
甲斐犬の飼い方!性格や寿命、しつけなどをドッグトレーナーが解説
甲斐犬といえば「虎毛」が特徴的で、日本に古くからいる日本犬として国の天然記念物に登録されています。本稿では、甲斐犬の性格やしつけ方、かかりやすい病気などについて、ドッグトレーナーの長根が紹介します。
甲斐犬の基礎知識

英語表記 | Kaiken |
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原産国 | 日本 |
サイズ | 中型犬 |
体高 | 48〜53cm前後 |
体重 | 16〜18kg |
寿命 | 14~16歳 |
甲斐犬は虎模様の被毛から、別名「虎毛犬」とも呼ばれています。
日本に古くからいた日本犬のうちの1匹で「一代一主」と表されるほど、飼い主に忠実な性格をしています。
甲斐犬は四肢がすっきりとした「鹿犬型」と、ずんぐりした「猪犬型」と体格によって分けられていたようですが、現在いるのは鹿犬型で、猪犬型は絶滅したといわれています。
日本犬とは
日本に古くからいる在来犬種のことを「日本犬」といいます。日本犬は古くから猟犬や、家庭犬として私たち人と暮らしてきました。そんな長い時代を経ても原始的な形態を損なわない日本犬を保存するべく、各地域ごとで天然記念物として指定されています。
公益財団法人「日本犬保存会」では「柴犬」「紀州犬」「四国犬」「北海道犬」「甲斐犬」「秋田犬」の6種を日本犬として指定し、それぞれ国の天然記念物にもなっています。
甲斐犬の歴史

日本原産で、紀元前の頃からいた中型犬が祖先だと考えられています。
南アルプスの周辺地域が主な生息地で、猪やカモシカなどの狩りに使われていた猟犬です。
自分の群れ以外を警戒する性格から純血が保たれてきたといわれており、1934年に天然記念物として指定されました。
甲斐犬の毛色
甲斐犬は「黒虎」「赤虎」「中虎」の3種類の毛色があり、それぞれの毛色でも、虎模様の入り具合や濃淡に差があります。まれに白の毛色の子もいるようですが、日本犬保存会や血統書登録団体であるジャパンケンネルクラブでも白色は甲斐犬として認めていません。
甲斐犬の性格や特徴

甲斐犬は、野性的な姿を残した原始的な犬です。
性格
忠誠心や警戒心が強い性格です。鋭敏な感覚を持っていて、知能も高いです。一方で知らない人や動物に対しては、警戒して攻撃的になる面もあります。
特徴
筋肉質で四肢はがっしりとしています。舌に「舌斑(ぜっぱん)」と呼ばれるあざのような黒い模様があることが多く、「虎毛」と呼ばれる被毛が特徴です。甲斐犬の育て方

もともと、猟犬として活躍していただけあって、体力のある犬種です。毎日の散歩は1日60分以上してあげましょう。
甲斐犬のしつけ方
忠誠心の強い甲斐犬は関係作りがとても大切です。子犬の頃から「遊んであげる時間」と「構わない時間」とを区別しましょう。また、警戒心が強いため、子犬の頃から家族以外の人や他の犬などと関わらると、成犬になったときにむやみに警戒して吠えることが少なくなります。
甲斐犬のお手入れケア
甲斐犬は「オーバーコート(太くて固い毛)」と「アンダーコート(細くて柔らかい毛)」の二つをもったダブルコートと呼ばれる被毛を持っています。トリミングは必要のない犬種ですが、毛は抜けやすいため、ブラッシングは2~3日に1回程度してあげましょう。
甲斐犬の体型・体重管理
健康な毎日を過ごすためには、適切な体型・体重を保つことが欠かせません。定期的に体重を量ることは重要ですが、適正体重は成長とともに変化します。同時に「ボディ・コンディション・スコア」(BCS)という評価指標を利用することで適正な体型・体重を維持することができます。
参照:『飼い主のためのペットフード・ガイドライン』(環境省)
YouTubeのPETOKOTOチャンネルでは獣医師の佐藤先生が体重の測り方やボディコンディションスコアの確認方法を解説していますので、ぜひ参考にしてください。
甲斐犬の食事

犬の食べ物は「エサ」と呼ばれていた時代から、家族の「ごはん」と呼ぶ時代へ変わりました。私たちと同じように、犬も栄養バランスの良いごはんを食べることで健康を維持することができます。ごはん選びをする際は、以下の2点を気を付けていただくといいでしょう。
1. 総合栄養食を適量与える
犬が必要とする栄養は人間と同じではありません。そこで生まれたのが「総合栄養食」と呼ばれるごはんです。おやつなど「一般食」や「副食」と呼ばれるごはんだけ食べていると体を壊してしまいますので、「総合栄養食」のごはんを選ぶようにしましょう。総合栄養食を食べていても与える量が少なければ痩せてしまいますし、多ければ太ってしまいます。パッケージに書かれた食事量は目安ですので、ボディ・コンディション・スコアで「3」の「理想体型」を維持できる量を与えるようにしてください。
2. 添加物の少ない新鮮なごはんを選ぶ
犬のごはんと聞いて「カリカリ」と呼ばれる茶色い豆粒を想像される方も多いと思いますが、正しくは「ドライフード」と呼ばれる加工食品です。保存しやすく食いつきも良いことから犬のごはんとして一般的になりましたが、高温加熱によって食材本来の栄養が失われ、添加物も多く含まれることから見直しが進んでいます。そこで生まれたのが素材本来の旨味や香りが楽しめ、余計な添加物も入っていない「フレッシュフード」と呼ばれる新鮮なごはんです。PETOKOTO FOODSもその一つで、子犬からシニア犬(老犬)まで毎日のごはんにすることができます。もちろん総合栄養食です。
PETOKOTO FOODSの公式HPを見る
甲斐犬がかかりやすい病気
基本的に病気をしにくい犬種ですが、アレルギー性皮膚炎には気を付けましょう。食事や花粉、環境によってもアレルギー症状は出ます。症状が出た場合は、獣医師とよく相談しましょう。
甲斐犬の迎え方

一度家族に迎えたら、子犬から老犬になっても大切に、命に責任を持ちましょう。
白髪も生えれば、病気にもかかるかもしれません。お金がかかるのは家族に迎える時だけではないことを踏まえ、もう一度考えた上で迎えることを検討してください。
保護犬から迎える

保護され、里親を探している犬は雑種だけでなく、血統書のある犬も多くいます。
ペトコトの姉妹サイトである保護犬・保護猫マッチングサイト「OMUSUBI(お結び)」も、ぜひ覗いてみてください。
OMUSUBIで保護犬猫を探す
ブリーダーから迎える
ペットショップではあまり見かけない犬種のため、ブリーダーから迎える人が多いようです。実際に見学に行き、どんな環境で飼育されているのかを確認することも必要ですが、飼う上でのアドバイスも直接聞くことができます。
ペットショップから迎える
ペットショップで見かけるのはまれのため、事前に調べる必要があります。ペットショップでは生後2~3カ月ごろの販売が多く、4カ月を過ぎてくると値段がだんだんと下がってくることがほとんどです。
月齢や血統、ペットショップによって大きく異なりますが、一般的な価格の相場は10~25万円ほどです。
甲斐犬と楽しい暮らしを!

猟犬として活躍していた時代から、だんだんと家庭犬として暮らすになってきました。
しっかりトレーニングし、関係を築くことでとてもよいパートナーになることは間違いなしです!
参考文献