犬にとって安全なものか確認する

ハーブには、ここでは紹介し切れないほどたくさんの種類があります。愛犬と一緒にハーブを楽しみたい場合は、犬にとって害がないものかどうか、必ず確認するようにしましょう。

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