犬の問題行動とは? 原因と対策をドッグトレーナーが解説

犬の問題行動とは? 原因と対策をドッグトレーナーが解説

近年、ペットの家族化が進み、子供がいる家庭よりも犬や猫と暮らしている家庭のほうが多くなりました。しかし犬は、性格に合ったしつけ方法ができていなかったり、住む環境が適していなかったりすることが原因で、「問題行動」を起こしてしまうことがあります。今回は、無駄吠えや食糞などの問題行動について、ドッグトレーナーの西岡が解説します。

問題行動とは

見つめるパグ

犬にとっては自然な行動であっても、飼い主さんにとって困る行動であれば、どんな行動であれ「問題行動」となります。例えば、「来客があると吠えるてうるさい。どうしてうちの子はこんなに吠えるのだろう。困ったわ」という場合は「犬の吠え」という問題行動です。

しかし、犬は理由もなくて吠えているわけではありません。犬の気持ちを理解してあげることで、「問題行動」は減少します。

一般的に、以下のような行動が「犬の問題行動」になりがちです。



犬の気持ちがわかれば問題行動は減る?

女の子と犬

犬の気持ちが分かれば、問題行動は減るのでしょうか? 理由が分かれば、適切な対策やしつけができるので行動自体を減らすことにも繋がりますが、それよりも理由がわかることで「飼い主さんが問題だと思わなくなる」ということのほうが大きいです。

問題行動の種類とその理由

ダックスフンドの子犬

犬が同じ行動をしても、問題行動だと思うかは飼い主さんによって違ってきます。問題とされやすい行動と、その原因について紹介します。

噛みつき

問題行動の一つに、人や物への噛みつきが挙げられます。飼い主さんの中には、「どうして手に噛みついてくるんだろう」、「物を壊すのだろう」と悩んでいる人も多いと思います。ではどうして犬は人や物を噛むのでしょうか。

【原因1】甘噛みから強い噛みへ発展してしまった

子犬の頃の甘噛みを「いつかなくなるだろう」と放っておくと、エスカレートして強い噛み癖になってしまい、ケガをすることがあります。甘噛みについての詳しい解説は、以下の関連記事をご覧ください。


【原因2】いつも手で遊んであげている

おもちゃがない時に手を動かしてじゃらし遊びをしていた場合は、「手=遊んでいいもの」と学習しています。手では遊ばないようにすることが大切です。手にじゃれてきた場合は叱ったりせず、遊びを中断して無視して立ち去りましょう。

【原因3】しつけのつもりで手で叩いたり足で蹴ったりしたことがある

叩かれたり蹴られたりした経験のある犬は、「手や足=痛いもの・怖いもの」という学習をしています。そのため「頭をなでようとしただけ」、「足が少し当たってしまった」という日常の生活の中でも恐怖経験から、攻撃的になることがあります。

まずは、叩いたり蹴ったりしないことです。そして手からおやつを与えるなど、ゆっくりと手や足に慣らしていく必要があります。人の手は、「優しくなでてくれたり、おやつをくれるもの」ということを覚えさせてあげることが大切です。

【原因4】触られるのが嫌い

犬によっては、触られることに慣れていなくて「犬の足を拭こうとしたら嫌がって噛み付いてくる」ということもあります。子犬の頃からどこを触っても嫌がらないようにしつけていくことが大切です。

触れるようにするためには、ホールドやリラックスポジションをとることから始めましょう。既に噛みつきがひどい場合は、犬に合わせたトレーニングが必要なこともありますので、ドッグトレーナーに相談しましょう。

【原因5】マズルコントロールをしている

しつけの方法としてマズルコントロール(口を抑えつけること)がありますが、犬にとってマズルは弱い部分です。そこをしつけとして、力ずくで押さえつけることでトラウマとなってしまうこともあります。

犬が何かいけないことをして、押さえつけようとしたときに噛んでくるというのは、犬にとって防衛本能です。しかし、マズルを触られても嫌がらないように慣らすことは大切です。優しく撫でてあげることは、コミュニケーションにもなります。

全く触らないということではなく、しつけとして力ずくでコントロールすることはせず、優しく撫でてあげることが大切です。マズルコントロールはとても難しい方法になります。安易にしつけの方法として使用せず、オビディエンスなど犬との信頼関係を築くことが大切です。

【原因6】噛まれてはいけないものを近くに置いてしまっている

犬は、噛んだり壊したりすることを遊び感覚でおこなってしまいます。噛まれてはいけないもの(高級な靴やカバンほど大好きです)を犬のいる場所に置くのは止めましょう。

 

