チベタンマスティフの飼い方!性格や特徴、しつけなどをトレーナーが解説

チベタンマスティフの飼い方!性格や特徴、しつけなどをトレーナーが解説

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チベタンマスティフは、大きな体と立派なたてがみを持ち、その姿はライオンのようにも見える犬種です。日本で見かけることはまれで、一時は絶滅の危機に陥ったこともあることから希少犬として高額な価格がついています。そんなチベタンマスティフの歴史や性格などをドッグトレーナーの長根が紹介します。

TOP写真提供: @banbenjiang8194さん Thanks!



チベタンマスティフの基礎知識

英語表記 Tibetan Mastiff
原産国 中国(チベット)
サイズ 大型犬
体高 61〜71cm
体重 64〜82kg
寿命 11歳前後

チベタンマスティフはもともと「モロサス犬」と呼ばれていたそうです。モロサス犬とは、古代の絶滅犬種でありマスティフ型の犬種の祖先でもあります。

マスティフ型の犬種は、モロサス(Molossus)イヌまたはモロッサ(Molossus)と呼ばれていました。しかし1280年頃、マルコ・ポーロがチベットで見かけた大きくたくましい犬を『東方見聞録』に書き遺したことで「チベタンマスティフ」と呼ばれるようになったといわれています。

チベタンマスティフの歴史

チベット原産のチベタンマスティフは、世界最古の犬種だといわれています。

大きな頭の犬種のほとんどは、このチベタンマスティフの血を引いていると考えらてれいます。チベットからイギリスへ輸入しましたが繁殖は失敗、一時は絶滅の危機にまで陥りました。

チベット以外では繁殖ができないと思われてきましたが、1931年にやっとイギリスでの繁殖が成功して絶滅の危機を免れ、動物園で展示もされたそうです。

もともとは牧畜犬として、家畜や家を守っていましたが、人の目を引く大きなサイズが高く評価され、現在ではショー・ドッグとして活躍しています。

チベタンマスティフの大きさや寿命

チベタンマスティフは、とても大きな犬種でしたが改良され、現在では体重約64~82kgほどで、体高は61~71cmほどで特別大きな犬種ではなくなりました。

寿命は11年前後といわれています。


チベタンマスティフの毛色

主な毛色はブラック(黒)、ブラウン、ゴールド、ブラックタンなどで、そのほかにグレー&ブルー、グレー&ブルー&タンなどもいます。

肢に見られるホワイト(白)は極小であれば、血統書団体によって容認されています。

ブラック


ブラウン


ブラックタン


チベタンマスティフの特徴

チベタンマスティフの大きな特徴ともいえる首周りの毛は、ライオンのようなたてがみを持つタイプを「獅子型」、ない方を「虎型」と分けられています。

また、獅子型には特に毛の長い方を「大獅子頭型」、毛の短い方を「小獅子頭型」と分けられているようです。

獅子型


虎型


チベタンマスティフの性格

警戒心が強くよそよそしいですが、温和な性格をしています。どっしりとした姿は力強く、とても強い印象を与えます。

チベタンマスティフの育て方

大きなチベタンマスティフを都市部で飼うのは難しいでしょう。

田舎など、広い庭や人通りの少ない場所で散歩ができるなど、適切な環境が必要です。

チベタンマスティフのしつけ方

一般的な犬種よりも成犬になるのが遅いので、子犬の時期に根気強くしつけを行いましょう。

体も大きく力強いので、散歩中引っ張らないように歩調を合わせて歩く「リーダーウォーク」「マテ」や「呼び戻し」もとても大切なしつけです。

チベタンマスティフのお手入れケア

長毛でダブルコートのチベタンマスティフは、こまめなブラッシングが必要です。

ブラッシングをしないと、皮脂や埃で絡まり、すぐに毛玉ができてしまいます。

チベタンマスティフの体型・体重管理

健康な毎日を過ごすためには、適切な体型・体重を保つことが欠かせません。定期的に体重を量ることは重要ですが、適正体重は成長とともに変化します。同時に「ボディ・コンディション・スコア(BCS)という評価指標を利用することで適正な体型・体重を維持することができます。

