猫は雪が嫌い?嫌いな理由や霜焼け・凍傷などの注意点を解説
猫は寒さに弱い動物として知られていますが、インターネット上には猫が雪の中で遊んだり、雪の上に猫の足跡が付いていたり、猫が雪を食べたりしている動画や画像などもあります。猫は雪の中でも大丈夫なのかと思う方もいると思いますが、猫が雪の中に出たからといって、すぐに命に関わるようなことはありません。ただ、やはり注意は必要です。
猫は雪が好き?嫌い?
猫は寒い・濡れるのが苦手なため、基本的に雪は嫌いな動物です。
猫は寒いのが苦手
筆者は猫を完全室内飼育しているため、雪の中に出したことはありませんが、室内であっても寒い場所が嫌いなのは確かです。冬場の猫の大好きな場所といえば「ヒーターの前」と「こたつの中」が1番です。
猫は体が寒さに強くない造りになっているため、健康を考えても雪の中で過ごすことは良くありません。
猫は濡れるのも苦手
雪は冷たいだけでなく、触れることで足や被毛が濡れてしまいます。猫は濡れることも嫌う動物です。つまり、雪は猫が嫌いな要素がいっぱいのため、多くの猫は雪が苦手といえるでしょう。
雪が好きな猫もいる
多くの猫は雪は苦手ですが、なかには雪の中で遊ぶのが好きな子もいるようです。
動画に映っている猫はまだ若く、活発で雪が珍しいのでしょう。冷たいとか寒いとかいうことよりも、楽しく遊ぶことに夢中になっているようです。
猫が雪を嫌う理由
猫が雪を嫌う理由として寒さに弱い体のつくりをしていることが挙げられます。
寒さに弱い体のつくりをしている
雪で楽しく遊ぶ猫もいるようですが、大抵の猫は雪があまり好きではないでしょう。それは猫の生態に理由があります。猫の祖先は「リビアヤマネコ」だとDNAの解析により判明しています。リビアヤマネコは中東からエジプトにかけての砂漠地帯に現在でも生息しています。
猫は祖先の代から温かい場所で生活し、体もそれに順応した造りになっています。そのため、猫は暑さには強く、寒さには弱い傾向があるのです。
猫の肉球は、犬よりも寒さに弱い
犬が雪の上を歩いたり、楽しそうにはしゃいだりするのに対し、猫が暖かい場所にいる理由は、それぞれの祖先の出身地だけが理由ではありません。犬と猫とでは、肉球の表面の構造や血液の流れなどが、異なる構造をしていることが研究でわかっています。
犬は長時間、氷や雪の上を歩いたり走ったりしても平気な構造をしていますが、猫は氷や雪に長時間触れていると、体内の熱がどんどん冷えてしまうのです。
猫が雪を好む理由
猫は遊び好きで、新しいものに興味を持つという面も持っています。遊びに夢中になるあまり「ごはん」と呼んでも来ないこともあるくらい、子猫や若い猫は遊び好きです。
雪の冷たさは猫にとって苦手な部分ですが、普段目にしない珍しいもので感触も新鮮です。
フワフワと空から降ってくる様は猫がじゃれたくなる要素もありますね。そういう雪は猫にとっては楽しく遊べるものでもあるのでしょう。
寒さを苦痛に感じない間は、夢中になって遊んでしまう子もいるようです。
猫が雪で遊ぶ際のリスク
猫が雪で遊んでも大丈夫なのかと心配になる方もいるでしょう。猫が雪で遊ぶと、霜焼け・凍傷になる恐れがあります。
霜焼け・凍傷の恐れ
猫は寒さに強くないため、雪の中に長時間いると霜焼けや凍傷になる恐れがあります。「霜焼け」「凍傷」とは寒さにより血行が悪くなり炎症を起こすことをいいます。寒さに弱いといっても、若く健康な成猫であれば多少の雪の中を歩いたからといって霜焼けになることはあまりありません。
しかし子猫や老猫などの体力がない子は要注意です。雪が積もっただけではなく、みぞれや雨などが混じることによってシャーベット状の雪の中を歩かざるを得ないときなどは、凍傷になってしまう恐れはあるでしょう。
霜焼け・凍傷の症状
猫の霜焼けの症状は人間の症状と似ています。赤く化膿したり水ぶくれができたりし、痛痒いです。雪に直接触れる足や肉球だけではなく、耳や尻尾の先などは血行が悪い場所なので、凍傷になりやすいでしょう。
完全室内飼育をしていれば、どんなに悪天候だろうと凍傷になることはありませんが、外に出している場合は、猫の様子に気を付けましょう。
もし凍傷になったら炎症が化膿して重症化することもありますので、早急に動物病院へ連れて行きましょう。
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猫が雪を食べても大丈夫?
猫が雪を食べることは、基本的には少量であれば大きな問題にはなりませんが、いくつかの注意点があります。まず、清潔な雪であることが重要です。人が多く行き交う道路や歩道に積もった雪には、融雪剤や化学物質、汚染物質が含まれている可能性があり、猫にとって有害です。新鮮で清潔な雪であれば、少量を食べても大丈夫ですが、汚染された雪は避けるべきです。
また、低体温症のリスクにも注意が必要です。特に小型の猫や健康状態があまり良くない猫は、大量の雪を食べると体が冷え、低体温症を引き起こすことがあります。室内で暖かい場所を用意し、体温低下を防ぐことが大切です。
さらに、雪を食べることで消化不良や胃の不快感を引き起こすことがあり、これは特に大量の雪を食べた場合に見られます。また、野生動物の排泄物やゴミが混じった雪には寄生虫や病原菌が含まれている可能性があるため、感染症のリスクも考えられます。
もし猫が雪を食べた後に体調を崩したり、異常な行動が見られる場合は、すぐに獣医師に相談してください。
猫は雪などの寒さに強い猫種もいる
寒さが苦手だと思われがちな猫ですが、なかには寒さに強い猫種もいます。
「メインクーン」や「ノルウェージャンフォレストキャット」などの猫種は、長くボリュームのある被毛やふわふわなアンダーコートを持つため断熱効果があります。
また、防水性のある被毛を持っていることから中には水を好む子もいるようです。
家の中で猫と雪見にしましょう
世の中には寒さに強い猫や雪が好きな猫もいますが、長時間、雪の中で過ごすことは決して猫にとっては良いことではありません。
病気や事故のリスク、虐待される危険があることからも、猫は完全室内飼育が推奨されています。猫は安全で温かいおうちの中からの雪見がおすすめです。
参考文献
- 『猫種大図鑑』著者:ブルース・フォーグル/監修:小暮規夫
- Wiley Online Library『Functional anatomy of the footpad vasculature of dogs: scanning electron microscopy of vascular corrosion casts』
- Scientific Research /Open Journal of Veterinary Medicine 『Comparative Anatomy of the Vasculature of the Dog (Canis familiaris) and Domestic Cat (Felis catus) Paw Pad』