【原因7】歯がかゆくて噛んでしまう

子犬の頃は歯が生えくる時期、生え変わる時期に歯がかゆくて物をかじるということをします。かじっているうちに「結果的に壊れてしまった」や「だんだんかじることが楽しくなった」となり、「壊すこと=楽しいこと」という学習をしてしまいます。そうすると、後々しつけをし直すことに時間が掛かります。

吠え

いわゆる、無駄吠え。犬がどうして吠えているのかが分からないからこそ、間違った対処をして吠えを強化してしまっている場合もあります。飼い主さんが困っていなくても、近所の人が困っているなど、ご近所トラブルの問題にもなりやすいです。

無駄吠えは、吠えるたびに叱ったり押さえつけたりするのではなく、どうして吠えているのかを理解してあげることが問題解決の近道です。詳しくは関連記事をご覧ください。


トイレが覚えられない

「犬がトイレシートで排せつできない」ということも、飼い主さんを悩ませる行動の一つです。犬がトイレを覚えられないことには理由があります。犬はもともと巣穴の中で生活していた動物です。寝床としている穴の中で排せつすることは、衛生的に良くないことを知っているため、必ず外へ出て排せつをします。

母犬が子犬のお尻などを舐めて排せつを促し、そのまま食べてしまうことにもそういった理由があります。詳しくは関連記事をご覧ください。


食糞行動

初めて犬を飼った人は、愛犬の食糞行動に衝撃を受けることが多いと思います。食糞は珍しい行動ではなく、動物にはウサギのように、栄養を摂るために食糞をする動物もいます。犬においても子犬や母犬などは食糞をしやすいです。では、やめさせたい場合はどうしたらいいのでしょうか。


【原因1】トイレが汚い

犬はきれい好きな動物です。お留守番などでトイレシートがいつまでも汚れたままだと、自分で食べて片付けてしまうことがあります。排せつしたらすぐに片付けてあげましょう。

【原因2】おいしいにおいがする

フードによっては、うんちになった後もおいしい匂いがするから食べてしまうことがあります。獣医さんに相談してフードを変えてみましょう。

【原因3】飼い主さんにかまってもらえる

うんちを食べることで、飼い主さんが「あー! ダメでしょう!」などと反応してかまってくれると知っているため、わざと食糞をすることがあります。愛犬と接する時間を見直してみましょう。もし少ないようでしたら、たくさん遊んであげることが必要です。それでも食糞をしてしまったときは、怒ったりせず静かに片付けてあげましょう。

【原因4】お腹が空いている

ごはんの量が足りない場合に、仕方なくうんちを食べることもあります。ごはんの量は最適かどうか、愛犬の体重から食事の量を見直してあげましょう。

【原因5】癖になってしまった

食糞をするきっかけを取り除いてもする場合は、食糞をすることが癖になってしまっていることが考えられます。排せつをしたら食糞する前に名前を呼び、おやつをあげてたくさん褒めてあげましょう。

飛びつき

ブルドッグ

飼い主さんが帰ってきたときなど、嬉しくて飛びついてくる行動も問題となることがあります。小型犬の場合は問題だと感じる人は少ないと思いますが、中型犬・大型犬となると飛びつかれただけで転んでしまうこともあります。

コーギーなどの胴の長い子はヘルニアなどの病気を引き起こす可能性もありますので、やめさせたほうがいいでしょう。

【原因1】興奮して飛びつく

飼い主さんが帰ってきて嬉しいときや、興奮したときに飛びついてきます。飛びついてきているときは無視。飼い主さんだけでなく、お客さんなどにも飛びつく場合は、事前に無視してもらうように協力してもらいましょう。犬が落ち着いてから撫でてあげましょう

【原因2】欲しいものが高い位置にある

おやつやおもちゃなど、欲しいものがあるときに飛びついてきます。飛びついている間はあげないようにして、愛犬が落ち着いておすわり伏せ指示が聞けたらおやつをあげたり、おもちゃで遊んであげたりしましょう。


まとめ

なでられる犬

犬の問題行動には必ず理由がある
理由を理解した上で、しつけの方法を考えてあげる

いろいろな問題行動がありますが、犬種や愛犬の性格によっても行動の理由が変わってきます。まずは、どういった場面で、どういった行動をするのか。どうしたら行動が収まるのかをよく観察してあげましょう。

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