白柴は茶色くなることがある?性格や寿命、希少な理由などを解説
日本が世界に誇る、日本犬。中でも柴犬は、日本国内外でも絶大な人気を誇っています。今回は、そんな柴犬の中でも真っ白い「白柴」について紹介します。「体が弱い」と言われる理由や、毛の色、鼻の色の変化なども触れていきます。
白柴とは
柴犬の毛色には「赤毛」「黒毛」「胡麻」「白毛」の4種類あり、その中の白い毛の柴犬が一般的に「白柴」と呼ばれています。
普段、私たちが呼んでいる「白柴」という呼び方はいわゆる愛称であり、血統書には「淡赤」と表記されます。赤毛の柴犬と比較すると白柴の割合はとても少なく、希少性が高いです。
白柴の特徴
白柴の外見
「白柴」と呼ばれていますが、正式名称が「淡赤」であることからもわかる通り、実際には少し赤みがかった色をしています。特に背中やしっぽにこの色が現れやすく、うっすら茶色い毛が生えているのがわかります。
白柴の鼻の色
白柴の鼻は、黒や茶色のほかにピンクっぽい色になることがあります。個性的で可愛い見た目のピンクの鼻ですが、その理由には以下のような理由が考えられます。
<遺伝>
子犬のときは黒かったのに、時間が経つにつれて色がピンクっぽくなっていく場合には、その理由の一つに遺伝も考えられます。色素が薄い白柴にとって、珍しい現象ではありません。
<ウィンター・ノーズ>
冬になると鼻の色が変わる現象です。ウィンター・ノーズが見られる代表的な犬種にはラブラドールレトリーバーなどが挙げられ、白柴のように比較的色素が薄い犬種が多いです。
夏の間はメラニンの作用によって黒くなることもありますが、夏になってもピンクのまま、変化しない場合もあります。
<銅欠乏症>
犬用にバランスを考えて作られた市販のごはんを食べていれば、基本的に不足することはない栄養素ですが、手作りのごはんなどで摂取する栄養が偏ると、鼻の色が薄くなり、ピンクっぽくなることがあります。心配な方は、獣医さんに健康状態を診てもらいましょう。
白柴の性格
ほかの色の柴犬同様に、飼い主に対してとても忠実な性格です。運動意欲もあり、おもちゃで遊ぶことも好きです。一方で、気が強く神経質という一面も持ち合わせているので、早い段階からトレーニングが必要です。
豆柴の性格
「豆柴」は、小さい柴犬同士をかけ合わせて作られた単に「小さい柴犬」であり、「豆柴」という犬種は公式には認められていません。気質などを考慮せずに無理のあるブリーディングによって繁殖された豆柴は、普通の柴犬よりも気性が荒かったり神経質だったりと、難しい性格であることも少なくありません。
白柴の寿命
一般的な中型犬の平均寿命と同じ、13〜15歳となっています。
近年は生活環境の向上や医療技術の発展により、少しずつ寿命も伸びています。
「白柴は弱い」はウソ
平均寿命からもわかるように、白柴もほかの柴犬と同じくらいの丈夫さと体力を持っています。ときどき「白柴は弱い」といわれるのは、その見た目からアルビノを連想する人が多いからかと推測します。
しっかりと環境を整えずに飼うアルビノの平均寿命が短いことは事実ですが、白柴はアルビノではありません。ほかの色の柴犬と異なるのは、毛と鼻の色だけです。
白柴が少ない理由
白柴の割合は、柴犬全体の1割ともいわれており、黒柴と並んで希少な色の柴犬です。その理由には意図的な目的があります。
白柴の繁殖の制限
柴犬の色は遺伝子によって決まりますが、白柴は赤毛同士の遺伝子からも、白毛同士の遺伝子からも生まれる色です。一方で、白毛同士から赤毛が生まれることはありません。つまり、白柴はほかの色よりも生まれる可能性が高いので、増やせば増やすほど全体の中での割合が高くなり、バランスを崩してしまうということです。
バランスが崩れれば最終的に、生まれにくい遺伝子を持つ色は絶滅します。
