犬が興奮する原因とは?興奮させない対処法やしつけ方

犬が興奮することには必ず理由があります。しかし、その理由や興奮するタイミングは、犬種や犬の性格によっても異なります。犬はどんなときに興奮しやすく、また落ち着かせるためにはどうしたら良いのでしょうか?

犬が興奮する理由とタイミング

思いっきり走る犬

犬が興奮するのは、人と同じで「嬉しいとき」「警戒しているとき」です。気持ちが高ぶり、1度興奮してしまうと、自身でコントロールすることが困難になります。愛犬を落ち着かせたいと思っている飼い主さんは、犬がどんな状況で興奮するのかどんな気持ちから興奮しているのかを観察して確かめましょう。

嬉しくて興奮するときの行動

犬は、飼い主さんやごはんなど、「好きな人・もの」を目の前にすると嬉しくて興奮します。嬉しい興奮のときにはどんな行動をするのでしょうか。

主に人に見せる行動


主に環境やものに対して見せる行動

  • 座ったり伏せたりして落ち着かない
  • 飛び跳ねる
  • 高い声で鳴く
  • しっぽを振る
  • 走り出して止まらない

警戒して興奮するときの行動

毛を逆立てて警戒する犬

来客を知らせるチャイムが鳴ったとき、苦手な人や犬に出会ったときなどにも、警戒や威嚇をして興奮します。

  • 吠える
  • 毛を逆立てる
  • しっぽを振る・立てる
  • 耳を立てる(対象に向ける)
  • 噛む素振りをする
  • 挑発的な行動をする

1番わかりやすいものとしては、人に対する吠えだと思います。チャイムの音に吠えるのも「自分のテリトリーに知らない人が来た」という警戒吠えが多いです。しかし、人が好きで嬉しくて吠えることもあるので、これは犬の性格や様子を見て判断しましょう。

その他の状況と行動

  • 猫や鳥など動く物を見つけたとき
  • 自分のしっぽを追いかける


犬や環境によって異なる興奮行動

ジャンプする犬

基本的には、嬉しくて興奮している時に見せる行動は似ていますが、嬉しい対象が人なのか、物なのか、環境なのかによっても出る行動は変化します。また、犬の性格や犬種としての気質によっても変化します。

たとえば、飼い主さんの持っているものが欲しいとき(おやつやおもちゃなど)、ミニチュアピンシャートイプードルは体が小さいために、ぴょんぴょん飛び跳ねる行動をしやすいです。また、コーギー柴犬は、ドッグランなど広い場所で興奮すると、突然走り出して止まらないといった行動を取りやすいです。

これらの行動は、環境の状況によって異なります。飼い主さんが立っている状態でおもちゃを持っていると、小型犬にとっては高い位置に欲しいものがあるために、飛び跳ねるという行動が出やすくなります。使役犬として広いフィールドを走っていたコーギーや柴犬のような犬種は、「駆け回りたい!」という本能が騒ぐと考えられます。

犬種や性格、環境によって興奮時に見せる行動は変わりますので、その変化に気付けると良いですね。

犬が興奮するとケガをしやすくなる

おもちゃを引っ張るパグ

嬉しくて興奮しているときは、部屋を駆け回ったり、ぴょんぴょんジャンプしたりすることが多いため、関節を痛めやすくなってしまいます。また、警戒の興奮では攻撃行動に出ることもあり、相手にケガをさせてしまう可能性もあります。

興奮時は飼い主の声も届かないことがほとんどで、屋外でうっかりリードが手から離れてしまった場合、交通事故に合う危険性もあります。

犬を興奮させないための対策としつけ

散歩中の犬

興奮した犬を落ち着かせるのはなかなか難しいもの。まずは、「興奮させない」ことが大切です。日頃から愛犬がどんなタイミングで興奮するのかを理解しておくことで、興奮する前に対策をとることができます。

散歩中の犬に興奮する場合

犬が好きで散歩中に他の犬を見ると興奮してしまう犬の場合、犬に引っ張られても動かず、犬が落ち着くのを待ってください。興奮が落ち着いてから歩き出し、また興奮して走り出そうとしたら止まって、落ち着くのを待ちましょう。

何度か繰り返しているうちに、犬は自分が落ち着いたら(犬にとっては座ることや飼い主を見ることなど)他の犬の元へ行けることを理解します。この時コマンドを入れるとすれば、待て「Look(アイコンタクト)」おすわり伏せです。そして、それができたときの褒美は「犬に近づく」です。

犬が他の犬を見ると攻撃的になってしまう場合は、愛犬が他の犬を見つける前に飼い主さんが気付き、おやつやおもちゃをあげるなど、犬自身に気が付かせないことといった対応をしましょう。そのほか、先程挙げた基本的なしつけ、オビディエンスを練習するようにしましょう。


チャイムに興奮する場合

宅配物やお客さんが来たときに必ず鳴るインターフォンやチャイム音。犬はこれまでの経験から、それらの音が鳴ると知らない人が来ることを知っています。

以下のような対策をしてみましょう。

  • 誰かに協力してもらいチャイムに慣らす練習をする。
  • チャイムが鳴ったら吠えるのではなく、クレートに入るなど別のルールを教えてあげる。
  • チャイムを鳴らさない、または来客を犬に気付かせないようにする。