ボディコンディションスコア(BCS)

YouTubeのPETOKOTOチャンネルでは獣医師の佐藤先生が体重の測り方やボディコンディションスコアの確認方法を解説していますので、ぜひ参考にしてください。




チベタンマスティフの食事

PETOKOTO FOODS

犬の食べ物は「エサ」と呼ばれていた時代から、家族の「ごはん」と呼ぶ時代へ変わりました。私たちと同じように、犬も栄養バランスの良いごはんを食べることで健康を維持することができます。ごはん選びをする際は、以下の2点を気を付けていただくといいでしょう。

1. 総合栄養食を適量与える

犬が必要とする栄養は人間と同じではありません。そこで生まれたのが「総合栄養食」と呼ばれるごはんです。おやつなど「一般食」や「副食」と呼ばれるごはんだけ食べていると体を壊してしまいますので、「総合栄養食」のごはんを選ぶようにしましょう。

総合栄養食を食べていても与える量が少なければ痩せてしまいますし、多ければ太ってしまいます。パッケージに書かれた食事量は目安ですので、ボディ・コンディション・スコアで「3」の「理想体型」を維持できる量を与えるようにしてください。


2. 添加物の少ない新鮮なごはんを選ぶ

犬のごはんと聞いて「カリカリ」と呼ばれる茶色い豆粒を想像される方も多いと思いますが、正しくは「ドライフード」と呼ばれる加工食品です。保存しやすく食いつきも良いことから犬のごはんとして一般的になりましたが、高温加熱によって食材本来の栄養が失われ、添加物も多く含まれることから見直しが進んでいます。

そこで生まれたのが素材本来の旨味や香りが楽しめ、余計な添加物も入っていない「フレッシュフード」と呼ばれる新鮮なごはんです。PETOKOTO FOODSもその一つで、子犬からシニア犬(老犬)まで毎日のごはんにすることができます。もちろん総合栄養食です。

PETOKOTO FOODSの公式HPを見る



チベタンマスティフかかりやすい病気

チベタンマスティフは大型犬に多く見られる「股関節形成不全」、「中耳炎」や「皮膚炎」になりやすいです。

チベタンマスティフの迎え方

一度家族に迎えたら、子犬から老犬になっても大切に、命に責任を持ちましょう。

白髪も生えれば、病気にもかかるかもしれません。お金がかかるのは家族に迎える時だけではないことを踏まえ、もう一度考えた上で迎えることを検討してください。

チベタンマスティフの価格/値段

チベタンマスティフは希少なことから、とても高額な犬種としても知られています。

価格の相場は100万~1億円で、2億円の値がついたこともある犬種です。毛色や血統、たてがみのあるなしなどによって価格に差があります。

保護犬から迎える

保護犬猫マッチングサイトのOMUSUBI

保護され、里親を探している犬は雑種だけでなく、血統書のある犬も多くいます。

ペトコトの姉妹サイトである保護犬・保護猫マッチングサイト「OMUSUBI(お結び)」も、ぜひ覗いてみてください。

OMUSUBIで保護犬猫を探す


ブリーダーから迎える

高価格で希少なチベタンマスティフを迎える場合、ブリーダーから迎えることが一般的でしょう。

どんな環境で飼育されているかをよく確認することが大切です。

ペットショップから迎える

多くのペットショップではチベタンマスティフを販売していません。ペットショップで迎えたい場合は、事前に確認しましょう。

チベタンマスティフと楽しい暮らしを!

超大型犬に分類されるチベタンマスティフと暮らすのは簡単ではありません。

それでも大きくてモフモフのチベタンマスティフに体を預けたり、添い寝したりできたらきっと楽しい生活になること間違いありません。


参考文献