チベタンマスティフの飼い方|性格や毛色、寿命の特徴、しつけ、かかりやすい病気をトレーナーが解説

チベタンマスティフは、大きな体と立派なたてがみを持ちその姿はライオンのようにも見える犬種です。日本で見かけることはまれで、一時は絶滅の危機に陥ったこともあることから希少犬として高額な価格がついています。そんなチベタンマスティフの歴史や性格などをドッグトレーナーの長根が紹介します。

チベタンマスティフの基礎知識

チベタンマスティフ(Tibetan Mastiff)はもともと、「モロサス犬」と呼ばれていたそうです。モロサス犬とは、古代の絶滅犬種でありマスティフ型の犬種の祖先でもあります。

マスティフ型の犬種は、モロサス(Molossus)イヌまたはモロッサ(Molossus)と呼ばれていました。しかし1280年頃、マルコ・ポーロがチベットで見かけた大きくたくましい犬を『東方見聞録』に書き遺したことで「チベタンマスティフ」と呼ばれるようになったといわれています。

チベタンマスティフの歴史

チベット原産のチベタンマスティフは、世界最古の犬種だといわれています。大きな頭の犬種のほとんどは、このチベタンマスティフの血を引いていると考えらてれいます。チベットからイギリスへ輸入しましたが繁殖は失敗、一時は絶滅の危機にまで陥ってしまいました。チベット以外では繁殖ができないと思われてきましたが、1931年にやっとイギリスでの繁殖が成功して絶滅の危機を免れ、動物園で展示もされたそうです。もともは牧畜犬として、家畜や家を守っていましたが、人の目を引く大きなサイズが高く評価され、現在ではショー・ドッグとして活躍しています。


チベタンマスティフはライオンに似ている?

大きな姿と、獅子型とも呼ばれるほどのたてがみを持つチベタンマスティフはまるでライオンのようです。中国の動物園ではライオンの展示場にチベタンマスティフを入れていたということがあり、ニュースにもなりました。


チベタンマスティフの大きさや寿命

チベタンマスティフはとても大きな犬種でしたが改良され、現在では体重約64~82キログラムほどで、体高は61~71センチメートルほどで特別大きな犬種ではなくなりました。寿命は11年前後といわれています。

チベタンマスティフの性格や特徴

警戒心が強くよそよそしいですが、温和な性格をしています。どっしりとした姿は力強く、とても強い印象を与えます。チベタンマスティフの大きな特徴ともいえる首周りの毛は、ライオンのようなたてがみを持つタイプを「獅子型」、ない方を「虎型」と分けられています。また、獅子型には特に毛の長い方を「大獅子頭型」、毛の短い方を「小獅子頭型」と分けられているようです。

チベタンマスティフの特徴

獅子型


虎型


チベタンマスティフの毛色

主な毛色はブラック(黒)、ブラウン、ゴールド、ブラックタンなどで、そのほかにグレー&ブルー、グレー&ブルー&タンなどもいます。肢に見られるホワイト(白)は極小であれば血統書団体によって容認されています。

ブラック


ブラウン


ブラックタン


チベタンマスティフとチャウチャウとの違い

チベタンマスティフの深い毛に覆われた顔はチャウチャウに似ています。それもそのはず、チャウチャウはチベタンマスティフの血が入っているといわれています。チャウチャウは立耳で全体的に長い毛で覆われているのに対し、チベタンマスティフは垂れ耳で、「獅子型」と「虎型」といわれるように首周りの毛の長さに差があります。またチャウチャウは体重が約20~32キログラムほどで、体高は45~56センチメートルですが、チベタンマスティフは体重約64~82キログラムほどで、体高61~71センチメートルと大きさが違います。


チベタンマスティフの育て方

大きなチベタンマスティフを都市部で飼うのは難しいでしょう。田舎など、広い庭や人通りの少ない場所で散歩ができるなど、飼うには適切な環境が必要です。

チベタンマスティフのしつけ方

一般的な犬種よりも成犬になるのが遅いので、子犬の時期に根気強くしつけを行いましょう。体も大きく力強いので、散歩中引っ張らないように歩調を合わせて歩く「リーダーウォーク」「マテ」や「呼び戻し」もとても大切なしつけです。

チベタンマスティフのお手入れケア

長毛でダブルコートのチベタンマスティフは、こまめなブラッシングが必要です。ブラッシングをしないと、皮脂や埃で絡まりすぐに毛玉ができてしまいます。

チベタンマスティフかかりやすい病気

チベタンマスティフは大型犬に多く見られる「股関節形成不全」、「中耳炎」や「皮膚炎」になりやすいです。




チベタンマスティフの迎え方

一度家族に迎えたら、子犬から老犬になっても大切に、命に責任を持ちましょう。白髪だって生えるし、病気もするかもしれません。お金がかかるのは家族に迎える時だけではないということをもう一度よく考えましょう。

チベタンマスティフの価格/値段

チベタンマスティフは希少なことから、とても高額な犬種としても知られています。価格の相場は100万~1億円で、2億円の値がついたこともある犬種です。毛色や血統、たてがみのあるなしなどによって価格に差があります。

保護犬の里親になる

保護され新しく里親を探している犬は雑種だけでなく、血統書のある犬も多くいます。しかしその多くは成犬であり、子犬が欲しい場合は見つけるのが難しいです。保護犬を引き取る場合、保健所からと保護犬を譲渡している団体から引き取る場合があります。

ブリーダーやペットショップからの購入を考える前に一度覗いてみてはいかがでしょうか。保護犬の里親募集サイト「OMUSUBI」(お結び)も、ぜひ覗いてみてください。

ブリーダーから迎える

高価格で希少なチベタンマスティフを迎える場合、ブリーダーから迎えることが一般的でしょう。どんな環境で飼育されているかをよく確認することが大切です。

ペットショップから迎える

ペットショップでは比較的飼いやすく、人気の犬種を扱っていることが多いです。そのため、希少犬種であり、高価格なチベタンマスティフをペットショップから迎えることはできないでしょう。

チベタンマスティフと楽しい暮らしを!

超大型犬に分類されるチベタンマスティフと暮らすのは簡単ではありません。それでも大きな犬に体を預けたり、添い寝したりしたいと思ったことがある人も多いのではないでしょうか。モフモフのチベタンマスティフとそんな生活ができたらきっと楽しいですね!

Photo:@banbenjiang8194