チャイムの音に慣らす詳しい方法はこちらの記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。

別の行動をさせるには、ハウスができること、強化(もっと好きにさせる)することが必要です。その上でチャイムが鳴ったらハウス」とコマンドを言い、「チャイム=ハウスに入ること」を教えていきましょう。


飼い主さんの帰宅に興奮する場合

時間になると家族が帰ってくることを知っている犬は、「そろそろ帰ってくるかな」と思うとそわそわ落ち着かなくなります。そして、玄関の鍵を開ける音に「待っていました!」と走ってお出迎え。飼い主さんに飛びついたり、後を追ったりと忙しない犬の場合には、無視がおすすめです。

犬は飼い主さんに早く名前を呼んでもらって、撫でて、遊んでもらいたいのです。興奮した状態で、「ただいまー」と体を撫でたり声をかけたりすると、余計に興奮してしまいます。犬が興奮している間は反応しないで、犬が落ち着いてから撫でたり遊んであげるようにしましょう。

ここでコマンドによるしつけをするのであれば、伏せ待てがおすすめです。おすわりよりも動き出しにくく、待ちやすい姿勢です。

伏せをかけて、犬が落ち着いてから「OK」や「よし」のコマンドで待てを解除してあげて、たくさんかまってあげてください。

ドッグランで興奮した犬を落ち着かせる方法

伏せた犬

ドッグランで遊んでいるうちに興奮しすぎてしまうなど、一度興奮してしまうと落ち着かない、止まらないといった経験がある飼い主さんも多いと思います。呼んだら来るようにしつけることが何よりも大切ですが、リードをつけた状態で、伏せをさせ落ち着くまで待ちます。

伏せをさせてもすぐに動き出してしまう場合は、犬が伏せた状態で立ち上がれない長さ(短すぎないように)でリードを踏んでおくのもおすすめです。場合によっては一度ドッグランから出てもいいでしょう。

興奮した犬を落ち着かせるには、興奮状態を断ち切ることが一番です。とは言え全速力で走り回る犬を追いかけて止めることは困難です。追いかけられれば反射的に逃げて行きます。飼い主さんは慌てず冷静に、名前を呼んだりコマンドを言ったりして、犬から興奮行動を切り離すようにしてください。呼び戻しができないうちは、ロングリードをつけて遊ばせるなどの対策も大切です。

原因がわからない犬の興奮は病気が原因かも

さみしげな犬

運動不足やお留守番が長くて寂しい思いをしている犬は、幸せの沸点が低く興奮しやすい傾向にあります。しかし、興奮した犬の前後の行動を見ても、興奮となる原因がわからない場合には病気の可能性が出てきます。

たとえば、自分のしっぽを追いかけ続けたり、突然発作のように鳴いたり暴れたりするような行動がみられる場合には、「てんかん」「認知症」の可能性があります。一度動物病院へ連れて行き、獣医師さんに相談してみましょう。


「興奮する犬」と「落ち着きがない犬」は違う

においを嗅ぐ犬

よく「うちの犬は落ち着きがなくて……」という飼い主さんがいますが、落ち着きがない犬だから興奮しやすい犬か、というのはまた違うお話です。興奮とは、物や人に対して気持ちが高揚し、そのことしか見えなくなるイメージです。

一方、落ち着きがないというのは、じっとしていられない状態です。これは必ずしも気持ちの高揚とは限らず、緊張、恐怖、パニック、不安、といったマイナスのイメージのものも含まれます。一歩外に出れば、キョロキョロあたりを見回して、地面に鼻をくっつけてのにおいをしきりに嗅ぎ回るなどは「興奮」ではありません。

もちろん、子犬や若い犬やしつけがされていない犬は、見るもの全てに興味を示し、「あれは何?」「これはおいしい?」と「なんだかよく分からないけれどなんでも楽しくって仕方がない」といった、落ち着きのない犬もいます。

犬は大体2〜3歳ほどでやんちゃな時期は過ぎ、落ち着き出すといわれています。落ち着きがない犬のしつけ方は、興奮する犬の対処方法、しつけ方とは異なりますので注意が必要です。


まとめ

飼い主さんを見る犬

犬が興奮するのは、嬉しいとき、もしくは警戒しているとき
犬は1度興奮すると、自分でコントロールすることが難しい
興奮してしまった場合は、「待て」や「おすわり」、「伏せ」などのコマンドで興奮から切り離す

日頃から気持ちのコントロールの練習をするのもおすすめです。遊びの中でも一度中断して「待て」をさせる。最初は5秒、10秒など、犬が現時点で待てる長さから始めて、待てたらまた遊んであげます。これを繰り返して、少しずつ待てる時間を伸ばしていくことで、犬自身である程度自分の気持ちをコントロールできるようになってくるでしょう。

オンとオフの練習は他のしつけをするときにも役立ちますのでおすすめします。