【獣医師執筆】犬にマヨネーズはNG!理由や食べてしまった場合の対処法を解説
ポテトサラダやお好み焼きなど、マヨネーズは私たちの食生活にとって欠かせない調味料の一つですね。しかし、犬にとっては肥満の原因となる恐れがあります。今回はマヨネーズの成分やカロリーハーフとの違いについて解説します。
この記事を監修している専門家
ニック・ケイブ(Nick Cave)獣医師
米国獣医栄養学専門医・ペトコトフーズ監修マッセー大学獣医学部小動物内科にて一般診療に従事した後、2000年に獣医学修士を取得(卒業論文は『食物アレルギーの犬と猫の栄養管理』)。2004年よりカリフォルニア大学デービス校で栄養学と免疫学の博士号を取得し、小動物学臨床栄養の研修を修了。同年、米国獣医師栄養学会より米国獣医栄養学専門医に認定。世界的な犬猫の栄養ガイドラインあるAAFCOを策定するWSAVAの設立メンバー。2005年より小動物医学および栄養学の准教授、獣医栄養学の専門医としてマッセー大学に戻る。家族、2匹の犬、猫、そしてヤモリと暮らしている。
犬が食べてはいけないマヨネーズ
まず、「マヨネーズ」と表示して販売するためには農林水産省によって定められたいくつかの条件を満たさなければなりません。それに当てはまらない場合は「サラダクリーミードレッシング」と分類され、マヨネーズより多種類の添加物を使用することができるのが特徴です。
マヨネーズの条件
- 水分30%以下、油分65%以上であること
- 食材は食用植物油脂、醸造酢及びかんきつ類の果汁、卵黄及び卵白、たん白加水分解物、食塩、砂糖類、はちみつ、香辛料のみを使用すること
- 食品添加物は、香辛料抽出物と調味料(※)のみ使用すること
サラダクリーミードレッシングの条件
- 水分85%以下、油分10%以上50%以下であること
- 食材は、食用植物油脂、醸造酢及びかんきつ類の果汁、卵黄及び卵白、たん白加水分解物、食塩、砂糖類、はちみつ、でん粉、香辛料のみを使用すること
- 食品添加物は、調味料(※)、酸味料、乳化剤、着色料、糊料、香辛料抽出物、加工でん粉のみを使用すること
※ここでいう調味料とは、5'-イノシン酸二ナトリウム、5'-グアニル酸二ナトリウム、L-グルタミン酸ナトリウム、コハク酸二ナトリウム及び5'-リボヌクレオチド二ナトリウムのことを指します。
犬にマヨネーズを与えてはいけない理由
犬にマヨネーズを与えてはいけません。マヨネーズは大量の「食用油」や「酢」「卵」などでできています。マヨネーズはとても高カロリーな食べ物なため、あげ続けると肥満の原因となってしまう恐れがあります。
犬にカロリーオフマヨネーズなら与えても大丈夫?
「マヨネーズが高カロリーだからあげてはいけないのなら、カロリーオフのマヨネーズならあげてもいいのでは?」と思った方も、中にはいるのではないでしょうか。
カロリーオフマヨネーズに含まれているエネルギー量や脂質量は、一般的なマヨネーズに含まれる量の半分以下ではあるものの、実はカロリーオフマヨネーズには添加物がたくさん含まれているのです。
そのため、カロリーオフマヨネーズであったとしても、犬に与えるのはよくありません。
犬がマヨネーズを食べた時の対処法
犬がマヨネーズを舐めた・食べてしまった場合、摂取後しばらくは注意が必要です。
マヨネーズには卵が含まれているため、少量でも卵アレルギーを発症してしまう恐れがあるからです。
アレルギー症状は湿疹と痒みが主ですが、嘔吐や下痢、喘息、口周りの腫れなどを引き起こすこともあります。
ひどい場合だとアナフィラキシーショックになり、痒みやむくみ、じんましん、血圧低下、不整脈、ショック状態、虚脱、呼吸困難、失禁、脱糞、嘔吐、意識障害、痙攣を引き起こす恐れもあり、処置が遅れてしまうと死に至ることもあります。
症状は食べた直後に反応するとは限らず、1カ月後に表れる場合もあるので注意が必要です。そのため、万が一犬がマヨネーズを口にしてしまった場合はかかりつけ医に相談しましょう。
まとめ
マヨネーズで卵アレルギーを発症することも
カロリーが高く肥満の原因になる
カロリーハーフマヨネーズは添加物がいっぱい
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