そこで、赤毛を保護するために、白柴が増えすぎないよう繁殖を制限したり、ショーで入賞する可能性を下げたりして、数をコントロールしている背景があります。
白柴の毛色の変化
白柴に限らず、複数の色がある犬種の場合、生活している中で色が変わることは珍しくありません。白柴にはうっすらと茶色い模様がありますが、これが濃くなったり、全体的に茶色くなるのは自然なことです。
さらに、アンダーコートがふわふわな冬と、それが抜けた後の夏とでは、毛の雰囲気も大きく異なります。
白柴のしつけ
白柴を含む柴犬のしつけには、正しい知識と覚悟、飼い主の努力が必要です。
柴犬は日本犬特有の忠実さを持ち合わせていますが、しつけの方法を間違えてしまうと、家族に対しても攻撃するようになってしまいます。
また、柴犬は気が強いだけでなく、自分に関わる犬や人に対して特に神経質になる一面もあります。そのため、早いうちから家族以外の人や犬と触れ合う時間を設けるという「社会化トレーニング」が必要です。
そうすることで、飼い主と愛犬との信頼関係を築くことができるのです。
白柴に必ず教えたいコマンド
柴犬を家族に迎えたら、なるべく早い段階で教えるべきコマンドがあります。愛犬が混乱してしないよう、指示する時のコマンドは必ず統一するようにしましょう。コマンドは、犬の興奮を抑えたいときや、緊急時に役立ちます。
<待て>
「待て」は、本能的な衝動で行動することが多い、ごはんやおやつの前に取り入れると効果的です。また、家の中だけでなく外でもできるようになると、行動をコントロールすることができ、緊急時にも役に立ちます。
<おすわり>
「おすわり」や「すわれ」は、座ったらおやつをあげるということを繰り返して教えます。興奮時はもちろん、信号待ちで飛び出さないよう落ち着かせることで危険を回避することができます。
<ハウス>
「ハウス」は、クレートやケージに行かせるためのコマンドです。そのほか、来客時や就寝時、さらには災害時にも必要になります。<おいで>
遊びや運動を兼ねて「おいで」のトレーニングをすると身につきやすいです。難易度は高くないコマンドなので、さまざまなトレーニングと合わせて身につけさせると良いでしょう。
白柴を迎える方法
一度家族に迎えたら、子犬から老犬になっても大切に、命に責任を持ちましょう。白髪も生えれば、病気にもかかるかもしれません。お金がかかるのは家族に迎える時だけではないことを踏まえ、もう一度考えた上で迎えることを検討してください。
保護犬から迎える
保護され、里親を探している犬は雑種だけでなく、血統書のある犬も多くいます。
ペトコトの姉妹サイトである保護犬・保護猫マッチングサイト「OMUSUBI(お結び)」も、ぜひ覗いてみてください。
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ブリーダーから迎える
好きな毛色や、血統など気にするのであれば、信頼できるブリーダーから迎えるという方法もあります。実際に見学に行き、どんな環境で飼育されているのかを確認することも必要ですが、飼う上でのアドバイスも直接聞くことができます。
ペットショップから迎える
ペットショップでは生後2~3カ月ごろの販売が多く、4カ月を過ぎてくると値段がだんだんと下がってくることがほとんどです。月齢やペットショップによって大きく異なりますが、柴犬の値段は幅が広く5~20万円ほどです。
白柴と楽しい生活を
白柴を含む柴犬は日本古来の犬種で、比較的飼いやすい犬種です。現在は本来の柴犬よりも小さい「豆柴」と呼ばれるサイズの柴犬も存在し、人気を博しています。しかし「人気だから」「可愛いから」という安易な理由だけで飼うのではなく、しっかりと犬種の歴史や性格・特性を理解してから迎えるようにしましょう。